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2025年7月

2025年7月31日 (木)

(3115) フルメタル・ジャケット

【監督】スタンリー・キューブリック
【出演】マシュー・モディーン、ビンセント・ドノフリオ、R・リー・アーメイ、アダム・ボールドウィン、ケビン・メージャー・ハワード
【制作】1987年、アメリカ、イギリス

ベトナム戦争に投入される若い兵士たちを描いた戦争映画。

前半は過酷な海兵訓練の様子。ジェイムズ(マシュー・モディーン)は鬼軍曹ハートマン(R・リー・アーメイ)からジョーカーと名付けられ、太っていて動きの鈍いレナード(ビンセント・ドノフリオ)の指導を任される。レナードは射撃の能力があり、ハートマンにも認められるが、彼は次第に精神を病んでいき、卒業式を終えた夜、トイレで小銃に実弾を込めているところを見回り役のジョーカーに発見される。レナードは駆けつけたハートマン軍曹を撃ち殺し、銃口を口にくわえて自らを撃ち、自殺する。
後半はベトナム戦争での戦闘を描いている。ジョーカーは報道部員としてベトナム戦争に参加。やがて前線に送り込まれ、訓練生の同期だったカウボーイ(アーリス・ハワード)と再会。北ベトナム軍が撤退した地区を偵察中、分隊長がブービートラップ(仕掛け爆弾)で死亡。カウボーイが隊を指揮するが、さらに二人が敵の狙撃兵に殺され、カウボーイも撃ち殺される。ジョーカーたちは狙撃兵の潜む建物に入り、狙撃兵を仕留めるが、それは少女(ニョック・リ)だった。少女は息も絶え絶えになりながら、私を撃ってと繰り返し、ジョーカーは拳銃の引き金を引く。彼らの戦争は続くのだった。

過酷な戦争の様子を描き出した作品。前半のハートマン軍曹の罵倒は、クソだのマンコだののオンパレードで、もはや何を例えているのか意味が分からない。本作はNHK BSでの放映だったが、このような用語を字幕で流すことに驚いた。あまり見たことない。後半の戦争シーンも、大作戦というよりは、建物に潜む一人の狙撃兵との攻防という、局地的な戦闘を切り取っている。こういう、大勢に影響があるとも思えないできごとが戦争の一側面だ、ということなんだろう。こういう理不尽に巻き込まれない人生でよかったよ、と思う。

【5段階評価】4

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2025年7月30日 (水)

(3114) リトル・マーメイド

【監督】ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ
【出演】ジョディ・ベンソン(声)、クリストファー・ダニエル・バーンズ(声)、サミュエル・E・ライト(声)、パット・キャロル(声)
【制作】1989年、アメリカ

人魚と人間の王子の恋を描いたディズニーアニメ作品。

海で暮らす人魚の王女アリエル(ジョディ・ベンソン)は、人間の王子エリック(クリストファー・ダニエル・バーンズ)に恋をする。魔女のアースラ(パット・キャロル)は、声と引き換えにアリエルを3日間人間の姿に変え、その間に王子とキスをすれば、人間になるが、キスできなければアースラに隷属するという契約をアリエルと結ぶ。アリエルはエリックと仲よくなるが、約束の期間にキスをすることはできず、アースラはアリエルを海に連れ戻すと、アリエルの父親トリトン(ケネス・マース)から王の座を奪う。エリックはアリエルを取り戻すため、アースラを倒す。アリエルの愛を知ったトリトンはアリエルを人間の姿に変え、アリエルとエリックは幸せな結婚を果たすのだった。

劇中歌「アンダー・ザ・シー」がアカデミー歌曲賞を受賞。アリエルが見た目で王子を好きになるなど、内面を軽視した展開ではあるが、複雑な展開はなく、分かりやすい物語。

【5段階評価】3

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2025年7月29日 (火)

(3113) ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語

【監督】グレタ・ガーウィグ
【出演】シアーシャ・ローナン、エマ・ワトソン、エリザ・スカンレン、フローレンス・ピュー、ローラ・ダーン、ティモシー・シャラメ
【制作】2019年、アメリカ

四人の姉妹の成長の過程を描いた作品。ルイーザ・メイ・オルコットの小説「若草物語」が原作。

物語はマーチ家の次女、ジョー(シアーシャ・ローナン)を中心に、時系列順ではなく、様々なエピソードが描かれる。
長女のメグ(エマ・ワトソン)は裕福ではない青年ジョン・ブルック(ジェームズ・ノートン)と結婚。ジョーは落ちぶれた貴族ローリー(ティモシー・シャラメ)に求婚されながらも、拒否して独身のまま生きようとするが、ローリーを愛していたことに気づく。しかし、ローリーはジョーを諦め、四女のエイミー(フローレンス・ピュー)と結婚する。三女のベスは病弱でずっと伏せっており、南北戦争の戦地から戻った父親(ボブ・オデンカーク)との再会を喜ぶものの、まもなく死を迎える。
ジョーは四姉妹が登場する自伝的小説を書き、出版社のダッシュウッド(トレイシー・レッツ)に提出。娯楽重視、ハッピーエンドを希望する彼との交渉で、ジョーは主人公を結婚させることにするが、著作権は手放さないことに決めるのだった。

始めはとりとめのない物語だなと思って観ているのだが、次第に、四姉妹それぞれの結婚観、恋愛観が示され(三女は子どものまま死んでしまうが)、ジョーがローリーとどういう結果に至るのか、興味がわくようになっている。時系列順ではないので、脚本は相当に練り込まれたのだろう。序盤は、「これは今の話か昔の話か」と気になり、よく分からないのだが、中盤以降は、それが気にならなくなっていき、過去の話が将来の話の伏線になったり、種明かしになったりしていくのを楽しむことができた。若草物語がどういう話かを2時間ちょっとで知ることができる作品でもある。

【5段階評価】4

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2025年7月28日 (月)

(3112) ブーガルーとグラハム

【監督】マイケル・レノックス
【出演】ライリー・ハミルトン、アーロン・リンチ、マーティン・マッキャン、シャーリーン・マッキナ
【制作】2014年、イギリス

飼っているニワトリを殺されそうになる少年達を描いた作品。14分の短編映画。

1978年のベルファスト。ジェームズ(ライリー・ハミルトン)とマラキー(アーロン・リンチ)の幼い兄弟は、父親(マーティン・マッキャン)から2匹のひよこをもらう。二人はひよこにブーガルー、グラハムと名付け、大事に育てる。ひよこはやがて大きくなる。母親(シャーリーン・マッキナ)はニワトリを歓迎せず、夫は妻にけしかけられ、母親が妊娠したからニワトリを捨てると子どもたちに告げる。兄妹二人はニワトリを連れて家出しようとし、父親が追いかける。すると、目の前で男(ポール・ケネディ)が軍隊に捕まえられるところに遭遇。父親は二人を連れ帰る。翌朝、父親はニワトリを殺そうとするが、驚いたように卵を取り上げる。母親はニワトリを殺すのを諦め、子どもたちは喜ぶ。しかし、実はその卵は父親が冷蔵庫からニワトリの小屋に置いたものだった。

ベルファストは、北アイルランドの首府。1978年のベルファストは、北アイルランド紛争で揺れ動いていた時代。父親は、たとえニワトリであっても、命を奪う行為は子どもに見せたくなかったのだろう。家族の微笑ましい話だが、反戦メッセージも込められたような内容だった。

【5段階評価】3

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2025年7月27日 (日)

(3111) ライオン・キング

【監督】ロジャー・アラーズ、ロブ・ミンコフ
【出演】マシュー・ブロデリック(声)、ジェームズ・アール・ジョーンズ(声)、ジェレミー・アイアンズ(声)、モイラ・ケリー(声)
【制作】1994年、アメリカ

ライオンの男の子の成長を描いたディズニーアニメ作品。

プライドランドの王であるライオンのムファサ(ジェームズ・アール・ジョーンズ)は、男の子シンバ(ジョナサン・テイラー・トーマス)を授かる。ムファサの弟スカー(ジェレミー・アイアンズ)は、自分が王になるため、ムファサを殺し、それをシンバのせいにしてプライドランドから追い出す。シンバは砂漠で倒れているところをミーアキャットのティモン(ネイサン・レイン)とイボイノシシのプンバァ(アーニー・サベラ)に助けられ、立派なライオン(マシュー・ブロデリック)に成長する。シンバは彼を探しに来た幼なじみのナラ(モイラ・ケリー)と再会。シンバはプライドランドに戻り、スカーを倒して王になるのだった。

ライオンが草食動物たちの王であるという理不尽さを抱えているが、本作ではシンバは昆虫を食べて成長することで、他の動物の殺生を回避。それでも、昆虫は食われてもいいんかい、的な部分は残る。2019年にはほぼ全く同じ物語のままフル3DCGでリメイクされている。

