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2024年9月

2024年9月30日 (月)

(2811) 俺ら東京さ行ぐだ

【監督】栗山富夫
【出演】新藤栄作、植木等、林美智子、柏原芳恵、松居直美、吉幾三、中村嘉葎雄
【制作】1985年、日本

東京でカメラマンを目指す青年と、その両親のやりとりを描いた作品。「俺ら東京さ行ぐだ」を歌った吉幾三も出演している。

野々宮元(新藤栄作)は、青森の実家から東京に飛び出して、原宿のカメラスタジオでカメラマンを目指して助手をしている青年。元の両親でリンゴ農家の耕三(植木等)とあや(林美智子)は、議員への陳情がてら、息子に会いに東京に出る。元は、自分を田舎へ連れ帰ろうとする両親を疎んじる。元の住むぼろアパートに一泊した耕三とあやは、元の忘れ物を届けに元の職場に行く。忘れ物をスタッフ(アパッチけん)に託して帰ろうとした二人を、元のガールフレンドの里中伸子(柏原芳恵)が引き留め、二人を東京観光に連れて行く。三人は、耕三が若い頃、家を飛び出して東京で一ヶ月過ごしたときに通っていたバーを探しに行く。バーは残っており、伸子は耕三の青春を思い出させるかのように、バーで耕三とダンスする。耕三とあやは伸子に見送られて上野発の夜行列車に乗り、息子の青春を応援することにする。伸子は元に会い、父親とデートをした話をする。二人は仲良く夜のネオン街に消えていくのだった。

ほのぼのとした家族愛の話。公開当時23歳の柏原芳恵のかわいらしさが見所。本作はソフト販売していないようで、今回のBS松竹東急での放送は貴重な鑑賞機会になったようだ。

【5段階評価】3

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2024年9月29日 (日)

(2810) アラバマ物語

【監督】ロバート・マリガン
【出演】グレゴリー・ペック、メアリー・バダム、フィリップ・アルフォード、ブロック・ピーターズ、ジェームズ・アンダーソン
【制作】1962年、アメリカ

弁護士の父親と暮らす子どもたちを描いた作品。

幼い少女スカウト・フィンチ(メアリー・バダム)は、弁護士の父親アティカス(グレゴリー・ペック)と兄のジェム(フィリップ・アルフォード)と3人暮らし。人種差別の色濃い1930年代、アティカスは黒人のトム・ロビンソン(ブロック・ピーターズ)の弁護をすることになる。トムは白人の娘、メイエラ(コリン・ウィルコックス)を強姦した罪に問われていた。アティカスは法廷で、メイエラが右目を殴打されてあざができたこと、メイエラの粗野な父親ボグ(ジェームズ・アンダーソン)が左利きであること、トムは過去の事故で左手がほぼ使えないことを明らかにし、黒人が白人の娘を襲う怖い存在である先入観が生んだ冤罪であると主張するが、陪審員はトムを有罪とする。トムは脱走を企て、射殺されてしまう。
時が過ぎ、ハロウィーンを楽しんだジェムとスカウトが家に向かって夜道を歩いていると、何者かに襲われる。ジェムは妹を守ろうと応戦するが、重傷を負い、何者かが助けに入り、ジェムをアティカスの家に運び、スカウトはなんとか家に帰り着く。保安官(フランク・オーバートン)がアティカスの家に現れ、ボブ・ユーエルがナイフで刺されて死んだと報告する。ジェムを運んだのは近所に住む謎の青年ブー(ロバート・デュバル)だった。アティカスはジェムがボブを殺したのではないかと心配するが、保安官はそれを否定し、ボブは自ら転んでナイフに刺さったことにする。子どもたちを救ったブーを白日のもとにさらすのを避けたのだった。

序盤は古き良き時代の子どものちょっとした冒険譚だが、中盤から急に法廷サスペンスになるという珍しい展開。おそらく無実の罪をかぶせられた黒人青年が、疑いを晴らせぬまま死んでしまうという悲劇だが、おそらく娘に暴行を働いた父親のボブはブーに刺し殺されたのだが、その罪は闇に葬られたということらしい。
原題は「To Kill a Mockingbird(マネシツグミを殺すこと)」で、「アラバマ物語」とはずいぶんと異なるタイトルだが、マネシツグミは歌の好きな、人に悪さをしない鳥のこと。偏見で恐れられているだけのブーがあらぬ罪を被らないようにしたという含意があるようだ。

