【監督】関本郁夫
【出演】岩下志麻、宅麻伸、萩原流行、赤坂晃、島木譲二、鈴木砂羽、内田朝雄、渡辺裕之、毬谷友子、古田新太
【制作】1995年、日本
「極道の妻たち」シリーズ第8弾。「新 極道の妻たち 惚れたら地獄」(1994)の続作。次作は「極道の妻たち 危険な賭け」(1996)。
大阪のヤクザ、堂本組初代組長、堂本増吉(内田朝雄)は、組長の座を、娘のきわ(岩下志麻)の夫、久村(くむら)修一郎(宅麻伸)に譲る。襲名披露の宴のさなか、きわは、堂本組と敵対する三東会の幹部、後藤信治(古田新太)に襲われ、止めに入った修一郎が三東会の組員を射殺。その場にいた村上徳一(渡辺裕之)は、組長になったばかりの修一郎をかばい、犯人役を買って出る。村上は12年の懲役、そして後藤の目にガラス片を突き刺して負傷させたきわも、5年服役する。きわは、三東会に被害を与えた自分の存在が修一郎の邪魔にならないよう、修一郎と離婚。修一郎はホステスだった眉子(鈴木砂羽)と再婚する。出所したきわは堂本組に戻らず、東京で堅気となる。
きわを連れ戻す役目を与えられた堂本組の若手組員、菅井宣生(のぶお)(赤坂晃)は、きわのアパートを尋ね当て、スーパーで働くきわにつきまとう。きわは宣生に愛着を感じ、家に招き入れ、シャブに手を出している宣生を厳しく叱る。きわを疎んじる宣生だったが、早くに親を失った宣生は、きわを母親のように感じるようになる。
修一郎は、関空近くの土地にドリームランドというレジャー施設を整備する計画に命を賭けて取り組んでおり、地上げのために先代の増吉が持つ土地の権利を譲ってほしいと増吉に頼むが、増吉は断る。眉子は入院中の増吉の寝込みを襲い、暗殺する。増吉は、自分の土地の権利を村上に譲るという手紙を遺していた。修一郎はきわに土地の権利を譲ってほしいと頼むが、きわもそれを断る。今度は眉子がきわの家に現れ、土下座して土地の権利書を求める。それでも首を縦に振らないきわに、眉子は包丁で斬りかかり、二人はもみあいになる。眉子が全身に入れ墨をしていることに気づいたきわは、眉子に権利書を渡す。しかし、政権が変わり、ドリームランドの計画は棚上げになってしまう。首が回らなくなった修一郎は、買収した土地の権利を30億で三東会の組長、後藤修造(萩原流行)に売り渡すと、堂本組を解散し、身を隠す。堂本組の幹部の一人、兵藤明(長谷川初範)は三東会に寝返り、妻の美佐(佳那晃子)は夫の前で組長の修造に寝取られる。美佐は、亭主に尽くせと助言したきわに、亭主につくすことができなかったと詫びる手紙を遺し、手首を切って自殺する。修一郎も乗っていた車の爆発で焼死。
宣生は、きわから足を洗えと言われながらも三東会に入ることにするが、三東会がシャブの凌ぎをしているのを見て、それを妨害。そこに現れた修造に斬りかかろうとするがナイフを奪われ、逆に半殺しにされてきわの家の玄関に放置される。宣生はきわの腕の中で息を引き取る。堂本組は壊滅状態となり、修造は、癒着している刑事の橋爪(六平直政)と、三東会の躍進を祝う宴会を開く。きわは、宴会の踊り手に扮して宴会場に現れ、サブマシンガンで修造や橋爪をはじめ、その場にいた三東会の組員を皆殺しにする。
きわは、修一郎との思い出の場所、エキスポランドに行く。そこに死んだはずの修一郎が現れる。脱獄した村上に自分のロレックスの腕時計をはめて自分の死体代わりにしたのだろう。きわは、子分たちを見殺しにした修一郎を撃ち殺し、けじめを付けると、逮捕される。そのニュースが流れる中、眉子は若い川瀬稔(目黒大樹(だいじゅ))を連れて、しぶとく海外を飛び回ることにするのだった。
前作同様、極悪非道の(極道なんですけども)敵のヤクザの仕打ちに耐えた主人公が、最後に復讐を果たすという王道のストーリー。茶番劇のような浮世離れした話ではあるが、美佐が堂本組の妻たちに別れを告げるシーンや、宣生が息を引き取るシーンはけっこう泣けた。鈴木砂羽のヌードシーンが2回あり、女同士でつかみ合いの喧嘩をするシーンでは、染谷まさ美もおっぱい丸出しになる。お約束。
作中、いかにもスポンサーになりましたという形で、ラーメンチェーンの天下一品が登場。なぜか中にいる客の一人は松方弘樹だった。きわが東京で住むアパートの窓から見えるネオンサイン(「CLUB Hanabusa」だろうか)は、前作の侠和会のクラブのネオンサインと同じ。よく言えばオマージュ、悪し様に言えば使い回しだったが、シリーズファンとしては面白いネタだ。
【5段階評価】4
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