【5段階評価】3

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2025年7月26日 (土)

(3110) フィーリング・スルー

【監督】ダグ・ローランド
【出演】スティーブン・プレスコッド、ロバート・タランゴ、コフィー
【制作】2019年、アメリカ

盲聾の男性に出会った貧しい青年を描いた作品。18分の短編映画。

貧しい黒人の青年(スティーブン・プレスコッド)が、夜になっても泊まる場所がなく、友人に連絡して寝る場所を探していた。彼は浮浪者(コフィー)にお金をせがまれるが、当然のように追い払い、歩き始めると、一人の男(ロバート・タランゴ)が突っ立っているのを見つける。男は盲聾者で、バスに乗ろうとしていることを筆談で伝えてくる。青年は彼をバス停まで導く。男を置いていくことができず、一緒にバスを待っていると、男はコンビニで飲み物が買いたいと言い出す。青年は彼の代わりに飲み物を買い、自分にスニッカーズを買った上で少額をくすねる。
男は青年に名前を尋ね、青年はテリークと答える。男はアーティと名乗る。テリークはやってきたバスにアーティを乗せ、129番地で降ろしてやるようバスの運転手(ルイス・アントニオ・アポンテ)に頼む。テリークはアーティに「U OK?」(大丈夫?)と尋ねると、アーティはうなずき、テリークに「YOULL BE OK」(君なら大丈夫だよ)と返してテリークをハグする。バスを降りたテリークは、さっき無視した浮浪者にくすねた少額を渡し、去って行くのだった。

完全に無防備な状態でこちらを信用しきっている相手に、人はどこまで残忍に、あるいは善良になれるのか。様々な描き方があるだろうが、本作では、すさんだ気持ちでいたテリークが、人の善意に全面的に頼らないと生きていけない盲聾者を相手に、一度は持ち金をちょろまかすが、最後は優しい人間になる。バスの中での二人のやりとりは感動的だった。
アーティ役のロバート・タランゴは本人が盲聾者。彼のたたえる微笑みは、健常者にはまねできない気がした。全盲聾の人物を描いた作品としては「桜色の風が咲く」(2022)もある。

【5段階評価】3

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2025年7月25日 (金)

(3109) トランザム7000

【監督】ハル・ニーダム
【出演】バート・レイノルズ、サリー・フィールド、ジャッキー・グリーソン、ジェリー・リード、マイク・ヘンリー
【制作】1977年、アメリカ

高額報酬のビール運送に挑む走り屋の奮闘を描いたコメディ作品。

トラック運転手のバンディット(バート・レイノルズ)は、ビッグ・イーノス(パット・マコーミック)と息子のリトル・イーノス(ポール・ウィリアムズ)から、400ケースのクアーズビールを8万ドルの報酬でテキサスからアトランタまで運ぶというミッションを持ちかけられる。バンディットはスーパーカーのトランザムを購入し、知り合いのスノーマン(ジェリー・リード)に運搬用のトラックの運転を任せ、自らはトランザムでトラックの走行を護衛する。
バンディットは途中で、花嫁姿のキャリー(サリー・フィールド)を乗せる。テキサスのジャスティス保安官(ジャッキー・グリーソン)は、花嫁を追いかける。バンディットとスノーマンは保安官の追求を巻きながら、イーノス親子のもとにビールを運ぶことに成功。バンディットとキャリーはいい関係となり、次の依頼を受けて走り出すのだった。

カーアクション中心の内容。仲間に好かれる主人公が、偉そうな保安官を煙に巻いて突き進む展開が爽快。キュートな女性キャリーとの恋も実らせ、痛快な内容。

【5段階評価】3

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2025年7月24日 (木)

(3108) ピースメーカー

【監督】ミミ・レダー
【出演】ジョージ・クルーニー、ニコール・キッドマン、マーセル・ユーレス、アレクサンダー・バルエフ、アーミン・ミューラー=スタール
【制作】1997年、アメリカ

核弾頭によるテロを防ぐために奮闘する米兵たちの奮闘を描いたアクション作品。

ロシアで輸送中の核弾頭10発が犯罪組織に奪われ、一発が爆発。アメリカの原子力科学者ジュリア・ケリー博士(ニコール・キッドマン)は捜査の指揮権を委ねられ、ロシアにネットワークを持つ米軍幹部として、トム・デボー中佐(ジョージ・クルーニー)が支援に就く。二人は協力して情報を収集し、核弾頭がトラックでイラン国境を越えようとしていることを突き止める。
トムはヘリでトラックを追い、リーダー格のアレクサンドル・コドロフ(アレクサンダー・バルエフ)を倒し、八発の核弾頭を確保。しかし、残りの一つはボスニアの外交官デューサン・ガブリック(マーセル・ユーレス)のもとに届けられる。彼は内戦で妻と娘を殺された過去があり、武器供与をしている西欧諸国に同じ痛みを味わわせるため、国連本部のあるニューヨークで核弾頭を爆破しようとしていた。
国賓としてニューヨーク入りしたデューサンは、ホテルの部屋で核弾頭をバックパックに移し替え、国連本部を目指す。ジュリアとトムはデューサンを追い、教会に逃げ込んだデューサンを発見するが、彼は自分の頭を銃で撃って自殺する。ジュリアはデューサンが背負っていた時限式爆弾の心臓部をこじ開け、何とか爆発が核弾頭に達することを防ぐ。事件を防いだトムは、ジュリアを食事に誘い、ジュリアはOKするのだった。

犯行グループとの戦いが次々と展開するアクション映画。カーアクションやヘリコプターの爆発、市街地を駆け回っての銃撃戦など、派手さとバラエティを追求しているが、あまりどんでん返しなどはなく、さすがにニューヨークが核爆発でふっとぶバッドエンドになるとは思えないので、最後の時限爆弾も、ドキドキするというよりは「なんとかなるんだろうなあ」という感じであり、サスペンス作品とは呼びがたかった。記号のように人が死んでいく内容でもあった。

【5段階評価】3

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2025年7月23日 (水)

(3107) 15時17分、パリ行き

【監督】クリント・イーストウッド
【出演】スペンサー・ストーン、アンソニー・サドラー、アレク・スカラトス、ジュディ・グリア、レイ・コラサーニ
【制作】2018年、アメリカ

パリ行きの特急列車で起きたテロ事件を防いだ青年達を描いた作品。実際の事件の当事者本人が出演している非常に珍しい作品。

アムステルダム発パリ行きの特急列車に、大量の銃弾と武器を持ったテロリスト(レイ・コラサーニ)が乗り込む。トイレに長時間閉じこもっていることに気づいた乗客マーク・ムーガリアン(本人)がテロリストに気づき、妻のイザベラ・ムサチャー・ムーガリアン(本人)を逃がそうとするが、背後からテロリストに撃たれてしまう。米兵のスペンサー・ストーン(本人)はテロリストに飛びかかり、同行していた幼なじみのアンソニー・サドラー(本人)、アレク・スカラトス(本人)とともに犯人を取り押さえようとする。犯人は拳銃やナイフを持っており、スペンサーは首や手を切られて負傷するが、渾身の力で犯人を締め上げ、気絶させる。スペンサーはすぐさま起き上がり、負傷したマークの応急措置に入り、彼の命を救う。三人は、フランスのオランド大統領(パトリック・ブラウデ)に勲章を与えられるのだった。

実際の事件を再現した映画を作るのに、本人、しかも俳優ではない人物を複数人起用するというのは、相当すごい決断。そのせいか、事件のシーンの迫力はすさまじかった。映画は序盤から中盤にかけて、三人の英雄の幼い頃からの成長の過程や、ヨーロッパ旅行の様子を長々と描く。ここに時間を使い過ぎているようにも思えるのだが、クライマックスでテロ事件が起きることが分かっており、少しずつ事件のシーンも挟まれているので、観客はこの先の展開を期待しながら観ることになり、飽きさせない作りになっていた。映画館で素人の演技なんか観ていられない、という評価もあるだろうが、十分に面白い作品だった。

【5段階評価】4

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2025年7月22日 (火)

(3106) ネゴシエーター

【監督】トーマス・カーター
【出演】エディ・マーフィ、マイケル・ウィンコット、カルメン・イジョゴ、マイケル・ラパポート、アート・エバンス
【制作】1997年、アメリカ

