評価3の映画

2026年6月17日 (水)

(3447) ブラザーサンタ

【監督】デビッド・ドブキン
【出演】ビンス・ボーン、ポール・ジアマッティ、レイチェル・ワイズ、ジョン・マイケル・ヒギンズ、ケビン・スペイシー、キャシー・ベイツ
【制作】2007年、アメリカ

サンタクロースを弟に持つ男性を描いたファンタジーコメディ。

アメリカで暮らすフレッド(ビンス・ボーン)は、実の弟ニコラス(ポール・ジアマッティ)がサンタクロース。子どもの頃から弟と比べられ、弟の引き立て役になる人生を送っており、反抗的でひねくれた大人になっていた。恋人のワンダ・ブリンカウスキー(レイチェル・ワイズ)の誕生日の日に、ディナーの約束をするが、お金を稼ぐために、無許可で募金集めをしたために、留置場に入れられ、デートをすっぽかす。フレッドは、弟ニコラスに電話し、保釈金を払ってほしいと懇願。ニコラスから、クリスマスの仕事の手伝いに、北極に来てほしいと言われる。フレッドは、ワンダに謝罪しに行くが、ワンダは激怒し、フレッドに別れを告げる。フレッドの家に、エルフのウィリー(ジョン・マイケル・ヒギンズ)が現れ、トナカイのそりで北極に連れて行かれる。
そこは、小人のエルフたちが働く世界。フレッドは、プレゼント工場で、いい子と悪い子を判別する作業をすることになる。クリスマス工場の合理化を検討しているクライド・アーチボルド・ノースカット(ケビン・スペイシー)が、ニコラス夫妻のもとに現れ、効率の悪化したニコラスの工場の閉鎖を示唆し、審査を始める。
フレッドは、ニコラスやその妻アネット(ミランダ・リチャードソン)、そして父親(トレバー・ピーコック)、母親(キャシー・ベイツ)と食事を取るが、子どもの頃と同様に、弟と比較されて面白くなく、その場を立ち去る。フレッドは、ウィリーと再会。彼が、秘書のシャーリーン(エリザベス・バンクス)に恋していることを知り、ダンスでシャーリーンの気を引く作戦を伝授する。ところが、ウィリーが、ダンスに失敗してすっ転んだところに、タイミング悪くシャーリーンが現れたため、ウィリーは落ち込む。フレッドは、ウィリーを励ます。
ノースカットは、ひねくれた性格のフレッドに問題があると睨む。フレッドの家族は、カウンセリングにより、彼を治療しようとするが、フレッドは拒否。フレッドを見かけたノースカットは、自分も医者の弟と比較された、と、フレッドに理解を示す。翌朝、フレッドは、悪い子リストの1位が、仲良しの黒人少年スラム(ボビー・J・トンプソン)になっているのを見つける。スラムは、フレッドが語ったサンタクロースへの悪態を、そのまま、クリスマスを楽しみにしている友だちにぶつけて、喧嘩をしていた。フレッドは、いたたまれなくなり、全ての子に、いい子のハンコを押し始める。プレゼントの生産を間に合わせるのは絶望的。ノースカットは、ニコラスに解雇通知を手渡す。
元の世界に戻ったフレッドは、兄弟との葛藤を乗り越える会に出席。そこには、シルベスター・スタローンの弟フランク・スタローンや、ビル・クリントンの弟ロジャー・クリントン、アレック・ボールドウィンの弟スティーブン・ボールドウィンが参加していた。フレッドは、兄を支えようと奮闘している彼らの話を聞く。
フレッドは北極へ戻ると、男の子には野球バット、女の子にはフラフープをプレゼントすることに決め、エルフたちに生産を急いでもらい、腰を怪我してしまったニコラスに変わって、自らウィリーとそりに乗って、子どもたちにプレゼントを届ける。その中には、スラムも含まれていた。
実は、ノースカットも、1968年に悪い子1位になり、欲しかったスーパーマンのマントが貰えなかった過去を持っていた。ニコラスは、ノースカットにプレゼントをあげなかったことを謝罪。悪い子はいないと言ったフレッドも、悪い子ではないから、とノースカットに協力を求める。ノースカットは、45歳になってようやく、サンタクロースから、スーパーマンのマントを貰い、彼に協力する。フレッドは、ウィリーとともに何とかプレゼントを配り終える。北極に戻ったウィリーは、まっしぐらにシャーリーンの前に歩み寄り、彼女にキス。後から現れたフレッドが、やり終えたことを報告し、エルフたちは歓喜に包まれる。
アメリカに戻ったフレッドは、喧嘩別れになっていたワンダに、彼女が行きたいと言っていたフランスの国旗を持った熊のぬいぐるみをプレゼント。となかいのそりに彼女を乗せて、パリの空を飛ぶ。こうしてフレッドはワンダと結婚。家族とも仲よくなり、みんなで集まって、楽しくダンスを踊るのだった。