【5段階評価】2

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2024年9月28日 (土)

(2809) 必殺! 主水死す

【監督】貞永方久
【出演】藤田まこと、津川雅彦、名取裕子、細川ふみえ、東ちづる、三田村邦彦、中条きよし
【制作】1996年、日本

テレビドラマ「必殺」シリーズの劇場版。「必殺5 黄金の血」(1991)の続作。

将軍家の跡目争いに巻き込まれ、葛飾北斎(鈴木清順)が殺される。北斎の娘、お栄(美保純)は中村主水(藤田まこと)に相談するが、お栄も殺されてしまう。将軍家の家定(細川ふみえ)の母、お美津の方(松居一代)は、大奥の姉小路(柏木由紀子)が家定の双子を探し出してお家騒動を起こそうとしているのを知り、葛西衆の権の四郎(津川雅彦)に双子の殺害を指示。家定の双子、捨蔵(細川ふみえ、二役)は、大道芸人のお夢(名取裕子)が拾って育てていた。捨蔵は女だった。主水は、お夢がかつて深い仲になったお千代であることに気づくが、お千代は記憶をなくしていた。権の四郎はお千代の夫だった清吉で、主水の恋敵だった。
主水は北斎殺しの張本人である姉小路と水野忠邦(宝田明)を葬る。清吉はお千代を使って主水を呼ぶと、妻のお千代を抱いたときにお千代が主水の名を口にしたという恨みを語り、主水に斬りかかろうとするが、主水が逆襲し、清吉を倒す。その背後から、記憶を取り戻したお千代が主水の背中に刀を突き刺し、主水もお千代を刺し殺す。清吉は最後の力を振り絞って囲炉裏に油を投げ込み、小屋は大爆発を起こす。主水の死を悟った秀(三田村邦彦)と勇次(中条きよし)は、お夢を失い嘆く捨蔵を励まし、去って行くのだった。

主人公が死ぬという形で「必殺」劇場版シリーズが決着を迎えた形になったが、殺される必然性がよく分からない。年でもあったし、幕引きを狙ったのだろうか。とは言え、完全に死んだという表現にはなっておらず、実際にのちの作品で登場しているらしい。三味線の勇次が再登場していたり、時系列的にもよくわからない内容だったが、そもそもテレビ版「必殺仕事人」を見ていたわけでもないので、深入りしないでおこう。

【5段階評価】2

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2024年9月27日 (金)

(2808) 必殺5 黄金の血

【監督】舛田利雄
【出演】藤田まこと、村上弘明、三田村邦彦、名取裕子、山本陽子、酒井法子、岸部一徳、西岡徳馬、大沢樹生
【制作】1991年、日本

テレビドラマ「必殺」シリーズの劇場版。「必殺4 恨みはらします」(1987)の続作。次作は「必殺! 主水死す」(1996)。

佐渡金山の金を積んだ船が、赤目のコウモリを伴った黒装束の集団に襲われる。絵図を書いていたのは後藤分家三之助(岸部一徳)と勘定奉行の太田玄蕃頭(げんばのかみ)(西岡徳馬)。金が海に沈んだと見せかけて隠し持ち、金の相場が上がったところで金を売るという計画だった。後藤千勢(山本陽子)は、金山の労働者を殺した集団への復讐をおむら(名取裕子)に依頼する。若い娘、お浅(酒井法子)は恋人の与七(白竜)の帰りを待っていたが、与七は企みに手を貸していた。与七を見つけた政(村上弘明)はお浅が待っていると声をかけるが、与七は政に斬りかかる。仕事人を引退していた政は必死に防戦するが、そこにおむらが現れ、与七を倒す。政は与七を海に流すと、お浅には与七の死を隠す。
計画を進める三之助は、地獄組の頭目、赤目(天本英世)を使い、用済みとなった者を消していく。赤目のコウモリに襲われてお浅は息を引き取り、千勢も殺される。千勢は、三之助への復讐をおむらに託し、依頼金を渡して息絶える。
中村主水(藤田まこと)らは三之助の屋敷に向かう。秀(三田村邦彦)らの前に赤目が現れ、秀の背後にコウモリが忍び寄るが、そこに政が現れ、コウモリを倒す。しかし、赤目の仕込み杖を受け、政は命を落とし、秀が赤目を倒す。主水は三之助と太田を斬り、復讐を果たす。翌朝、主水はおむらと別れ、帰宅するのだった。