強盗犯に逆恨みされた警官の死闘を描いたアクション映画。

サンフランシスコ市警の刑事スコット・ローパー(エディ・マーフィ)は、同僚のサム・バファート(アート・エバンス)を宝石密売人のマイケル・コーダ(マイケル・ウィンコット)に殺される。ローパーは、相棒のケビン・マッコール(マイケル・ラパポート)とともに、宝石店を襲ったコーダを逮捕するが、ローパーを逆恨みしたコーダは、いとこのクラレンス・ティール(ポール・ベン=ビクター)に、ローパーのガールフレンドであるロニー・テイト(カルメン・イジョゴ)を襲うよう指示。クラレンスは部屋にいたロニーを襲うが、助けに来たローパーが彼を追い、路上で揉み合いになった末、クラレンスは車に轢かれて絶命する。
クラレンスの襲撃がコーダの指示だと確信したローパーは、収監中のコーダに面会し、今度手を出したら殺すと怒りをぶつける。コーダは刑務所を脱走し、ロニーを誘拐。ロニーを人質にして、ローパーに宝石店の宝石を持ってこさせる。ローパーとケビンは協力してコーダを追い詰め、コーダは逃走しようと乗り込んだ車もろとも爆死する。ローパーはロニーとデートを楽しむのだった。

邦題は「交渉人」(1998)のような展開を予想させるが、主人公の任務が交渉人というだけで、犯人とのやりとりに交渉術は全く関係ない。宝石店に押し入った犯人を取り逃がしたり、路面電車で追い詰めたのに、犯人の自由を拘束しないまま再度逃がしたり、交渉人のくせに収監中の犯人を挑発して恋人を死の危険にさらしたり、脇の甘さが目立つ質の低い内容だった。最後のシーンも、犯人のコーダがなぜ、とっととローパーを撃って宝石を持って帰らないのか不明だし、相棒が潜入していることに気づかなかったり、宝石を入れたバッグに忍ばせた拳銃に気づかなかったり、いろいろとツッコミどころがありすぎだった。安易な娯楽アクション映画というところ。
序盤に殺された刑事を演じたアート・エバンスは、「ダイ・ハード2」(1990)で、主人公を強力に支援する空港のチーフを演じている。

【5段階評価】2

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2025年7月21日 (月)

(3105) 江戸川乱歩の陰獣

【監督】加藤泰
【出演】あおい輝彦、香山美子、若山富三郎、大友柳太朗、田口久美、野際陽子
【制作】1977年、日本

脅迫を受けている女性を助けようとする推理小説作家を描いた作品。江戸川乱歩の「陰獣」が原作。

推理小説作家の寒川光一郎(あおい輝彦)は、美しい人妻、小山田静子(香山美子)と出会う。静子のうなじには紫のあざがあった。静子は寒川に相談事をする。彼女は、推理小説作家の大江春泥(しゅんでい)、本名、平田一郎から脅迫されているというのだ。彼女は、大江春泥から受け取った、三通の脅迫の手紙を寒川に見せる。静子は女学生の頃、平田一郎と交際していたが、彼を振って小山田六郎(大友柳太朗)と結婚したため、平田が静子を恨んでいるということだった。寒川は、トリックより怪奇趣味を優先する大江春泥の作風を嫌っており、静子を脅す卑劣な平田を憎み、編集者の本田達雄(若山富三郎)とともに平田を探すことにする。
寒川は、静子の家の屋根裏に上がり、そこから何者かが部屋を覗いている形跡と、金色のボタンを見つける。平田からの脅迫状は届き続け、ついに脅迫状通り、小山田六郎が水死体となって発見される。背中には刺し傷があった。寒川は、六郎の情婦ヘレン・クリスティ(田口久美)が六郎にサディズム趣味を教えたこと、屋根裏で見つけたボタンは六郎が持っていたことを知る。静子のうなじのあざは、ムチで打った跡だった。寒川は、大江春泥の正体は六郎で、彼が屋根裏から静子を覗き、誤って塀の上のガラス片の上に落ちて絶命したのではと考える。しかし、寒川は、実は静子こそが春泥で、全てが彼女の自作自演だった可能性に思い当たる。静子と愛し合う関係になっていた寒川は、静子にそのことを伝える。静子は寒川との情事が終わった後、崖から身を投げるのだった。

真相ははっきりと語られないし、静子が真犯人という説も、動機やら、腑に落ちない部分やらが完全に解消されるわけでもない。不親切で分かりにくい推理ものだった。田口久美と香山美子の裸体はご立派。

【5段階評価】2

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2025年7月20日 (日)

(3104) 哭声/コクソン

【監督】ナ・ホンジン
【出演】クァク・ドウォン、國村隼、キム・ファニ、チョン・ウヒ、ファン・ジョンミン、キム・ドユン、ソン・カングク
【制作】2016年、韓国

韓国の村で起きる猟奇的事件を描いた作品。超常的なホラーなのか現実的なサスペンスなのか分からないまま話が進んでいく。

谷城(コクソン)の村で男が家族を惨殺するという事件が起きる。キノコによる幻覚症状と判断されるが、村にやってきた日本人(國村隼)のせいではないかという噂もあった。警察官のジョング(クァク・ドウォン)には、かわいい娘ヒョジン(キム・ファニ)がいたが、彼女が父親に対して凶暴な態度を取るようになり、ついには親族をはさみで攻撃してしまう。体には、家族を殺害した犯人と共通する発疹があった。
ジョングの母親が祈祷師のイルグァン(ファン・ジョンミン)を呼び、イルグァンはヒョジンに取り憑く悪霊を追い払うため、日本人の男を殺す祈祷を行うが、ヒョジンが祈祷をやめてと言って苦しみ出したため、ジョングは祈祷を中断させてしまう。ジョングは仲間を従えて、山奥にある日本人の家に向かう。日本人の男は逃げてしまい、ジョングたちは諦めて車で帰るが、途中で日本人の男を轢いてしまう。ジョングは仲間とともに、男を道路脇の森に投げ捨てる。その様子を白い装束の女ムミョン(チョン・ウヒ)が見つめていた。
ヒョジンの症状は消え去り、病院から家に戻るが、大雨の日、ヒョジンが姿を消す。祈祷師は、悪霊は日本人の男ではなく、若い女だと電話でジョングに告げる。ジョングがヒョジンを探していると、ムミョンが現れる。ムミョンは悪霊に罠を仕掛けたのでまだ家に帰るなと言うが、ジョングは信じ切れず、ムミョンを置いて家に戻る。家は血まみれになっており、ジョングの妻と母が倒れていた。部屋には返り血を浴びたヒョジンが立っていた。
ジョングとともに日本人の男の家を訪ねた助祭イサム(キム・ドユン)は日本人の男を探す。男は洞窟の奥にいた。イサムは男が悪霊ではないと信じようとするが、男はイサムの前で爪がとがり、指が節くれ立ち、赤いまなこに変わっていく。祈祷師のイルグァンがジョングの家に現れ、血まみれの家族と座り込んで茫然自失となっているジョングを写真に収め、立ち去る。ジョングは力なくヒョジンの名を呼び続けるのだった。

序盤、鹿を生のまま食らう、赤いまなこの姿の日本人が現れ、それが人の噂だったりジョングの夢だったりするので、ホラー映画なのかそうではないのかよく分からないまま話が進むが、どうやら悪魔憑きの話だった。少女のヒョジンが凶暴になり、乱暴に食べ物を掻き込んだり祈祷に苦しんだりする様子は、「エクソシスト」(1973)を彷彿とさせる迫力。ただ、國村隼演じる日本人が悪霊だったというのであれば、ジョングたちに追われて逃げ惑ったりするのは何故なんだろう、とか、腑に落ちないところがあり、謎を引き延ばすためのご都合主義も垣間見えた。残酷な映像に迫力があるのは韓国らしいところ。

【5段階評価】3

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2025年7月19日 (土)

(3103) 翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~

【監督】武内英樹
【出演】GACKT、杏、片岡愛之助、二階堂ふみ、藤原紀香、朝日奈央、和久井映見、アキラ100%、加藤諒、川崎麻世
【制作】2023年、日本

全国大阪植民地化計画を阻止するために戦う埼玉県人たちを描いたコメディ作品。「翔んで埼玉」(2019)の続編。魔夜峰央(まやみねお)の漫画が原作。

妊娠中の若月依希(いの)(朝日奈央)は、父親の内田智治(アキラ100%)、母親の直子(和久井映見)とカーラジオで埼玉県人の歴史を伝えるラジオを聞いていた。埼玉県人の麻実麗(あさみれい)(GACKT)は、埼玉に海を作るため、和歌山県白浜に砂を取りに行く。大勢を乗せた船は難破し、麗は白浜に打ち上げられ、滋賀解放戦線のリーダー、桔梗魁(杏)に発見される。白浜は大阪に支配されており、滋賀、奈良、和歌山の県人は虐げられていた。大阪府知事の嘉祥寺晃(片岡千恵蔵)は粉物で人々を大阪人化させるという全国大阪植民地化計画を実行しようとしていた。麗は幼い頃、滋賀で育っており、母親は滋賀解放戦線の初代リーダー(高橋メアリージュン)だった。麗は大阪の野望を阻止するため、淀川に流れる琵琶湖の水をせき止め、粉もんの原料となる粉の実を枯らす作戦を実行。嘉祥寺の野望は打ち砕かれる。こうして埼玉にビーチが作られたのだった。
内田智治は、埼玉県の綱引き大会で、大宮と浦和の対立を防ぐため、綱引きの綱をペットボトルを使った収斂火災で焼き切り、引き分けに持ち込む。県知事(村田雄浩)は事なきを得て喜ぶのだった。