小人たちが工場で働いている様子は、「チャーリーとチョコレート工場」(2005)を彷彿とさせた。ニコラスを憎むノースカットの過去が明かされ、一気にハッピーエンドに向かっていくところは、感動的。序盤が退屈なのが残念だった。シャーリーン役のエリザベス・バンクスの、胸の谷間も露わなミニスカサンタ衣装が、目の保養になった。

【5段階評価】3

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2026年6月16日 (火)

(3446) 雪之丞変化

【監督】市川崑
【出演】長谷川一夫、若尾文子、山本富士子、中村鴈治郎、伊達三郎、市川雷蔵、勝新太郎、柳永二郎、船越英二、市川中車、浜村淳
【制作】1963年、日本

両親の仇討ちに生きる女形(おやま)を描いた作品。

歌舞伎役者の雪之丞(長谷川一夫)は、舞台の上から、客席にいる土部三斉(どべさんさい)(中村鴈治郎)、川口屋(伊達三郎)を恨めしく見つめる。雪之丞の両親は、三斉や川口屋のせいで死んでしまったからだった。三斉の娘、浪路(なみじ)(若尾文子)は、雪之丞を気に入り、恋煩いにかかる。雪之丞は、川口屋に呼ばれ、浪路を見舞う。川口屋は、将軍の妾である浪路が雪之丞に本気で惚れれば、三斉の力を削ぐことができると考えていた。雪之丞は、浪路に接し、彼女が本気で自分に恋していることを知る。そこに、泥棒のお初(山本富士子)が忍び込む。雪之丞は、お初を発見すると、お初の攻撃をあしらい、誰にも気づかれないよう屋敷から追い出す。お初は、雪之丞に恋心を抱き、雪之丞と、師匠の菊之丞(市川中車)の会話を盗み聞き。雪之丞が親の仇討ちを企てていることを知る。
雪之丞は、広海屋(柳永二郎)に会い、江戸で買い溜めた米を売るようそそのかす。広海屋が米を安売りしたせいで、米を買い込んでいた川口屋は潰れる。川口屋は、逆恨みして、広海屋の屋敷を焼く。広海屋は、気の触れた川口屋を絞め殺す。浪路は、三斉の家を抜け出し、会いに来てほしいと雪之丞に手紙を出すが、雪之丞はそれを無視。広海屋は、浪路をおびき寄せて手込めにしようとするが、浪路は、懐剣(かいけん)で広海屋を刺し殺す。島抜け法師(勝新太郎)は、雲助(薮内武司)に捕まった浪路を担いで、闇太郎(長谷川一夫、二役)のところに連れて行く。闇太郎は、雪之丞を呼び出すが、高熱にうなされる浪路は、雪之丞の姿を見てすぐ、亡くなってしまう。
雪之丞は、三斉に面会する。三斉の屋敷に、浪路の亡骸が運び込まれる。雪之丞は、三斉に素性を明かし、三斉は、自ら毒をあおって命を絶つ。雪之丞は、その後、姿を消し、行方は誰にも分からないのだった。

古い時代劇は、観ないで消すことも多いのだが、ここのところ、テレビで録画される映画が鑑賞済みであることが増えてきたので、本作は観ることにした。「雪之丞変化」は、何度も映像化されているが、観たのはこれが初めて。物語は興味深く、映画館で「国宝」を観た後でもあり、歌舞伎役者が主人公というのも、興味深かったのだが、女形が、普段も女性のように振る舞っているところには、違和感があった。若尾文子の美貌は素晴らしかった。