唐辛子を使う仕事人(佐藤蛾次郎)やシャボン玉を使う仕事人(安岡力也)がゲスト出演的に登場し、1作目や2作目のようなB級感が漂う。悲劇のヒロイン、お浅は、いかにも作り物の糸で吊り下げたようなコウモリに襲われて死ぬというとんでもない展開。息絶えたお浅を抱えて政は涙を見せるのだが「でもお浅が死んだのってコウモリなんだよな」という思いが感動の邪魔をする。コウモリを瞬殺する政は、立っているのがやっとのようなヨボヨボのお爺さんに刺されるし、レギュラー役の最期にしてはあまりにもしょぼかった。

【5段階評価】2

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2024年9月26日 (木)

(2807) 必殺4 恨みはらします

【監督】深作欣二
【出演】藤田まこと、真田広之、千葉真一、倍賞美津子、相楽ハル子、村上弘明、三田村邦彦、かとうかずこ
【制作】1987年、日本

テレビドラマ「必殺」シリーズの映画化作品。「必殺! III 裏か表か」(1986)の続作。次作は「必殺5 黄金の血」(1991)。

中村主水(藤田まこと)の勤める奉行所に、奥田右京亮(真田広之)が着任。庶民が暮らすおけら長屋に派手な姿の旗本衆が馬に乗って現れ、暴走した馬に轢かれそうになった子ども(岩戸隼人)を助けようとした平野弥兵衛(室田日出男)が死亡。馬の足には十字手裏剣が刺さっており、主水はそれを右京亮に報告するが、事件はもみ消される。
弥兵衛の娘、お弓(斉藤絵里)は体を売って稼いだ金で、弁天(岸田今日子)に旗本衆への復讐を依頼。仕事人のわらべや文七(千葉真一)と主水が依頼を引き受ける。旗本の一人、加賀爪久馬(誠吾大志)を文七が暗殺。馬に轢かれそうになった子ども、長次は、文七が買った息子で、さらにおみつ(相楽ハル子)という娘もいた。文七は子どもと協力して仕事人をしていた。
右京亮の裏で九蔵(蟹江敬三)という男が動いており、馬に投じた手裏剣は九蔵のものだった。主水の通う飲み屋のおかみ、おふく(倍賞美津子)は九蔵が馬が暴れたときに近くにいたことを覚えており、九蔵に話しかけるが、九蔵は、弥兵衛が長次を助けようと倒れ込んだ際、弥兵衛の首の骨を折って殺しており、口封じのため混乱に乗じておふくを殺害する。旗本の神保主税(堤大二郎)らは斬首となる。
お弓は依頼金を稼いだ後に自害。文七は、弥兵衛を殺害した張本人である九蔵を葬ることで、お弓の恨みを果たすことにする。文七は、九蔵を倒すが、自身も九蔵の放った剣を胸に受け、泣きすがる長次とおみつの前で力尽きる。右京亮は九蔵や旗本衆を使って、おけら長屋の土地を手に入れ、出世することで、自分の姉、お菊(小林ひとみ)を手込めにして自殺に追い込んだ将軍(中村錦司)に復讐を果たそうとしていた。主水らは一連の事件の張本人である右京亮に挑む。便利屋お玉(かとうかずこ)の放った鉄砲が右京亮に命中。主水がとどめを刺し、右京亮は果てるのだった。