ローカルネタをふんだんに取り入れたコメディ。いろいろ手回しもしたようだが、媚びない突き抜けた地方いじりが面白い。自分は東京も大阪も暮らした経験があり、本ブログ執筆時点では東京と大阪の二拠点生活でもあり、埼玉や千葉だけでなく、滋賀や和歌山、奈良、京都、神戸のいじりもピンと来るので、かなり面白かった。一方で、滋賀県人たちが、全国を救うために自分たちが水没の犠牲になっても琵琶湖の水をせき止めようと一致団結するシーンでは、コメディなのに目頭が熱くなってしまった。続編が前作より面白いという、珍しい作品。

【5段階評価】4

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2025年7月18日 (金)

(3102) 演じる女

【監督】照屋年之
【出演】満島ひかり、品川徹、普久原明、上田真弓、比嘉恭平、喜舎場泉
【制作】2021年、日本

死にゆく老人と若い女性のやりとりを描いた作品。18分の短編映画。

病院で、車椅子に乗る老人(品川徹)に、背後の男性、宮城政人(普久原明)が、「社長、奥様来られました」と声をかける。明るい衣装に身を包んだ若く美しい女性(満島ひかり)が現れると、老人は「よしこ」と嬉しそうに手を伸ばす。背後の男と看護師(上田真弓)は悲しそうにそれを見ている。若い女性は自転車で走り、それを老人は車椅子を押してもらって女性を追いかける。女性は、「祝 ご結婚おめでとう」と書いた横断幕で記念写真を撮ったり、浜辺でパラソルに隠れておどけたりして、老人を喜ばせる。女性はそれを繰り返し、喜んでいた老人は次第に生気を失っていく。
看護師は「今晩持つかどうかだと思います」と女性に告げる。女性は一度帰宅し、着替えると、老人の病室のある2階の窓までクレーンで吊り上げてもらい、老人に沖縄民謡を歌う。女性は老人の娘、こはるだった。死期の近い父親に、彼が妻と結婚して楽しかった頃の思い出のシーンを、再現して見せていたのだった。こはるが涙をこらえながら歌う歌を聴きながら、老人はベッドの上で息を引き取る。こはるは、父と母の思い出のアルバムを眺め、父親の遺影を母の写真の横に置くのだった。

死にかけの老人に似つかわしくない若い女性が奥様として現れる。若い女性の目的は何なのか。ちょっとした謎解き要素のある作品。最初に登場する男女と子どもの写真で、堂々と種明かしをしているのが心憎かった。老人ははじめ、娘を妻だと思って喜んでいるのだが、最後の歌のシーンでは、恐らく老人は、歌っているのが娘だと気づいていたのではないか。そんなことを思わせる仕上がりになっていた。

【5段階評価】3

 

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2025年7月17日 (木)

(3101) NAGISA

【監督】照屋年之
【出演】江口のりこ、新井美羽、北川彩子、上田真弓、当山(とうやま)彰一
【制作】2017年、日本

自殺を図った女性と天真爛漫な少女とのやりとりを描いた作品。20分の短編映画。

望まれぬ子を妊娠して中絶した女性(江口のりこ)が、自殺を考える。帰宅すると母親(北川彩子)は何も聞かずに彼女の好きなカレーを振る舞うが、女性はカレーをテーブルから突き飛ばす。女性は島で海に身を投げるが、気がつくと砂浜に倒れていた。天真爛漫な少女(新井美羽)が女性を助けたのだ。少女は命を粗末にしようとする女性に考え直せと偉そうに話し、後ろ向きなことを言う女性を容赦なく蹴り倒す。少女は女性を荷台に乗せ、なぎさ号と書いた旗を立てた自転車で彼女を引っ張り始める。少女は女性に名前を聞くが、女性は答えない。少女はなぎさと名乗り、名前の通り海が好きで、名前通りになるから人間の名前は不思議だ、と明るく話す。なぎさは自転車で村を回りながら友人を紹介し始める。彼女の友人は中高年ばかりで、彼女が話しかけても彼らは反応しない。どこか様子がおかしい。日が暮れ、二人は砂浜に戻る。なぎさは女性に明るく話しかけ続けるが、気持ちが塞いでいる女性はなぎさに鬱陶しいと叫ぶ。少女の顔が悲しみで歪み、女性に砂浜の砂を投げつけて泣きじゃくる。
女性は一人、暗くなった島の中を歩く。とある民家の前に、なぎさが乗っていた自転車があった。自転車は古びて壊れており、花や蝋燭が供えられていた。女性がその家に入ると、母親(上田真弓)が出迎える。家の中には、なぎさの遺影があり、島の人たちが集まっていた。なぎさは1年前に不治の病で亡くなっていた。なぎさは近所の人たちを助けて回る少女だったが病気にかかり、5年もたないと言われたのに10年も生き、海で泳ぐのをずっと楽しみにしていたのだと言う。それを聞いて、女性はなぎさにしたことを悔い、嗚咽する。
女性が砂浜に戻ると、笑顔の少女がいた。女性は「私の名前、恵まれるって書いて恵(めぐみ)って言うの。恵まれてたの私」と言って、泣きながらなぎさに謝り、ありがとうと伝える。なぎさは満面の笑みでうなづく。恵は母親に電話し、「今から帰るね、今日、カレーが食べたい」と伝える。母親は優しい声で「そうだろうなと思った」と答えるのだった。

短編としては出色の出来。途中で、「ああ、このなぎさという子はすでにこの世にいないのだな」と察しは付くのだが、最後に女性が名前を伝える伏線回収が素晴らしく、胸が震えた。短編映画の持つ力を存分に感じられる作品。

【5段階評価】5

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2025年7月16日 (水)

(3100) 選ばれた男

【監督】ゴリ
【出演】陳彦達、比嘉梨乃(ひがりの)、伊波雅美、ゴリ
【制作】2017年、日本

メッセージボトルを拾った男の顛末を描いたコメディ。20分の短編映画。

ヒカルという女性が書いたメッセージ入りボトルを拾った台湾の男性、チョウ(陳彦達)が、その女性に会いに石垣島にやって来る。自転車に乗った男(ゴリ)に出会った彼は、二人で天文台のショーを見学。そこに、ヒカルと呼ばれた車椅子のかわいい女性(比嘉梨乃)が現れ、チョウは驚く。自転車の男は、メッセージボトルの話を聞き、ボトルを横取りしようとするが、チョウはそれを取り返し、自ら車椅子の女性に、自分がボトルを拾ったと告白。女性は車椅子から思わず立ち上がって驚く。女性は、付き添っていた太った姉に、「よかったね、ヒカル姉ちゃん」と呼ぶ。ヒカルと呼ばれたのは車椅子の女性ではなく、車椅子を押していた姉の方だった。チョウは、太ったヒカルに抱かれ、悲しい表情で天を仰ぐのだった。

落ちは見え見えのコメディだったが、まあまあ楽しい内容だった。

【5段階評価】3

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2025年7月15日 (火)

(3099) born、bone、墓音

【監督】ゴリ
【出演】ゴリ、佐藤仁美、具志堅あずさ、古謝(こじゃ)美佐子、山城智二(ともじ)、伊波雅美、福田加奈子
【制作】2016年、日本

粟国島(あぐにじま)で今も残る洗骨の風習を描いた作品。25分の短編映画。

与那城等(ゴリ)は妻の優子(佐藤仁美)と彼女の連れ子の花子を地元に連れてくる。優子は亡くなった祖父の骨を洗うために呼んだと知り、激怒する。等の独身の兄、勝(山城智二)は、洗骨に参加しそうにない優子を罵倒する。等の母、知子(古謝美佐子)は、夫が亡くなってから口がきけなくなっていた。
洗骨の日、花子は見に行くと言い、優子も付いていくことにする。棺桶を取り出し、蓋を開ける瞬間、花子は悲鳴を上げて逃げ出すが、やがて戻ってくる。棺桶の中には骨だけになった遺体が横たわっていた。等と勝は、霊媒師的存在のカメおばの導きで、知人の安里多枝子(伊波雅美)も手伝い、洗骨を始める。逃げていた花子が戻ってきて、骨に水をかけて洗骨を手伝い始める。優子も遺骨を手に取り、洗骨に加わる。洗骨が終わると、勝は優子に優しく声をかけ、等とぎこちない関係だった花子が、等と手を繋ぐ。それを見ていた知子は、声が出るようになり、みんなは喜ぶのだった。

洗骨に優子が加わるシーンは感動的。あまりよけいなものを描きすぎず、短編の中ではかなりいい作品だった。

【5段階評価】4

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2025年7月14日 (月)

(3098) やんばる キョ!キョ!キョ!

