(3076) おまえの親になったるで
【監督】北岸良枝
【出演】草刈健太郎、草刈保廣、草刈弘子、中井政嗣、リョウタ(仮名)、永谷博司、チェイス・ブラムレッジ、タイチ、ケンゴ
【制作】2024年、日本
犯罪者の更生を支援する男性を追うドキュメンタリー作品。
千房の中井政嗣社長(当時)が発起人となって立ち上がった職親(しょくしん)プロジェクト。妹の草刈福子さんを外国人の夫に殺された草刈健太郎氏は、このプロジェクトに参加。ギャンブル依存症のリョウタは、草刈氏に身柄を引き受けてもらうが、ギャンブルに依存し、お金を盗んでしまう。草刈氏は彼の社会復帰のために奔走する。草刈氏はこのほか、被害者遺族に会ったり、刑務所で講話をしたり、様々な活動を行う。東北少年院を訪れた草刈氏は、受刑者のタイチに、家族になったるわ、と言い、タイチは涙ぐむ。草刈氏は、出所したタイチを引き取り、やがてタイチは子どもを授かる。しかしタイチは家庭内暴力を振るってしまう。兄のケンゴがタイチを引き取り、自分の元で仕事をさせる。ケンゴが5歳、タイチが0歳の時、母親が父親を殺害。ケンゴはそこで、自分が弟を守らなければならないと思ったのだった。
福子を殺したチェイス・ブラムレッジは、2度、仮釈放を申請。草刈氏はそのたびに精神的負担を感じながらも、遺族として審査会に臨む。チェイスの申請は2回とも却下される。タイチ氏は、自分が出所した東北少年院で、スーツ姿で受刑者に講話をする。刑法犯検挙者中の再犯者率は、下がったとは言えまだ50%近い。社会の受け入れ方が問われるのだった。
犯罪者の更生をひとごととせず、受け止める側として自ら関わる草刈氏には頭が下がる。このような一部の個人が献身やボランティア精神に頼るのは、社会として持続可能とは言えない。特定の個人が負担を一身に引き受けるのではなく、更生がうまくいかない場合も含めて、社会全体の仕組みとして淡々と受け入れる必要があるだろう。映画としてみると、相当テレビ番組っぽかったので、作品としての評価は低め。
【5段階評価】2
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