出演陣は豪華。真田広之の殺陣のシーンは見事。かとうかずこに撃たれて死ぬというあっけない最期は意外だった。主水の中間である政(村上弘明)や秀(三田村邦彦)はほとんど活躍しない。ちょい役のような扱いだった。

【5段階評価】2

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2024年9月25日 (水)

(2806) Fearless Gopher

【監督】ミゲル・ランバート
【出演】ガブリエル・ノエル、レオニー・ノエル、バンサン・ラフランス、ニコラス・ランドリー・セントオンジ
【制作】2020年、カナダ

ボーイスカウトの少年が友達の女の子をキャンプに連れ出す様子を描いた作品。6分の短編映画。

兄(ニコラス・ランドリー・セントオンジ)に掘りネズミと呼ばれているボーイスカウトの少年ガブリエル(ガブリエル・ノエル)は、友達の少女ジュリー(レオニー・ノエル)を迎えに行く。彼女はけがで右腕にギプスをしており、ガブリエルは、はしごを使って2階の窓からジュリーを呼び、こっそり家を出ようとするが、ジュリーの父親(バンサン・ラフランス)に見つかってしまう。ガブリエルとジュリーは、家全体をロープで縛って父親を出られないようにする。窓から顔を出す父親に、ガブリエルは彼女を安全に送り届けると宣誓し、車に乗り込む。兄の運転する車の後部座席で、少年は優しくジュリーのギプスに手を乗せるのだった。

少年のほほえましい冒険。ジュリーの父親も烈火のごとく怒るというよりは、仕方なく見送るしかないという表情。なんと言うこともない、ちょっとした内容だった。短編映画はネットでも情報が少なく、出演者の特定が難しい。

【5段階評価】2

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2024年9月24日 (火)

(2805) CODA

【監督】エリカ・デイビス・マーシュ
【出演】ケリントン・ジョーンズ、ライアン・レーン、CJ・ジョーンズ、アントワネット・アバモンテ
【制作】2019年、アメリカ

聾者の両親を持つ少女が自分を表現するさまを描いた作品。24分の短編映画。

ダンサーのアレックス(ケリントン・ジョーンズ)は、コーチ(メラニー・ベンツ)から無難な踊りをしていると厳しい言葉をかけられる。聾唖者が集うバーに入ったアレックスは、ドラムを叩く聾唖の青年ジョシュ(ライアン・レーン)と出会う。アレックスの父(CJ・ジョーンズ)と母(アントワネット・アバモンテ)は聾唖者だったが、アレックス自身は耳が聞こえた。しかしアレックスは耳が聞こえない人のように振る舞うことがあった。アレックスの父もドラマーで、アレックスは耳が聞こえることは伏せたままジョシュと親密な関係になる。店を出ると、アレックスの友人が通りかかり、彼女に声をかける。ジョシュはアレックスが聾唖でないことに気づき、アレックスに、あなたは僕だけではなく自分自身にも嘘をついていると言って立ち去る。
アレックスはジョシュを、自分のダンスの発表の場に招く。アレックスは自分の殻を破った素晴らしいダンスを披露し、見に来ていた両親は感激する。客席の奥にはジョシュがおり、アレックスに優しく微笑むのだった。

Coda コーダ あいのうた」(2021)と同じような内容の作品。ダンスシーンが多く、芝居付きのミュージックビデオのようにも見えた。

【5段階評価】2

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2024年9月23日 (月)

(2804) テルマ&ルイーズ

【監督】リドリー・スコット
【出演】ジーナ・デイビス、スーザン・サランドン、ティモシー・カーハート、ハーベイ・カイテル、クリストファー・マクドナルド
【制作】1991年、アメリカ、イギリス、フランス

