(3059) 続 網走番外地
【監督】石井輝男
【出演】高倉健、瑳峨三智子、アイ・ジョージ、嵐寛寿郎、室田日出男、三原葉子、大阪志郎、安部徹、中谷(なかたに)一郎、田中邦衛
【制作】1965年、日本
犯罪に巻き込まれた網走刑務所出の男の奮闘を描いた作品。「網走番外地」(1965)の続編。次作は「網走番外地 望郷篇」(1965)。
網走刑務所を出た橘真一(高倉健)は、舎弟の大槻(アイ・ジョージ)と青函連絡船に乗ろうとしていた。橘に女スリのユミ(瑳峨三智子)が近づき、スリを働くが、橘はスリに気づき、ユミとともに船に乗る。船でスリ被害が発生し、乗務員が持ち物検査を始める。乗っていた修道女も荷物を調べられるが、抵抗したため荷物が落ち、中に入っていたマリモが転がり出てしまう。偶然近くにいた大槻は、土産に、と転がってきたマリモをポケットに忍ばせる。
青森でいざり芸(足の不自由な乞食のふりをして金を得ること)をしていた大槻の前に、張本(室田日出男)という男が現れ、札束を大槻に渡してマリモを返すよう告げる。大槻は橘とマリモを確認。中には宝石が隠されていた。橘は、函館銀行の金庫から二人組の男が盗んだ宝石だと気づく。橘は網走刑務所の世話にならないよう警察に報告しようとするが、そこにユミが現れ、新聞を渡す。新聞には、橘と大槻、ユミが宝石を盗んだという記事がでっち上げられていた。
三人が列車に乗り込むと、ワルサー拳銃を持った男、吉本(中谷一郎)が橘の前に現れ、マリモを渡すよう脅す。橘は窓を開けて売り子から弁当を買い、売り子にマリモを渡してしまう。吉本は橘の機転の利いた行動に惚れ惚れする(機転の利いた行動なのかは疑問が残るが)。売り子の手に渡ったマリモは、次の列車に乗っていたストリップ一座の路子(三原葉子)が気に入り、50円で買い取ってしまう。売り子から話を聞いた橘たちも、路子の後を追う。
公演を終えた路子は、地元の親分(沢彰謙(しょうけん))のもとで博打を打つが、有り金を擦ってしまい、マリモ入りの化粧道具を親分に売ってしまう。遅れてやってきた橘は、博打勝負で化粧道具を取り返そうとするが、うまく行かない。そこに鬼寅(嵐寛寿郎)が現れ、イカサマを見抜く。橘はマリモを取り返し、賭場から逃げ去る。病院に迷い込んだ橘とユミは、路子の夫(大阪志郎)が病気になった子どもを医者に診せようとしていた。夫に金がないのを知った橘は、マリモの中から宝石を一つ取り出し、ユミに換金を頼む。ユミは質屋に宝石を持ち込むが、その質屋は、宝石強奪事件の黒幕、依田(安部徹)の息がかかっていた。ユミは世だの前に連れ出されてしまう。呼び出された橘は、依田の前に現れる。依田は、橘と網走刑務所をともに過ごした男だった。橘と依田は、火祭りの櫓の下で、ユミとマリモを交換することにする。
祭りの日、ユミとマリモを交換するが、ユミがとっさにマリモを掏り、逃走。大乱闘の末、橘は依田を倒し、マリモを手にする。橘はユミと分かれ、去って行くのだった。
高倉健が車寅次郎ばりの売り口上で、女物のパンティを売るという貴重なシーンがある。全体的には、宝石入りのマリモを巡る争いという、くだらない話で、序盤に曰くありげに登場する桐川(田中邦衛)は全く主人公とからまなかったり、吉本が橘に惚れるのに無理があったり、橘とユミが賭場を逃げて病院に迷い込むという謎の展開があったり、最後の大乱闘も必然性の薄いドタバタ劇。前作が人気だったので慌てて作ったというできばえだった。
【5段階評価】2
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