【5段階評価】3

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2026年6月15日 (月)

(3445) 悪名一番

【監督】田中徳三
【出演】勝新太郎、田宮二郎、雪代敬子、伊井友三郎、矢島陽太郎、江波杏子、安部徹、名和宏、藤原礼子、芦屋雁之助、芦屋小雁、茶川一郎
【制作】1963年、日本

「悪名」シリーズ第7弾。「悪名波止場」(1963)の続編。次作は「悪名太鼓」(1964)。

朝吉(勝新太郎)のもとに、お照(藤原礼子)がやって来て、客が忘年会の支払いをしてくれないと困っている女性(今喜多代)を助けてあげてほしいと相談する。朝吉が、ツケを払わない客のところに行くと、客の雇い主が、大黒金融に預けた金を返してもらえないために、給料を払ってもらえていないのが理由だと分かる。朝吉は、大黒金融の大阪支店長(遠藤辰雄)に事情を聞く。すると、大野平助という社員が、1億円を持ち逃げしたため、預かった金を渡せないのだと言う。朝吉は、清次(田宮二郎)とともに、本社のある東京に行く。
二人はまず、大野平助の姉、妙子(雪代敬子)を訪ね、平助の居場所を聞く。しかし、妙子も、そして平助の親代わりの川田玄次郎(伊井友三郎)も、平助の居場所は知らなかった。朝吉は、大黒金融の社長に会いに行くが、秘書の圭子(江波杏子)に冷たくあしらわれる。朝吉は、圭子を尾行して社長(安部徹)を見つけ、大阪で困っている人たちに、金を返してほしいと頭を下げる。その場にいた工藤(名和宏)は、朝吉に、川田に頼まれて嫌がらせに来たのか、とすごむ。朝吉は、川田の家に行き、工藤が東京の振興ヤクザであることを知る。
靖国神社で朝吉に愛想を尽かされた清次は、偶然おぎん(茶川一郎)と再会。おぎんは、清次の仕事を世話するため、偶然にも工藤のところに清次を連れていく。清次は、工藤の事務所に、大野平助(矢島陽太郎)が捕らわれているのを発見。平助が1億円を着服したというのは、工藤や社長の画いた絵で、平助は、恋人の圭子と店を興す資金を餌に、騙されていたのだった。
工藤は、清次に、平助と圭子を殺すよう依頼。清次は、二人を殺害する振りをして、二人を逃がすが、それが工藤にバレてしまい、拷問される。朝吉は、川田のもとに戻ってきた平助と圭子から事情を聞き、川田に身を寄せていた一郎(芦屋雁之助)と二郎(芦屋小雁)を連れて、工藤の事務所に乗り込むと、捕らわれていた清次を救出し、工藤と社長を叩きのめす。朝吉は、川田に感謝されるのだった。

西日本で名を馳せていた朝吉が、東京に進出するという展開。圭子という美女とも知り合い、妙子に褒められて照れるという朝吉のキャラクターが、確立してきたような内容だった。クライマックスの格闘シーンは、一郎と二郎が、雑貨店で入手した小麦粉(なのか胡椒なのか)を振りまいて、みんながくしゃみしながら殴り合うという、コミカルな展開になっていた。

【5段階評価】3

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2026年6月13日 (土)

(3443) 赤穂城断絶

【監督】深作欣二
【出演】萬屋錦之介、千葉真一、島英津夫(えつお)、近藤正臣、原田美枝子、岡田茉莉子、三田佳子、三船敏郎、峰岸徹、丹波哲郎、若林豪、金子信雄、松方弘樹、西郷輝彦、渡瀬恒彦、森田健作、加藤嘉、成田三樹夫
【制作】1978年、日本