二人の女性が犯罪を重ねて逃亡するさまを描いたクライム映画。

カフェでウェイトレスをしているルイーズ(スーザン・サランドン)は、若くして結婚した友人のテルマ(ジーナ・デイビス)と二人でドライブに出かける。テルマの夫、ダリル(クリストファー・マクドナルド)は威圧的な男で、テルマはストレスを感じていた。夜になり、開放感に浸る二人はバーに入る。店にいたハーラン(ティモシー・カーハート)という男が二人に言い寄り、ルイーズは警戒するが、テルマは彼の誘いに乗り、ダンスを始める。ハーランは泥酔したテルマを外に誘い出し、抵抗するテルマを殴ってレイプしようとする。そこにルイーズが現れ、拳銃を突きつけてハーマンを引き剥がす。ハーマンはルイーズとテルマに俺のをしゃぶれと挑発し、ルイーズは男を撃ち殺してしまう。二人は車で逃走。現場に来た刑事のハル(ハーベイ・カイテル)は証言を集め、現場から去った車の情報からテルマとルイーズに目星をつける。
テルマとルイーズが買い物をしていると、大学生を名乗るJ.D.(ブラッド・ピット)という若い男がオクラホマシティまで乗せてくれないかと声をかけてくる。惚れっぽいテルマはJ.D.を乗せたがり、ルイーズは仕方なく同意する。三人はオクラホマシティに到着。恋人のジミー(マイケル・マドセン)に、電信でお金を送ってほしいと頼んでいたルイーズは、その受け取り場所に向かう。しかしジミーは、電信は用いず、自ら指定した郵便局に現金を持参する。ジミーはモーテルでルイーズにプロポーズするが、ルイーズはタイミングが悪いと拒否。ジミーは深追いせず、理解を示す。その間、一人で泊まっていたテルマの部屋に、J.D.が訪ねてくる。テルマは彼をモーテルの部屋に誘い込み、激しい一夜を明かす。翌朝、テルマはカフェでルイーズに昨晩の自慢をするが、二人が部屋に戻ると、J.D.はテルマが預かっていた大金を持ち逃げしていた。ルイーズは絶望するが、テルマはルイーズを励まし、車を出すと、雑貨店で強盗を働き、現金を奪ってくる。その手口は、昨晩、J.D.から聞いた方法だった。
逃走の旅を続ける二人は、パトカーで彼らを追って職務質問をしてきた警官を銃で脅して拳銃を奪ったり、彼らにちょっかいをかけてくるタンクローリーの運転手の下品な行為に腹を立ててタンクローリーを銃で撃って爆破させたり、と、犯罪行為を重ねていく。ついに大量のパトカーが彼女たちの車を追跡。刑事のハルもヘリで彼女たちの車に追いつく。グランドキャニオンの手前で立ち往生することになったテルマとルイーズに、多くの警官が銃を構える。ハルは銃を下ろしてくれと頼むが、警察はテルマとルイーズに型通りの投降を促す。テルマとルイーズは捕まる道を選ばず、グランドキャニオンめがけて車を走らせ、谷に飛び込んでいくのだった。

俺たちに明日はない」(1967)を思わせる犯罪映画。どういう映画か予備知識なく見始めたが、序盤でいきなりルイーズが人を撃ち殺すという衝撃的な展開。その後は、か弱き存在の女性二人が、坂を転げ落ちるように犯罪を重ねていく。その姿は、どこかユーモラスだが、悲しく絶望的で、アメリカン・ニュー・シネマの香りが漂った。テルマは確かに軽薄で軽率だが、アメリカの社会で若くして女性特有の抑圧された人生を送ってきた彼女を、心底憎むことは難しいし、ルイーズの殺人行為も、相手の男性の卑劣な態度に耐えられない状況を考えると十分に理解できる。ルイーズはメキシコに逃げるときにテキサスを通ることを避けようとする。その理由は作中で語られなかったが、おそらく、彼女はかつてテキサスでトラウマになるような卑劣な行為を受けたということなのだろう。ハルもそれを知っているような台詞があった。映画ファンなら観ておいていい作品だろう。

【5段階評価】4

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2024年9月22日 (日)

(2803) キリングゲーム

【監督】マーク・スティーブン・ジョンソン
【出演】ロバート・デ・ニーロ、ジョン・トラボルタ、マイロ・ビンティミリア、エリザベス・オリン
【制作】2013年、アメリカ

