(3032) 世界でいちばん長い写真
【監督】草野翔吾
【出演】高杉真宙(まひろ)、松本穂香(ほのか)、武田梨奈、前原滉(こう)、田村杏太郎(きょうたろう)、黒崎レイナ、水野勝、吉沢悠
【制作】2018年、日本
高校の思い出に世界一長い写真を撮ろうと奮闘する高校生を描いた青春映画。
序盤は純白のドレスに身を包んだ女性(武田梨奈)に会う青年(高杉真宙)が登場。この二人の関係は何なんだろう、というところから物語が始まる。序盤、新郎新婦に思えた二人は、従弟の関係。高校時代、序盤に登場した彼、写真部の内藤宏伸(ひろのぶ)はクラスで目立たない存在で、部長の三好奈々恵(松本穂香)に馬鹿にされる日々。ある日、宏伸の従姉でアンティークショップを営む竹中温子(武田梨奈)に荷物運搬の手伝いを強制される。彼はそこで、アンティークなカメラを発見。カメラ店の宮下賢一(吉沢悠)に見てもらうと、それは水平に回転しながら3360度を撮影できるパノラマカメラであることが分かる。宏伸は、温子の紹介で、小出智也(水野勝)のヒマワリ畑で360度のヒマワリ畑の撮影に挑戦。見事な写真ができあがる。それがきっかけで、宏伸は一方的に片思いしていたクラスのマドンナ、安藤レイカ(黒崎レイナ)と親しくなる。
宏伸は、このカメラは360度だけではなく、カメラを水平に13回転半させながら撮影を続けることで、世界一長い写真を撮ることができることを知る。引っ込み思案だった宏伸が奈々恵やレイカたちとクラスを説得し、高校生活の思い出に写真撮影に挑戦する。校庭に集まった仲間たちは、宏伸の構えるカメラを中心として輪を作り、次々とポーズを変えながら、写真撮影を敢行する。
時が戻って現代。新婦の温子と宮下賢一との披露宴で、宏伸は披露宴の様子をパノラマカメラに収める。そこには、カメラの仕事を続ける奈々恵もいた。後日、学校で再会した宏伸と奈々恵は、今もカメラを続けていることを話し合う。宏伸は、パノラマ写真を披露した文化祭の最終日のことを思い出すのだった。
タイトルは意味深長だが、文字通り、物理的に横に長い写真の話だった。従姉の温子、クラスメイトの奈々恵という、二人の美女を中心に物語が進む。もう一人の美少女レイカは、最終的に医学部に合格したクラスメイト(前原瑞樹)になびき、温子はカメラ店の賢一と結婚。奈々恵は、レイカと親しくなる宏伸に焼き餅を焼いたり、文化祭最終日に花飾りを宏伸の背中に貼り付けたり、実は宏伸を気にしていたことをほのめかしつつも、奈々恵と宏伸が最終的にどうなったかは描かれない。薄着が多い温子にメロメロになる館沼淳(前原滉)の一方的な片思いなども交え、ほろ苦く楽しい青春を描いたさわやかな作品だった。
【5段階評価】4
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