赤穂浪士の討ち入りを描いた時代劇。160分の大作。

吉良上野介(金子信雄)に暴言を吐かれ、刃傷に至った浅野内匠頭(西郷輝彦)は、切腹に処せられ、吉良上野介はお咎めなしとなる。大石内蔵助(萬屋錦之介)は、追い腹の覚悟を持つ者を集め、仇討ちをすると宣言。雌伏の期間を経て、元禄15年12月14日、見事、吉良を討ち取る。先に逝った橋本平左衛門(近藤正臣)を除く46名が切腹するのだった。

おなじみ忠臣蔵のお話。はつ(原田美枝子)と心中した橋本平左衛門や、大石家を見守る不破数右衛門(千葉真一)に焦点が当たっている。討ち入りのチャンバラシーンでは、不破数右衛門と小林平八郎(渡瀬恒彦)との一騎打ちに、時間が割かれていた。上に書いた他にも、大滝秀治や藤岡琢也など、有名俳優がたくさん出演している。

【5段階評価】3

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2026年6月10日 (水)

(3440) 悪名波止場

【監督】森一生
【出演】勝新太郎、田宮二郎、紺野ユカ、滝瑛子、藤原礼子、藤田まこと、青山ミチ
【制作】1963年、日本

「悪名」シリーズ第7弾。「悪名市場」(1963)の続編。次作は「悪名一番」(1963)。

朝吉(勝新太郎)の相棒、清次(田宮二郎)は、船に乗り合わせた清次の偽物、三郎(藤田まこと)がいかさま博打をしているのを見かねて、彼を懲らしめる。朝吉は、妹のために金が必要だと話す三郎の家に付いていく。そこには、麻薬の禁断症状に苦しんでいるおとし(紺野ユカ)がいた。三郎は、勤め先の三鯛(みつたい)運輸の金を持ち逃げ。三鯛運輸の鬼瓦(吉田義夫)は、おとしに金を払わせようとする。それを知った朝吉は、おとしの代わりに自らがアンコ(日雇い労働者)となって働き始める。おとしは、朝吉の愛情に触れ、手を染めていた三鯛運輸の麻薬の密売からも足を洗うことを決意する。おとしが働いているおなご舟の女性たちも、朝吉と清次に感謝する。
鬼瓦は、おとしの夫、仙太郎(水原弘)に、おとしを痛めつけるよう命令。仙太郎は、縄でおとしを折檻し、勢い余って殺してしまう。鬼瓦たちは、おとしを事故死したと見せかける。その様子を、おとしと同部屋の悦子(滝瑛子)が目撃していた。
清次は、近所にいる女の子、マリ(ジニー・マリッチ)を、鬼瓦の事務所に連れて行き、おとしの隠し子だと嘘をついて補償金を騙し取る。それを知った悦子は、それではおとしが事故死したことを認めることになる、と怒る。朝吉は、悦子がなにか知っているのでは、と怪しむ。
仙太郎は、悦子がおとしの事故死を疑っていることを鬼瓦に報告。鬼瓦は、仙太郎に、悦子を始末するよう命じる。仙太郎は、悦子をひとけのない港の倉庫裏に誘い込み、マリともども殺そうとする。そこに車が現れ、仙太郎をひき殺そうとする。おとしの家に逃げ帰った仙太郎は、そこにいた朝吉に、悦子ともども殺されかけたと伝える。朝吉は、悦子を探しに行くが、鬼瓦たちに捕まり、悦子とともに縄で縛られ、海に投げ込まれる。清次は、おなご舟の女性たちとともに、二人を助け上げる。仙太郎は、自分がおとしを殺してしまったこと、三鯛運輸が麻薬密売をしていることを、朝吉たちに白状する。朝吉たちは、鬼瓦や社長(伊達三郎)をおびき寄せ、彼らを懲らしめる。朝吉と清次は、悦子やマリ、おなご舟の女性たちに別れを告げ、去って行くのだった。

前作に登場した、清次の偽物、三郎から話が繋がっていく。三郎は早々に登場しなくなるので、朝吉たちとの関係は希薄ではあったが。それにしても、悪名シリーズって1963年だけで4本も作られているのか。すごいな。

【5段階評価】3

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2026年6月 6日 (土)