戦地で敵同士だった二人の男の死闘を描いたアクション映画。

1992年のセルビア軍のボスニア侵攻で起きた大虐殺。アメリカとNATO軍は空爆を開始。セルビア人の兵士、エミール・コバチ(ジョン・トラボルタ)は、NATO軍の兵士ベンジャミン・フォード(ロバート・デ・ニーロ)の情報を入手する。ベンジャミンは戦争を終えた後、離婚後に再婚した妻と息子(マイロ・ビンティミリア)夫婦と離れ、山奥で独りで暮らしていた。コバチは彼に接近し、酒をおごって信頼関係を作り、ベンジャミンを狩りに誘う。翌朝の狩りの途中、ベンジャミンに突然、コバチは弓で攻撃する。コバチは戦地でベンジャミンに強い恨みを抱いていたのだった。二人は死闘を繰り返すが、最後はベンジャミンが優位に立ち、コバチは後ろ手に縛られ、跪く。
兵士だったコバチは、かつて戦地でベンジャミンに背後から撃たれて処刑され、一時は全身が麻痺するも回復したのだった。コバチはベンジャミンに早く殺せと叫ぶが、ベンジャミンは手を縛る縄を解くと、持っていたウィンチェスター銃を谷底に放り投げて座り込む。コバチもその横に座る。コバチは行きつけの酒場で酒を飲み、ベンジャミンは子を授かって間もない息子の家を初めて訪ねるのだった。

本作は関西テレビの「Cinema Paradiso」での放映で、日本語吹き替えのみ、字幕なし、CMあり、カットあり、という最低ランクの放送形式だったので観るか迷ったが、ロバート・デ・ニーロとジョン・トラボルタの共演ということで観てみた。名優の共演というわりには、とっても陳腐で現実味のない戦いだった。コバチの放った矢がベンジャミンのふくらはぎを貫通し、その矢を引き抜いた穴にコバチが縄を通させて逆さづりにする、という痛々しいシーンが最初に出てくるが、その後は隙を突いて殴り返すという攻防の交代が予想通りに繰り返され、最後は互いを許し合って和解に至る。ベンジャミンが作中で放つアメリカンジョークは面白かった。
---イタリア人の爺さんが、教会へ罪を告白しに行った。死ぬ前に正しいことをしようと思ったんだ。彼は言った。
「神父様、戦時中、美しい女性がうちに駆け込んできて、ナチスに追われていると言うので匿ったんです」
神父は答えた。「よい行いをしたのだから、告解の必要はない」
しかし爺さんはこう続けた。「彼女が俺にフェラをすると言い出し、私はその誘惑に負けたんです」
で、神父は言った。「仕方のないことだ。戦争は人を罪人(つみびと)にする。罪は赦された」
爺さんは言った。「ありがとう、これで楽になりました。でも一つ質問が」
「どうぞ、何だね」---
物語の序盤で出てくるこのジョークは、オチが明かされることなく、二人のキリングゲームが始まるのだが、最後にオチが登場。爺さんの質問は、
「終戦を伝えるべきでしたか」
だった。なかなかいいジョーク。

【5段階評価】2

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2024年9月21日 (土)

(2802) コードネーム U.N.C.L.E.

【監督】ガイ・リッチー
【出演】ヘンリー・カビル、アーミー・ハマー、アリシア・ビキャンデル、エリザベス・デビッキ、ヒュー・グラント
【制作】2015年、アメリカ、イギリス