【監督】ゴリ
【出演】普久原一生、照屋まさお、普久原明、金城奈津希、石川彩楓、福田加奈子、かでかるさとし、城間やよい
【制作】2015年、日本

ヤンバルクイナの保護活動をしている少年の活躍を描いた作品。38分の短編映画。

国頭村(くにがみそん)でリポーターのジャネット宮城(ロドリゲス)が、ヤンバルクイナの密猟を取材している。ヤンバルクイナの保護活動をしている少年、マナブ(普久原一生)、ユウナ(金城奈津希)、ハナ(石原彩楓)たちを東京の雑誌ライター(秋山ひとみ)とカメラマン(どさんこ室田)が取材に来る。しかし、彼らはヤンバルクイナを盗みに来たのだった。それに気づいたマナブは彼らの犯行を防ぐ。
マナブの祖父(照屋まさお)は国頭村長だが、頭を打って5歳児の記憶になっており、期日までに元に戻らないと真栄田康弘副村長(普久原明)が村長に繰り上がることになっていた。期日を迎え、村長交代となりかけるが、村長が再度頭を打って記憶を取り戻す。村長は村民と家族、特に妻(福田加奈子)に感謝の言葉を伝えるのだった。

沖縄を舞台に、地元俳優を起用した作品。ガレッジセールのゴリが監督をしている。作品としての質は低めで、素人の秀作に毛が生えた程度のできばえだった。

【5段階評価】2

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2025年7月13日 (日)

(3097) 四万十川

【監督】恩地日出夫
【出演】山田哲平、樋口可南子、小林薫、高橋かおり、小島幸子、石橋蓮司、菅井きん
【制作】1991年、日本

四万十川沿いの貧しい家で暮らす少年の生きる姿を描いた作品。笹山久三(きゅうぞう)の小説が原作。

四万十川沿いで小さな食料品店、山本商店を営む山本家。その次男、小学5年生の篤義(あつよし)(山田哲平)は、貧しい家を支えるため、兄の和夫と四万十川で鰻を捕り、生計の一部を担っている。母のスミ(樋口可南子)は山本商店の仕入れと経営に汗を流し、出稼ぎに出ている父親の秀男(小林薫)は、足に大けがをして入院する。長女の朝子(高橋かおり)は、家にいてほしいという母親の願いとは裏腹に、家を出て就職しようとしていた。
大人しい性格の篤義は、同級生の千代子(小島幸子)が「塩飯(しおめし)」といじめっ子たちにからかわれてもなにもできずにおり、和夫や朝子はそんな篤義の勇気のなさを責める。篤義は勇気を振り絞って、千代子をいじめる俊博に喧嘩を挑み、俊博は鼻血を出すが、駆け込んできた担任の青木先生(石橋蓮司)は、一方的に篤義を悪者と決めつける。千代子は篤義に感謝しつつ、やがて親の事情で転校する。
父親の秀男が退院して家に戻ってくる。秀男は家を出たいという朝子の気持ちを理解しつつも、朝子の出発の日には涙を流す。篤義は、家を出て行く朝子と喧嘩していたが、友だちの太一に誘われ、朝子を見送る。太一は、両親と離れて、祖母のハル(菅井きん)と暮らしていたが、ついに両親のもとに移ることになる。篤義が太一の家に行くと、太一はすでにいなかった。家に一人でいたハルは、喜んでいたはずの太一は、出発の日になると、いい子でいるから婆ちゃんとここで暮らしたいと泣いていた、と言って涙を流す。
台風十五号が上陸して四万十川は氾濫し、山本商店は大きな被害を受ける。スミは商店の再生に向けて動き出し、秀男も出稼ぎに出ることにする。篤義は秀男を駅まで見送る。四万十川は、人力から機械浚渫に砂利取りの様子を変えながらも、住民の暮らしを見守るように流れ続けるのだった。

篤義の半生を描くような作品かと思ったら、小学生時代のみを切り取った内容だった。笹山久三の自伝的小説ということで、劇的な展開というよりは、当時の貧しい村民の暮らしを、いくつかの小学校時代のエピソードとともに、素朴に描く作品だった。主要な登場人物も小学生が中心で、大人の事情は、子どもたちが貧乏に耐えざるを得ない状況を説明する程度の描写に抑えられているのも特徴的だった。

【5段階評価】3

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2025年7月12日 (土)

(3096) アイガー・サンクション

【監督】クリント・イーストウッド
【出演】クリント・イーストウッド、ジョージ・ケネディ、ボネッタ・マッギー、ジャック・キャシディ、セイヤー・デビッド
【制作】1975年、アメリカ

仲間を殺した暗殺者に制裁を加えるため、アイガー北壁に挑む男を描いたスパイアクション映画。

チューリッヒで、スパイ組織の男が殺される。美術の大学教授ジョナサン・ヘムロック(クリント・イーストウッド)は、スパイ組織のドラゴン(セイヤー・デビッド)から、2万ドルと、彼の持つ絵画コレクションの課税対象外の証明書を報酬に、仲間を殺した暗殺者2名に制裁を加える任務を受ける。チューリッヒで一人目の暗殺者ガルシア・クルーガーを片付けたジョナサンは、帰国の便の中で、客室乗務員のジェマイマ(ボネッタ・マッギー)に話しかけられ、到着地で彼女と一夜を明かすが、朝目覚めると、がなくなっていた。ジェマイマは、ドラゴンの部下だった。
再びドラゴンのもとに呼ばれたジョナサンは、殺されたのが、ジョナサンの命の恩人、アンリ・バックであると知らされる。もう一人の暗殺者は片方の足を引きずる優れた登山家で、この夏にアイガー北壁に挑むということだった。今年はアメリカ、ドイツ、フランス、オーストリアのメンバーからなる国際チーム1組だけが登ると言う。ヘムロックは負傷したアメリカメンバーの代わりに国際チームに参加し、アメリカメンバー以外の中にいる暗殺者の情報を得て、その者に制裁を加えることになる。かつて戦友でありながらジョナサンを裏切り敵と通じていたマイルス・メロー(ジャック・キャシディ)も事件に絡んでいるということだった。
ジョナサンは、旧友で登山の師匠でもあるベン・ボウマン(ジョージ・ケネディ)とアリゾナで再会。彼は基地主任として国際チームに参加することになっており、過酷な練習でジョナサンを鍛える。アリゾナにマイルズが現れ、ジョナサンを狙うが、ジョナサンはマイルズを捕らえ、砂漠の真ん中に置き去りにし、彼への恨みを晴らす。
ジョナサンはベンとスイスに渡り、フランスのジャン・ポール・モンテーン(ジャン=ピエール・ベルナルド)と妻のアンナ(ハイディ・ブルール)、ドイツのカール・フライタグ(ライナー・ショーン)、オーストリアのアンドレ・マイヤー(マイケル・グリム)と合流する。結局、組織から誰が暗殺者かの情報がないまま、ジョナサンはアイガー北壁に挑むことになる。途中で落石によりジャンが頭部を打ち、滑落は逃れるものの、翌朝に死亡。残った三人はジャンの死体とともに中腹のトンネルの入り口を目指して下山することにする。下から望遠鏡で様子を見ていたベンは、トンネル入り口で三人を待ち構える。ところが、マイヤーもフライタグも滑落してしまい、ジョナサンだけがトンネル入り口の手前で宙吊りの状態になる。ベンがジョナサンに命綱を投げ渡すが、彼は片足を引きずっていた。ベンがもう一人の暗殺者だったのだ。ベンは、ジョンに命綱を投げ渡し、それを体に巻き付け、ぶら下がっている方の綱を切れとジョナサンに命じる。ベンが暗殺者だと知ったジョナサンだったが、ベンを信じて綱を切る。ベンは周囲の仲間とともに必死でジョナサンをトンネルに引き上げる。
帰りのトンネル列車の中で、ベンは、麻薬依存症になった娘ジョージ(ブレンダ・ビーナス)の件でマイルスの世話になったため、バックからマイクロフィルムを奪う企みに加わったが、クルーガーがバックを殺してしまったのだと説明する。ドラゴンは、国際チームの三人が死んだことに満足しており、ジョナサンは真相を闇に葬り、ベンとまた登山しようと話す。ふもとでジョナサンを待っていたジェマイマは、ジョナサンに、三人をわざと殺したのか尋ねるが、ジョナサンは答えないのだった。

