(3054) 男はつらいよ 寅次郎純情詩集
【監督】山田洋次
【出演】渥美清、檀ふみ、京マチ子、倍賞千恵子、前田吟、下條正巳、三崎千恵子、太宰久雄、浦辺粂子、吉田義夫、岡本茉利
【制作】1976年、日本
「男はつらいよ」シリーズ第18作。「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」(1976)の続編。次作は「男はつらいよ 寅次郎と殿様」(1977)。
とらやでは、博(前田吟)とさくら(倍賞千恵子)が、満男(中村はやと)の家庭訪問に来る柳生雅子先生(檀ふみ)を待っていた。そこに寅次郎(渥美清)が帰ってきて、若くて美人の雅子先生に一目惚れ。家庭訪問に割り込んで担任と両親のやりとりを台無しにし、博の怒りを買う。とらやを去った寅次郎は、長野県上田市の別所温泉で、昔なじみの旅芸人一座と再会。谷町気取りで一座との宴会を開いた寅次郎だったが、持ち合わせはなく、無銭飲食のかどで警察に捕まってしまう。寅次郎は、迎えに来たさくらととらやに戻る。さくらは、寅次郎が、娘の年齢ほど年の差のある雅子先生に熱を上げたことを責め、雅子先生の母親を好きになる分にはいいが、と言う。するとそこに、雅子先生が母親の綾(京マチ子)を連れてくる。綾を好きになっていいとお墨付きをもらった寅次郎は、綾にあれこれ世話を焼き始める。
さくらは雅子先生から、綾が病気を患っており、本人には知らせていないが余命わずかな状態であることを告白される。そうとは知らない寅次郎は、綾を水元公園にピクニックに連れて行ったり、とらやで宴席を設けたりする。とらやの一同と綾は、とらやで食事をしながら、綾が将来どんな仕事をするのがいいかで盛り上がるが、雅子先生とさくらは、思い切り笑うことができないのだった。
寅次郎は、さくらから、綾の容態が悪化したと聞き、急いで綾の家に向かう。綾は寅次郎の来訪を喜ぶ。寅次郎は、仕事を終え、再度、綾の見舞いに向かう。迎えに出た雅子先生は、綾がとらやで振る舞われた芋の煮っ転がしが食べたいと言っていると寅次郎に告げる。寅次郎は芋を買い込んで慌ててとらやに駆け込み、さくらに煮っ転がしを作らせる。そこに、源公(佐藤蛾次郎)が現れ、綾の屋敷の前に車がたくさん停まっていたと伝える。さくらと寅次郎は綾の家に行くが、すでに綾は亡くなっていた。雅子は屋敷を引き払い、新潟の六日町の学校に転任する。寅次郎は雪の中、雅子先生を訪ね、雅子先生は寅次郎の来訪に大喜びするのだった。
綾が亡くなった後、寅次郎が綾と雅子先生の住む屋敷を訪れ、綾の余命がわずかだと知っていたらできたことがあったかもしれないと後悔の念を伝えると、雅子先生が、母親は寅次郎に愛されて幸せだったと伝え、嗚咽するシーンは感動的だった。ほのぼのとした人情噺が多いシリーズだが、本作は泣けた。
【5段階評価】3
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