(3233) イコライザー THE FINAL
【監督】アントワーン・フークア
【出演】デンゼル・ワシントン、ダコタ・ファニング、アンドレア・スカルドゥッツィオ、アンドレア・ドデーロ、レモ・ジローネ
【制作】2023年、アメリカ
悪と戦う元DIAエージェントの活躍を描いたアクション映画。「イコライザー2」(2018)の続編。
マフィアのアジトに潜入した元DIAエージェント、ロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)は、ボス(ブルーノ・ビロッタ)を倒し、彼の持っていた鍵を手に入れる。ところが去り際、車の中に一人残っていたマフィア一家の少年を始末せず、少年に背中を見せたところ、少年に背中を撃たれてしまう。瀕死のロバートを発見した国家憲兵のジオ・ボヌッチ(エウジェニオ・マストランドレア)は、ロバートを地元の医者、エンゾ(レモ・ジローネ)のもとに連れて行く。エンゾは、ロバートの素性を詮索せず彼を治療。ロバートは、彼らの町、アルタモンテを気に入る。
ところが、ビンセント・クアランタ(アンドレア・スカルドゥッツィオ)率いるマフィアが、街の人々の生活を脅かす。彼らは代替覚醒剤の密売に関与し、テロリストの資金源にもなっていた。ビンセントの弟マルコ(アンドレア・ドデーロ)は、捜査を進めるジオをリンチ。ロバートは、ジオを脅しにレストランに来たマルコに、街から手を引けと忠告するが、マルコは老いた黒人の言うことを聞くはずもない。ロバートは、マルコと手下を始末する。
弟を殺されたビンセントは、弟を殺した人物を教えろ、と街の人々を脅す。ロバートは堂々とビンセントの前に現れ、ビンセントに宣戦布告。衆人環視の中、ビンセントはやむなく一度引き上げ、ロバートの殺害を決めるが、ロバートはビンセントのアジトに潜入し、手下もろともビンセント一味を圧倒。ビンセントは、ロバートによって代替覚醒剤を過剰摂取させられ、命を落とす。アルタモンテの街に平和が訪れ、ロバートは街の人々の歓喜の輪に入っていくのだった。
爽快な勧善懲悪娯楽作品。悪者はとにかくステレオタイプな悪者。いい人はとにかくいい人。高齢者のロバートは、決して主人公アビリティ全開の無敵キャラという訳ではない。相手の倒し方は不意打ちだし、殺す価値のないような雑魚まで容赦なく殺害する。やり過ぎじゃないの、という感想も出そうなダークヒーローだが、本作では、序盤に少年を殺さず自らは致命傷を受けるという、ハンディキャップを描きながら、そこから復活して極悪非道の悪者を倒すという筋書きになっており、主人公に肩入れしたくなる要素をうまく盛り込んでいた。ロバートがマフィアから取り戻したかったのは、退職金をネット上で奪われた老夫婦の退職金を取り戻すことだった、という鼠小僧的なヒーロー像もラストに織り込まれていた。格調の高い作品ではないが、デンゼル・ワシントンの代表作だろう。
【5段階評価】4


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