スパイものにしては、物語の脇が甘く、必然性の薄い戦いや色仕掛けが目立った。いろんな派手な映像をてんこ盛りにした結果、収拾が付かなくなったような内容。登山ものは、意外と退屈になりがちで、本作もその感がなくはなかったが、CGや特撮技術が乏しい時代に、これだけの作品を世に出したのは立派と言えるだろう。

【5段階評価】3

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2025年7月11日 (金)

(3095) ハロルドとモード/少年は虹を渡る

【監督】ハル・アシュビー
【出演】バッド・コート、ルース・ゴードン、ビビアン・ピックレス、チャールズ・タイナー
【制作】1971年、アメリカ

自殺の狂言癖のある少年と、個性的な老婆の出会いと恋を描いた作品。

裕福な家庭で暮らすハロルド・チェイセン(バッド・コート)は母親(ビビアン・ピックレス)と暮らす19歳の少年。彼は母親の前で自殺のふりをする癖があり、好きなことは葬儀に行くこと。ハロルドの母親は、ハロルドをまともな人物にしようと、カウンセリングに通わせたり、軍人のビクター伯父さん(チャールズ・タイナー)に会わせたり、若い女性を家に招いて見合いをさせたりするが、ハロルドの奇行が治ることはない。
中古車屋で霊柩車を手に入れたハロルドは、知らない人の葬儀に繰り返し出席。彼は教会で、80歳間近の老女、モードことデイム・マジョリー・シャルダン(ルース・ゴードン)に声をかけられる。モードは他人の車に勝手に乗ったり、高速道路の料金所を突っ切って、追いかけてきた白バイを振り回した挙げ句、白バイに乗って逃げてしまうような個性的な人物で、ハロルドは彼女に興味を示す。二人は同じ時間を過ごすようになり、ハロルドは、母親のお膳立てした3人の若い女性よりも、モードに惹かれていく。ついにハロルドはモードと一夜を過ごす。
モードの80歳の誕生日を迎え、ハロルドは母親にモードと結婚すると伝えると、モードの家で彼女の誕生日を祝う。モードはハロルドのもてなしに喜びながらも突然、想像以上に素敵なお別れになりそう、と告げる。モードは今日を最期の日にしようと1時間前に服毒していたのだ。驚いたハロルドは慌ててモードを病院に運ぶが、手当の甲斐なく、モードは他界する。ハロルドは、霊柩車型に改造したジャガーをぶっ飛ばし、ジャガーは崖から転落。しかし、ハロルドはジャガーに乗っておらず、崖の上で、モードにもらったバンジョーを弾き、陽気に踊りながら引き返していくのだった。

邦画でも時々見るような、不条理な展開を織り交ぜた内容。ハロルドの奇行は強烈で、あまり付いていけるものではないが、年齢を超えた永遠の愛を映画として形にすると、例えばこうなるよね、という作品だった。

【5段階評価】3

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2025年7月10日 (木)

(3094) ハリウッドランド

【監督】アレン・コールター
【出演】エイドリアン・ブロディ、ベン・アフレック、ダイアン・レイン、ロビン・タニー、ロイス・スミス
【制作】2006年、アメリカ

スーパーマンを演じた俳優の謎の死を巡るサスペンス作品。私立探偵の調査と俳優の生前の様子が交錯しながら描かれている。

スーパーマンを演じた俳優、ジョージ・リーブス(ベン・アフレック)が、自室で拳銃の銃弾をこめかみに受けて死亡。警察は自殺と発表するが、母親のヘレン・ベッソロ夫人(ロイス・スミス)は息子は他殺だと疑い、探偵会社に調査を依頼。私立探偵のルイス・シモ(エイドリアン・ブロディ)は、リック探偵社のデル(ガレス・ウィリアムズ)からの紹介で調査を始める。
ジョージは生前、MGMの重役エドガー・マニックス(ボブ・ホスキンス)の夫人トニー(ダイアン・レイン)と懇意になり、不倫の関係となっていた。ジョージは「風と共に去りぬ」(1939)で役をもらったほかは、子供番組の出演程度で伸び悩んでいたが、トニーの口利きもあり、子供番組スーパーマンのヒーロー役に抜擢。一躍人気者となるが、そのイメージが強すぎて、「地上より永遠に」(1953)で役を得るも、スーパーマンだと観客にからかわれてしまう。自ら作品をプロデュースしたいと考えるジョージと、彼を自分の手元に置いておきたいトニーとの関係は悪化していき、ジョージは、社交界の若い女性レオノア・レモン(ロビン・タニー)に言い寄られ、懇意になる。
シモは、遺体安置所の職員に金を握らせてジョージの遺体の肘に打撲痕があることを確認。ジョージの部屋の床には銃弾による穴が二つ空いており、シモは、ジョージの死は他殺だとマスコミに触れ回る。シモは、レオノアが、自分と結婚する気がないジョージに怒りをぶつけ、ジョージを誤って撃ってしまったのではないかと考え、レオノアに対峙するが、その確信には至らなかった。やがてシモは、帰宅したところを襲われ、葉巻の男(ビル・レイク)に深入りするなと脅され、頭をチェーンで殴られて昏倒する。シモは、レオノアから、ジョージは母親と口をきかない状態だったと聞かされ、ベッソロ夫人に会いに行くが、ベッソロ夫人は、ジョージの銅像をチャイニーズシアターに建ててもらえることになったので調査依頼の打ち切りをシモに告げる。
ヤケクソになるシモだったが、パターソン刑事(ダッシュ・ミホク)に、真相を明らかにするよう激励され、エドガーの過去の醜聞を集めた資料を渡される。シモは、トニー夫人の夫エドガーが、MGM独立に向け動き出しているジョージがトニー夫人を不幸にさせていることを知り、何者かにジョージを殺害させたのかもしれないと考える。シモはトニー夫人に話を聞こうとするが、護衛に見つかり、エドガーの前に連れ出される。シモはエドガーの周囲で起きた過去の死亡事件のことを口にし、エドガーを人殺し呼ばわりするが、ひとつでも証明してみろとエドガーにすごまれ、つまみ出される。シモは、生前のジョージを収めたビデオを見る。そこには、ヒーロー役の動きを黙々と練習している柔道着姿のジョージの姿があった。シモは、ジョージは自分の俳優としての限界をはかなんで自殺したのかもしれないと考える。シモはぎくしゃくした関係になっていた妻ローリー(モリー・パーカー)と息子エバン(ザック・ミルズ)に会いに行くのだった。

映画らしい雰囲気を漂わせた作品。エイドリアン・ブロディの探偵役がはまっており、俳優の死後と生前を交錯しながら進む展開も、分かるように進んでいた。事実に基づいた作品で、結局、ジョージの死は自死だったのか他殺だったのかは明かされない(どちらかというと自殺をほのめかしているが)。作品の中では、妻(デンドリー・テイラー)の浮気を疑うシンクレア氏(ラリー・セダー)がシモの調査を信じず妻を殺してしまったり、シモが助手のキット(カロリン・ダバーナス)と縁を切ってしまったり、といったできごとが起き、シモは家族との絆を取り戻しに行く、という展開になるのだが、この辺りの意味が、本筋と関係あるようなないような、微妙な気はした。登場人物が多いので、集中して鑑賞した方がいい作品。

【5段階評価】4

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2025年7月 9日 (水)

(3093) トリプルX:再起動

【監督】D・J・カルーソー
【出演】ビン・ディーゼル、ドニー・イェン、ディーピカー・パードゥコーン、トニ・コレット、サミュエル・L・ジャクソン、ネイマール
【制作】2017年、アメリカ、中国、カナダ