(3436) パーフェクト

【監督】マイケル・ヒートン
【出演】サマンサ・クラーク、オースティン・トラップ、アレハンドラ・チャバリア、ギャビン・マーク、シアラ・マンデル
【制作】2022年、カナダ

理想の人間を植物のように育てる世界の物語。25分の短編映画。

遺伝子操作をした種を土に植えると、ソイル・メイトという理想の人間ができあがる世界。彼氏と別れたパティ(サマンサ・クラーク)は、隣に住むマーサ(アレハンドラ・チャバリア)が、夫と娘を育て始めたのを見かける。近所のゴード(ギャビン・マーク)も、種で彼女を育てては、気に入らないと捨てることを繰り返していた。パティはマーサに勧められ、新たな彼の種を買って育てる。出てきたトーマス(オースティン・トラップ)に、パティは夢中になり、二人でラブラブな時間を過ごす。ある日、トーマスは、子どもを持とうと言い出す。トーマスは子ども好きという設定になっていたのだ。二人だけで暮らしたいサマンサは、トーマスの子どもを持とうと言い続ける態度に失望し、彼を廃棄。新たに4つの種を購入するのだった。

人間を育てては捨てるというディストピアをユーモラスに描いている。いくらでも恐ろしい状況を描ける世界だが、あまり深入りした内容にはなっていなかった。ラストに、「カナダが核兵器を実装しました」というニュースが流れて、パティがはっとするシーンで終わるのだが、その意味がよく分からなかった。

【5段階評価】3

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2026年6月 5日 (金)

(3435) 北極百貨店のコンシェルジュさん

【監督】板津匡覧(いたづよしみ)
【出演】川井田夏海(声)、大塚剛央(たけお)(声)、飛田展男(のぶお)(声)、潘めぐみ(声)、津田健次郎(声)
【制作】2023年、日本

動物がやって来る百貨店で働くコンシェルジュを描いたアニメ作品。西村ツチカの漫画が原作。

若い女性、秋乃(川井田夏海)は、ありとあらゆる動物が買い物に来る北極百貨店で働く、試用期間中の新人コンシェルジュ。ワライフクロウの夫(立川談春)を接待するフェレット(橘龍丸(たつまる))や、ウミベミンクの娘(寿美菜子)と父(家中宏)、ニホンオオカミの青年(入野自由)と彼女(花澤香菜)、バーバリライオンの少年(村瀬歩)、パティシエ見習いのネコ(諸星すみれ)、彫刻家のケナガマンモス、ウーリー(津田健次郎)などと、色々なやりとりをして、秋乃は成長していく。コンシェルジュに厳しいフロアマネージャーの東堂(飛田展男)や、オオウミガラスのエルル(大塚剛央)も秋乃を応援し、秋乃はコンシェルジュを続けるのだった。

絶滅危惧種は、VIPならぬVIAという貴重な客として扱われるという設定。連載漫画が原作ということで、いくつかのエピソードが次々出てくる展開なのだが、ゴクラクインコ(清水理沙)の娘のために、北極百貨店の客の感謝の言葉を、バーバリライオンのカップルが撮影した動画のシーンは、目頭が熱くなった。
最初と最後に、人間の女の子が百貨店に来て、コンシェルジュに出会うという場面があり、これは、秋乃がコンシェルジュに憧れたきっかけと、未来のコンシェルジュ候補になる少女が現れたということを描いているのだが、見ようによっては、ついに人間が絶滅危惧種になったのか、という、怖い意味にも取れるのだった。

【5段階評価】3

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2026年6月 4日 (木)

(3434) ウィッシュ

【監督】クリス・バック、ファウン・ビーラスンソーン
【出演】アリアナ・デボーズ(声)、クリス・パイン(声)、アラン・テュディック(声)、アンジェリーク・カブラル(声)
【制作】2023年、アメリカ

