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2025年6月 8日 (日)

(3062) 必殺仕掛人 春雪仕掛針

【監督】貞永方久(まさひさ)
【出演】緒形拳、岩下志麻、夏八木勲、林与一、山村聡、ひろみどり、花沢徳衛(はなさわとくえ)
【制作】1974年、日本

江戸時代の殺し屋の暗躍を描いた作品。池波正太郎の小説が原作。しゅんせつしかけばり、と読む。「必殺仕掛人 梅安蟻地獄」(1973)の続編。

小津屋という問屋に賊が入り、一家を皆殺しにして盗みを働く。手引きしたのは、小津屋に後妻に入った、猿塚のお千代だった。千代の育ての親、小兵衛(花沢徳衛)は、千代を諫めるが、千代は相手にせず、新たに大阪屋の手代(てだい)、幸太郎(村井国夫)に取り入り始める。元締の音羽屋(山村聡)から3人の盗人の仕掛けを依頼された藤枝梅安(緒形拳)は、小津屋に入った盗人の件だと当たりを付ける。梅安はまず、女好きの定六(地井武男)を銭湯で暗殺。千代に付く剣豪の三上(竜崎勝)は、梅安を怪しむ。
盗人三人の仕掛けを依頼したのは、小兵衛だった。冷酷非情な千代の心を入れ替えたい一心で、千代の手下の三人の仕掛けを依頼していた。三上は梅安の家に侵入するが、梅安は迎え撃ち、小杉が助太刀をして三上を倒す。三上が倒された報せを聞いた千代は、しばらく江戸から離れることを提案するが、勝四郎(夏八木勲)はそれに反対する。
音羽屋の指示で千代を偵察した梅安は、千代が昔の女であることを音羽屋に告白する。梅安は千代に会い、あのうちにいると殺されるぞと忠告する。千代は梅安の家を訪ね、9年前に梅安に捨てられた恨みを伝え、泣き崩れる。梅安は千代の待つ隠れ家に行き、勝四郎の到着を待つが、それは千代の罠だった。梅安は千代の手下に捕らえられ、拷問を受ける。そこに小兵衛が現れ、拷問を引き受けると、梅安に、自分が起こり(仕掛けの依頼人)だと告げ、梅安を逃がす。小兵衛は千代に心を入れ替えるよう伝えるが、勝四郎に斬り捨てられる。小兵衛を殺され、嘆き悲しむ千代は、手下に向かって、大阪屋の盗みを延期すると告げる。勝四郎は千代に従わず、大阪屋の蔵の合鍵を手に入れ、手下を連れて大阪屋の蔵に忍び込むが、そこには音羽屋や小杉らが待ち受けていた。勝四郎の一味はあえなく全滅させられる。梅安は、一人待つ千代に近づく。千代は命乞いをするが、梅安は千代の首に針を突き立てる。
仕事を終えた梅安は、音羽屋と小杉に、殺しの針はしばらく封印すると話す。小杉は、真面目に生きていても人の恨みを買わずにいることはできないものだ、と話すのだった。

岩下志麻の演技力が光る作品。不幸な境遇で盗人の首領となった千代は、ときに男にすがり、ときに男を裏切り、真の姿が見えない。最期のシーンでも、死を覚悟しているようでありながら、迫る梅安から逃げ回り、捕まると悲鳴を上げる。ラストで、人の恨みを買うような生き方から距離を置こうとする梅安に、人の恨みを買わずに生きることなどできないと小杉が話すシーンも、印象的だった。

【5段階評価】3

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