トリプルX」シリーズ第3作。「トリプルX ネクスト・レベル」(2005)の続編。世界を操れる通信機器を巡る攻防を描いたアクション映画。

トリプルXの創始者オーガスタス・ギボンズ(サミュエル・L・ジャクソン)がネイマールJr(本人)を勧誘しているところに、人工衛星が落下。人工衛星を兵器として地上に落下させる機能を持った装置「パンドラの箱」による仕業だった。CIAの確保したその機器が、セレーナ・アンガー(ディーピカー・パードゥコーン)、ホーク(マイケル・ビスピン)、シャン(ドニー・イェン)、タロン(トニー・ジャー)からなる謎の集団に奪われる。CIAのジェーン・マーク(トニ・コレット)は、ザンダー・ケイジ(ビン・ディーゼル)に機器の奪還を依頼する。ザンダーは天才ハッカーのエインズレー(ハーマイオニー・コーフィールド)に接触し、謎の集団がフィリピンにいることを突き止める。ザンダーはマークとともに飛行機でフィリピンに向かう。NSAの武器担当ベッキー・クリアリッジ(ニーナ・ドブレフ)は、ザンダーを目の当たりにして興奮する。ザンダーは、背中を預けられる仲間として、スナイパーのアデル・ウォルフ(ルビー・ローズ)、スタントドライバーのテニソン・トーチ(ロリー・マッキャン)、DJのニッキー"ニックス"シュウ(クリス・ウー)を呼び寄せる。
フィリピンのカラモアン半島に降り立ったザンダーたちは、シャンたちと対面。ザンダーは彼らがトリプルXの一員であり、セレーナはパンドラの箱を破壊しようとしており、シャンは活用しようとしていることを知る。そこに戦闘部隊が突入してくるが、シャンは装置を持って逃走。ザンダーは装置を取り返すが、セレーナは銃で装置を破壊する。ところが、別のスパイ衛星がモスクワのスタジアムに落下。セレーナの破壊した装置は試作品だった。セレーナたちは、衛星組織を操る情報組織を追うトリプルXの新チームだった。ザンダーは、シャンがCIAに突入した映像を確認し、CIA長官(アル・サピエンザ)が黒幕であることを突き止め、パンドラの箱の完成品を追う。セレーナは、パンドラの箱の通信記録から、パンドラの箱がデトロイトにあることを突き止める。
シャンは、セレーナがザンダー側についたため、シャンは残りの二人とパンドラの箱を追う。ザンダーもパンドラの箱の位置を特定し、シャンと競うようにパンドラの箱に向かい、アデルがCIA長官を狙撃してパンドラの箱を確保する。そこにマークが現れ、シャンは逮捕される。ザンダーとシャンはマークとともに航空機に乗り込む。電話で指示を受けたマークはザンダーに銃を向ける。政府は、テロリストが衛星を落下させ、パンドラの箱とトリプルXが落下に巻き込まれて消滅したと見せかけ、政府がパンドラの箱を利用することにしたのだった。マークはザンダーの胸を銃で撃ち、ザンダーは倒れる。しかしザンダーは、ベッキーの用意した防弾チョッキを着ていて無事だった。ザンダーとシャンは航空機を制圧。シャンがマークを飛行機から落とし、ザンダーは航空機を落下する衛星にぶつけて、地上への被害を防ぐと、自らはパラシュートで地上にたどり着く。ベッキーやセレーナたちもNSAの部隊に襲撃されるが、トリプルXの一員、元ネイビーシールズのダリアス・ストーン(アイス・キューブ)が彼らの窮地を救う。
地上で再会した彼らは、使命を終え、別れる。セレーナとキスをしたザンダーは、ダリアストの再会を喜ぶ。教会ではギボンズの葬儀が営まれるが、ギボンズは生きていた。教会の二階で葬儀を眺めていたザンダーの前に現れたギボンズは、ネイマールJrを連れて協会を立ち去るのだった。

敵の弾は味方に全然当たらないことは、もはや気にすることではない。とにかく様々なアクションをかっこよく見せることに徹していて、これはこれで面白かった。サッカー界のスーパースター、ネイマールがちょい役でゲスト出演。

【5段階評価】4

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2025年7月 8日 (火)

(3092) マギー

【監督】ヘンリー・ホブソン
【出演】アーノルド・シュワルツェネッガー、アビゲイル・ブレスリン、ジョエリー・リチャードソン、ブライス・ロメロ
【制作】2015年、アメリカ

人を襲う不治の感染症に冒された娘と、その父親の運命を描いたホラー作品。

世の中では、感染すると一度食欲がなくなり、やがて人の匂いに食欲を感じて凶暴化する「変転(ターン)」を迎えるという、腐歩病ウィルスによる伝染病が流行していた。農場主のウェイド・ボーゲル(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、感染者に噛まれた娘マギー(アビゲイル・ブレスリン)を病院に迎えに行き、地元のバーン医師(ジョディ・ムーア)の計らいで、症状が出たら隔離所に連絡するよう医者に命じられた上で、マギーを家に連れ帰る。マギーを出迎えた母親のキャロライン(ジョエリー・リチャードソン)は、ウェイドの再婚相手で、マギーの実の母ではなかった。キャロラインの実の子、ボビー(エイデン・フラワーズ)とモリー(カーセン・フラワーズ)は叔母の家に移され、ウェイドとキャロラインがマギーの世話をする。
伝染病に治療法はなく、マギーが数週間後に変転(ターン)することは避けられない。地元警官のレイ(ダグラス・M・グリフィン)とホルト(J・D・エバーモア)はマギーをたびたび観察に来るが、ウェイドはマギーを隔離所に送る気はなかった。マギーのボーイフレンド、トレント(ブライス・ロメロ)も感染しており、ついに警察によって隔離所に送られてしまう。マギーも人の匂いに食欲を感じるようになり、森で罠にかかっていたキツネを見つけ、助けるつもりがキツネに噛みついてしまう。血まみれで戻ったマギーを見て、キャロラインは音を上げ、隔離所に連絡してくれとウェイドに頼むが、そうしないウェイドを見て、とうとう家を出ていく。猟銃を手に眠るウェイドに、血管が黒く浮き出たマギーが静かに歩み寄り、ウェイドの顔に口を近づける。しかし彼女はウェイドに噛みつくのではなく、優しく額にキスをして去って行く。マギーは、家族との思い出を胸に、家の屋根から飛び降りるのだった。

終始、静かで陰鬱な雰囲気で映画は進行し、凶暴化したゾンビのような感染者が人を襲うシーンはほとんどない。悲しいエンディングだったが、父親と娘の深い愛情を描いていて、見応えのある作品だった。

【5段階評価】4

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2025年7月 7日 (月)

(3091) ジョディ

【監督】袴田(はかまた)くるみ
【出演】アナ・クロエ・ムーレイ(声)、エルシー・ラブロック(声)
【制作】2021年、日本

人に虐待されたロボットと修理する女性とのやりとりを描いたアニメ作品。11分の短編映画。

ロボットの修理が唯一の仕事の女性(エルシー・ラブロック)のもとに、持ち主に虐待され、壊れた少女ロボット(アナ・クロエ・ムーレイ)が運ばれてくる。少女ロボットはすでに27回も運ばれてきており、そのたびに記憶を消して持ち主のもとにもどされていた。少女ロボットは、女性差別に立ち向かった映画の登場人物のように、自分も戦えないか、と女性に話しかける。女性は少女ロボットの記憶を消さずに修理を済ませると、少女ロボットにジョディと名付け、ぶちかましてやれ、と言ってジョディを送り出すのだった。

ほぼ白黒だが、一部だけカラーのアニメ作品。お話としてはわかりやすかった。女性のコツコツという足音が、ゲームの効果音のように妙にはっきりしているのだが、何の効果を狙っているのか分からなかった。

【5段階評価】3

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2025年7月 6日 (日)

(3090) Alone & Clone

【監督】葛西勇也
【出演】杉森大祐(だいすけ)、小日向悠(おびなたゆう)、園木愛、藤原詩音(しおん)
【制作】2021年、日本

自分のクローンを育て始めた青年の末路を描いた作品。15分の短編映画。

人に触れると電気ショックを受けたような状態になる症状のため、フィアンセ(園木愛)との婚約を果たせなかった男(杉森大祐)が、治療に必要な骨髄を手に入れるため、宅配便で自分のクローンの赤ちゃん(新田理陽(りお))を入手する。しかし、その勇気が持てず、男は赤ちゃんを育て始める。成長したクローン(小日向悠)は、自分がクローンだと知らされ、家を飛び出す。男はクローンを見つけるが、当局の捜査員(うえだひろし)に見つかってしまう。男は自分の命を犠牲にしてクローンを逃がす。クローンは成長し、フィアンセに再会。指輪をフィアンセにはめるのだった。

なんで異様に成長が早いのか、とか、なんでクローンはフィアンセに触れても症状が出ないのか、とか、回収し切れていない謎が消化不良。品質としても、音声がいかにも録音ぽかったり、素人の域を出ていなかった。

【5段階評価】2

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2025年7月 5日 (土)

(3089) ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒

【監督】クリス・バトラー
【出演】ヒュー・ジャックマン(声)、ザック・ガリフィアナキス(声)、ゾーイ・サルダナ(声)、スティーブン・フライ(声)
【制作】2019年、アメリカ