人々の願いを取り戻そうとする少女を描いたディズニーアニメ作品。

地中海のロサスという国の少女アーシャ(アリアナ・デボーズ)は、魔法を使う力をただ一人持つ国王マグニフィコ(クリス・パイン)の弟子になる面接を受ける。アーシャはそこで、マグニフィコが、民の願いを選別し、自分が認めたものだけを叶えており、叶えるべきではないと判断した願いは、取り上げたままにしていることを知る。アーシャは、叶うことのない願いは、自分自身で叶える努力ができるよう、本人に返すべきだと主張するが、マグニフィコは、それは自分が決める、と強弁。アーシャの弟子入りは不合格となる。
アーシャは、100歳の祖父サバ(ビクター・ガーバー)の願いが叶うことがないことを知り、その願いを取り戻したいとサバに告げるが、サバは、それを否定。アーシャは家を飛び出し、星に願いを告げる。すると、小さなスターが降りてきて、アーシャの周囲に魔法を振りまく。すると、ペットの子ヤギ、バレンティノ(アラン・テュディック)や、森の動物たちが言葉を話すようになり、アーシャの味方になる。
アーシャがスターを連れていることは、ほどなく友だちにバレる。彼らは驚きながらも、アーシャを応援する。アーシャは、国王の部屋から、祖父の願いを持ち帰り、祖父に返す。祖父は喜ぶが、そこにマグニフィコが現れ、アーシャの母親(ナターシャ・ロスウェル)の願いを握りつぶす。母親は悲しみに沈む。国王は、スターの力を手に入れるため、禁断の書に手を出し、人々の願いを自らに取り込み、強大な魔力を手に入れていく。
アーシャは、友だちや、国王の暴走を悲しむアマヤ王妃(アンジェリーク・カブラル)と協力して、国王の部屋の天井を開放し、人々の願いを取り戻そうとするが、マグニフィコは強力な魔力でそれを阻止。スターを自分の杖に封じ込めると、民の自由を奪い、アーシャを捕らえる。それでもアーシャは、願いを歌に込め、人々もその歌に応えて、ともに歌い出す。国王の力は削がれていき、スターは解き放たれ、逆にマグニフィコが杖の中に封じ込められる。アマヤ王妃が女王となり、人々は、自分の願いを叶えるため、自ら努力するようになる。アーシャは魔法使いの見習いとしての道を進み始めるのだった。

ヒロインは、ここのところのディズニー作品らしく、有色人種になっており、逆にビランであるマグニフィコは白人。内容は、オーソドックスなディズニーアニメらしく、ミュージカル風で、相棒となるペットがいて、ハッピーエンド。中盤は退屈だったが、クライマックスで人々が立ち上がって歌を歌うシーンは感動的だった。

【5段階評価】3

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2026年6月 1日 (月)

(3431) トランスフュージョン

【監督】マット・ネイブル
【出演】サム・ワーシントン、エドワード・フライデイ・カーモディ、マット・ネイブル、フィービー・トンキン
【制作】2023年、オーストラリア

身重の妻を失った元軍人と、息子との絆を描いた作品。監督自身が、重要な登場人物を演じている。

元軍人で狙撃手のライアン・ローガン(サム・ワーシントン)は、妊娠中の妻ジャスティン(フィービー・トンキン)を交通事故で失う。ライアンはその後、魂の抜けたような生活となり、息子のビリー(エドワード・フライデイ・カーモディ)は家出と非行を重ねていた。ライアンと再会した戦友のジョニー(マット・ネイブル)は、生活費の必要なライアンに、裏組織の資金強盗の手助けをさせる。
ビリーは、高校の友人に誘われて夜のパーティに行き、無免許飲酒運転をさせられ、友人の父親の高級車を転覆させてしまう。ライアンは、相手の父親を訪ね、ビリーの一件が警察沙汰にならないよう見逃してほしいと頼み、弁償する金を用意すると伝える。大金が必要になったライアンは、ジョニーに相談。ジョニーは、ライアンの狙撃の技術を使って、裏組織のメンバーを皆殺しにし、ライアンは大金を手にする。ライアンは、その金を高級車の持ち主の父親に渡し、これ以上要求するな、とすごんで立ち去る。
ライアンは、不器用にビリーを守ろうとするが、ビリーは、自分が父親の人生の邪魔になっていると感じていた。ライアンの妻、ジャスティンの車が、飲酒運転の車に激突されたとき、同乗していた幼いビリー(ギルバート・ブラッドマン)も重傷を負っていた。ライアンは、医師(ジェシカ・ネイピア)から、二人とも助けるだけの輸血の量が足りないので、ジャスティンかビリーのどちらかを助けるか選択を迫られる。ライアンは、流産して脳を損傷したジャスティンではなく、息子のビリーを選択した。ビリーは、父が本当は母親の方を選びたかったのだと感じ、父親に反発していたのだった。
裏組織を壊滅させたと考えていたジョニーだったが、家に暗殺者が侵入。ジョニーは、腹を刺されながらも暗殺者を倒し、血まみれのまま、ライアンの家に現れる。ライアンは、その場にいたビリーに、部屋の中に入るよう指示し、ジョニーの話を聞く。ジョニーは、組織に自分が金を奪ったことが知られたから、大金を手にしたときと同じように、おびき寄せた敵を狙撃してほしいとライアンに頼む。ライアンはそれを拒否。するとジョニーはライアンに襲いかかる。ジョニーが、倒れたライアンに銃を向けたとき、銃声が響き、ジョニーが倒れる。ビリーが、ライフルでジョニーを撃ったのだった。子どもの頃、鹿を撃つのを拒否したビリーの勇気だった。ライアンは、ビリーとの絆を取り戻し、キャンプ先で、ビリーに車の運転を試させるのだった。

ライアンの妻との満ち足りた生活、妻と息子が交通事故にあった悲劇、現在の息子とのすさんだ生活。これらが織り交ぜられながら、少しずつ、登場人物同士の関係が明かされていく作りになっている。複雑な脚本は、得てして意味が分からなくなりがちだが、そうはなっておらず、それはよかった。ただ、終盤、ジョニーがライアンを殺そうとする意味がよく分からない(罪を重ねても何も解決しない)し、ジョニーが死んで、ライアンとビリーに何のお咎めもないのも不思議。映画の質は高かったが、脚本の穴は気になった。

【5段階評価】3

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2026年5月30日 (土)

(3429) シン・デレラ

【監督】ルイーザ・ウォーレン
【出演】ケリー・ライアン・サンソン、ローレン・バッド、ダニエル・スコット、クリッシー・ウンナ、サム・バレット、ナターシャ・トシーニ
【制作】2024年、イギリス、アメリカ

童話「シンデレラ」をモチーフに、虐げられた女性の復讐劇を描いた恐怖映画。

継母のダイアー夫人(ダニエル・スコット)や、その娘のイングリッド(ローレン・バッド)、ハンナ(ナターシャ・トシーニ)に虐げられているエラ(ケリー・ライアン・サンソン)は、舞踏会の相手選びに現れたレビン王子(サム・バレット)に、舞踏会に誘われる。エラは、庭で見つけたおぞましい見た目の本を手にし、現れたフェアリーゴッドマザー(クリッシー・ウンナ)に、レビン王子と踊りたいと願いを告げる。
エラは着飾って舞踏会に現れ、レビン王子はダンスの相手をするが、それはレビン王子やイングリッドたちが、エラをあざけるための企てだった。レビン王子は突然、エラを突き放してつばを吐きかけ、周りの客たちもエラをあざ笑い、よってたかってエラのドレスを剥ぎ取る。丸裸にされてあざ笑われたエラは、フェアリーゴッドマザーに、恨みを晴らすという願いを告げる。エラはガラスの靴を凶器にして、自分を馬鹿にしたハンナやイングリッドを次々と殺戮。レビン王子は召喚されたおぞましい魔物に食い殺され、最後まで生き残ったダイアー夫人も焼け死ぬ。エラは、自分の僕になるように言ったフェアリーゴッドマザーをも殺すと、魔物を従えて、森の中に消えていくのだった。

いわゆるスプラッタホラー映画。臓物のような気持ち悪い本が鍵となり、それまで大人しかったエラが、殺人鬼になって、自分をいじめた人たちを殺戮していくという話。低予算映画なのだろうが、それなりの映像の品質だった。本作は、「ザ・シネマ」の無料放送。

【5段階評価】3

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