未知の生物を目指す探検家の冒険を描いたストップモーションアニメーション作品。

探検家のライオネル・フロスト卿(ヒュー・ジャックマン)は、「貴族クラブ 探検家と紳士の会」の会員になるため、ピゴット・ダンスビー卿(スティーブン・フライ)に、サスクワッチと呼ばれる巨人の証拠を持ち帰ると宣言。現地に向かったライオネルは、意外にもあっさりとサスクワッチ(ザック・ガリフィアナキス)を発見。しかも彼は英語を話し、手紙を書くことすらできた。サスクワッチは孤独に悩んでおり、ヒマラヤにいる自分と同じ種族に会いに行くことを望む。ライオネルは彼にMr.リンクと名付け、ヒマラヤのシャングリラを目指すことにする。ライオネルはかつての恋人アデリーナ・フォートライト(ゾーイ・サルダナ)の持つヒマラヤの地図を盗み出す。アデリーナはライオネルに同行することになる。
3人は、ダンスビー卿の放った刺客ウィラード・ステンク(ティモシー・オリファント)に追われながらも、冒険の末、シャングリラに到達。しかし、そこにいたイエティの長老(エマ・トンプソン)は、シャングリラを他部族に解放することを拒み、リンク、ライオネル、アデリーナを氷の穴に閉じ込めてしまう。3人は脱出に成功するが、氷の架け橋の上で、ダンスビー卿とステンクが待ち構えていた。ライオネルの発見を世に知らせたくないダンスビー卿は、氷の橋を破壊しようとし、自ら落下してしまう。ライオネルたちはステンクの妨害を阻止してなんとか橋の上に這い上がる。リンクはスーザンという名前でライオネルの相棒となり、アデリーナはライオネルのもとを去るのだった。

途中まで3DCGと思って見ていたが、コマの粗さに、ストップモーションアニメなのかと気づいた。今の3DCG全盛の時代に、3DCGと見間違うような高品質のストップモーションアニメをわざわざ作ることが、観客にどう喜ばれるのか、理解しかねるところがあり、実際、本作は批評家には好評だったものの、興行的には失敗だったようだ。物語自体も、動きが楽しいと言えば楽しいのだが、全体的には退屈だった。苦労して作っていることは分かるし、エンドロールもすごく長いのだが、評価は2。

【5段階評価】2

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2025年7月 4日 (金)

(3088) 沈黙の断崖

【監督】フェリックス・エンリケス・アルカラ
【出演】スティーブン・セガール、マーグ・ヘルゲンバーガー、クリス・クリストファーソン、レボン・ヘルム
【制作】1997年、アメリカ

企業の不法投棄に立ち向かう環境保護局の捜査官の奮闘を描いたアクション映画。

ケンタッキー州で毒物の不法投棄を調査した環境保護局のフランク(ジョン・ディール)が謎の死を遂げ、ジャック・タガート(スティーブン・セガール)が調査任務に就く。不法投棄を行う経営者のオーリン(クリス・クリストファーソン)は、息子のオーリンJr(ブラッド・ハント)らにタガードの排除を指示するが、ジャックは邪魔する相手を実力ではねのける。ジャックは街の人々に親切に接し、次第に理解者を得る。ジャックは、養蜂を営む女性サラ・ケロッグ(マーグ・ヘルゲンバーガー)と親しくなる。彼女は、少女時代に父親殺しの疑いを掛けられた過去があり、街の人々から除け者にされていたが、実は彼の兄アール(スティーブン・ラング)がサラを襲ったところを父親に見とがめられ、アールが父を殺し、未成年のサラが罪を被らされていたのだった。アールは不法投棄現場にジャックを誘い込み、仲間と共謀してジャックを始末しようとするが、ジャックは相手を倒して脱出する。ジャックはオーリンを逮捕し、サラのもとに戻る。サラはジャックに抱きつき、新しい生活の始まりを喜ぶのだった。

勧善懲悪のスッキリした話。サラの過去という謎も織り交ぜつつ、複雑すぎない物語になっていた。スティーブン・セガールがかっこよく描かれすぎて、つまらないという見方もできるかもしれないが、これはこれでありだろう。

【5段階評価】4

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2025年7月 3日 (木)

(3087) 野獣

【監督】ジェレミー・コント
【出演】フェリックス・グレニエ、アレクサンドル・ペロー、ルイーズ・ボンバルディエ
【制作】2018年、カナダ

二人の少年に起こるできごとを描いた作品。16分の短編映画。

少年タイラー(フェリックス・グレニエ)は、古びた鉄道車両が放置された場所で、友だち(アレクサンドル・ペロー)と他愛のない遊びで勝ち負けを競っていた。友だちは、キツネがいる、と突然言い出し、タイラーは騙されまいとする。タイラーがふりかえると、キツネはいなかった。二人は立ち入り禁止の採掘場に入り込む。そこに作業車両が走ってきたため、二人は慌てて走り、すり鉢状の場所に逃げ込む。タイラーはぬかるみに足がはまって動けなくなり、友だちに助けを求める。友だちはタイラーをバカにしたようにおどけるが、タイラーが本当に困っていると思って近づくと、タイラーは友だちをぬかるみに投げ飛ばし、勝ち誇る。今度は友だちの方がぬかるみから抜け出せなくなり、みるみる腰の高さまで埋まってしまう。タイラーは本気で助けようとするがもはや手の施しようがなく、友だちは首までつかってしまう。タイラーは助けを呼ぶため、停まっている作業車両の方に走って大声を上げるが、誰もいない。仕方なくタイラーが戻ると、友だちの姿は消えていた。
タイラーは途方に暮れたまま歩き続ける。そこに、車に乗った女性(ルイーズ・ボンバルディエ)が通りかかり、タイラーを車に乗せる。女性の問いかけに何も答えられないタイラーだったが、ようやく、僕の友だちが、と言いかける。すると、突然女性が車を停める。そこにはこちらを伺う一匹のキツネがいた。キツネはやがて走り去っていく。それを見て少年は目に涙を浮かべ、嗚咽するのだった。

どうやって少年が助かるのだろうと思ったら、助からないという結末。キツネはもしかして少年の生まれ変わりか、なんて想像力をたくましくしないかぎりは、なんだこれ、という内容だった。印象的な作品ではあった。

【5段階評価】3

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2025年7月 2日 (水)

(3086) 映画おしりたんてい さらば愛しき相棒よ

【監督】セトウケンジ
【出演】三瓶由布子(声)、齋藤彩夏(声)、仲里依紗(声)、津田健次郎(声)、二又一成(声)
【制作】2024年、日本

トロル原作の絵本「おしりたんてい」の劇場版アニメ。「映画おしりたんてい なんでもかいけつ倶楽部 対 かいとうU」(2024)と同時上映された。

おしりたんてい(三瓶由布子)は、かつての相棒スイセン(仲里依紗)から連絡を受け取り、メットー美術館に向かう。ハッタンタウンでは、多くの絵画がにせものにすり替えられていた。偽物の絵画には、スイセンが慕う画家、キンモク先生(津田健次郎)のサインが書かれていた。スイセンは、メットー美術館に潜入し、真相を明らかにしようとしており、おしりたんていに協力を仰ぐ。スイセンは、キンモク先生がビッグフラワー財団に脅され、贋作を作らされていると考えたが、真相は、キンモク先生自身が、ビッグフラワー財団の黒幕だった。キンモク先生は、自分の作品が美術家に認められないことを逆恨みし、自分の描いた贋作に美術家が気づかないことをあざ笑おうと、自ら贋作を世に広めていたのだった。おしりたんていは、スイセンが大事にしていた絵をキンモク先生につきつけ、キンモク先生を改心させる。おしりたんていとブラウン(齋藤彩夏)は、スイセンの旅立ちを見送るのだった。

おしりたんていの必殺技がおならで、どうにも見ていられない。意識を失ったスイセンを生き返らせるために、スイセンにおしりたんていが口づけするシーンがハイライトと言えるが、それって要するに、肛門を相手に口に押し当てているということなわけで、子どもに見せていい内容なのか、趣旨がよく分からない内容。これをEテレが放映したのも、貴重と言えば貴重かもしれない。

【5段階評価】2

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2025年7月 1日 (火)

(3085) 映画おしりたんてい なんでもかいけつ倶楽部 対 かいとうU

【監督】手塚江美
【出演】齋藤彩夏(声)、櫻井孝宏(声)、小橋里美(声)、古木のぞみ(声)、佐伯(さはく)美由紀(声)
【制作】2024年、日本

トロル原作の絵本「おしりたんてい」の劇場版アニメ。「映画おしりたんてい さらば愛しき相棒よ」(2024)と同時上映された。10分の短編映画。

なんでもかいけつクラブのブラウン(齋藤彩夏)、コアラちゃん(小橋里美)、かめのこうじみどり(古木のぞみ)、さるばとおる(佐伯美由紀)は、かいとうU(櫻井孝宏)が、人気漫画家ようほうか(玄田哲章)のサインを狙っていることに気づき、サインを警戒。下見に来たかいとうUを追い払うことに成功する。

かいとうUが狙っていたのはサインではなく、名画「ニージマスの誕生」だったという落ちがあったりするが、「映画おしりたんてい さらば愛しき相棒よ」の前座のような内容で、さほど見所はない。

【5段階評価】2

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