アメリカとソ連のスパイが核兵器の拡散を食い止めるために協力するスパイ映画。

アメリカとソ連は、ドイツへの核兵器拡散を食い止めるために手を組むことになり、CIAのナポレオン・ソロ(ヘンリー・カビル)とKGBのイリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)がバディとなる。核開発に手を染める科学者の父を持つ、東ドイツの女性エンジニア、ギャビー・テラー(アリシア・ビキャンデル)とクリヤキンが婚約者同士という関係を装い、ソロは腕利きの盗人を演じて、核兵器の開発を進めているイタリアの女性企業家ビクトリア・ビンチグエラ(エリザベス・デビッキ)と夫のアレグザンダー・ビンチグエラ(ルカ・カルバーニ)に接近。ギャビーは父親で科学者のウド・テラー(クリスチャン・ベルケル)に会うことに成功。ギャビーは父に、核兵器の開発をやめるよう説得し、父もそれに応じようとするが、ビクトリアはギャビーを人質にとってウドを脅し、核兵器開発をさせると、ウドを殺害。アレグザンダーはギャビーを連れて逃げるが、ソロとクリヤキンは二人を追い、クリヤキンがアレグザンダーを倒す。
漁船に乗り込んでドイツ軍に核兵器を売り渡そうとしていたビクトリアだったが、ソロは彼女の乗る漁船を特定すると、ミサイルを撃ち込んで彼女を漁船ごと撃破する。ソロとクリヤキン、ギャビーは3人組のチームとして、コードネーム「U.N.C.L.E.」を与えられ、次のミッションに挑むことになるのだった。

スタイリッシュなスパイ映画。第二次世界大戦頃の話だが、古くささは感じなかった。物語は上であらすじを書いたよりは凝っていたが、ちょっと分かりづらかった。作中、ヒロシのネタで使われているペピーノ・ガリアルディの曲「ガラスの部屋」が流れるシーンがあった。
今回、本作を放送したBS-TBSの「土曜映画デラックス」は、洋画を日本語吹き替えのみ、字幕なし、カットあり、CMあり、という映画ファンにとっては最低の方法で放送するので、普段は観ないのだが、最近観た「トゥームレイダー ファースト・ミッション」でララ・クロフト役を演じたアリシア・ビキャンデルが出演するので鑑賞した。アリシア・ビキャンデルのかわいさ、セクシーさが楽しめたのはよかったが、やはりスパイ役二人の活躍はオリジナル音声で楽しみたかった。

【5段階評価】3

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2024年9月20日 (金)

(2801) ROCK PAPER SCISSORS

【監督】ブライアン・ローズ
【出演】ジョシュア・ゲージ、カミーユ・コロンブス、ハッピー・フレホ
【制作】2018年、イギリス

別々の車に乗っている幼い少年と少女のやりとりを描いた作品。7分の短編映画。

友達のいない少年サミュエル(ジョシュア・ゲージ)は、母親(ハッピー・フレホ)の車でパーティに向かう。信号待ちの車の横には、かわいい少女(カミーユ・コロンブス)が乗っており、サミュエルにジェスチャーでじゃんけんをしてくる。サミュエルは電話番号を交換しようとするがうまくいかず、信号は青に変わってしまう。サミュエルは、プレゼントのラジコンカーを取り出して車の中から操縦し、女の子にメモを渡そうとするが、ラジコンカーはあえなく車にひかれ、ぺしゃんこになってしまう。サミュエルが落ち込んだままパーティ会場に着くと、目の前にさっきの女の子が現れるのだった。

幼い頃のほのかな恋心を思い出させるような作品(そんな思い出があればだがな! )。落ちは読めるし、ラジコンカーで何ができるんだ、という感じなのだが、女の子(メラニーという役名らしい)が可愛かったので評価は3(ぉぃ)。なお、制作国はテレビの情報ではイギリスになっているが、ネットではアメリカという情報もあった。車は左ハンドルだったので、少なくとも舞台はアメリカかも。というかいまさらだが、制作国ってどういう定義なんだろうな。

【5段階評価】3

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2024年9月19日 (木)

(2800) 大脱獄

【監督】石井輝男
【出演】高倉健、菅原文太、木の実ナナ、田中邦衛、加藤嘉、室田日出男
【制作】1975年、日本

脱獄囚の復讐劇を描いたアクション映画。

死刑囚の獄舎に収監されている梢一郎(高倉健)らは脱獄を計画。舌を噛んで自殺を図ったふりをした大池浅吉(室田日出男)が看守(苅谷俊介)を殺害。鍵と拳銃を奪って逃走する。梢は、民家で衣服を手に入れた後、年老いた風見寅吉(加藤嘉)と尊属殺人犯の国岩邦造(菅原文太)と行動をともにする。彼らは雪の中で一晩を明かす。夜明けとともに寅吉は息を引き取り、国岩は分け前は半分だと言って梢につきまとう。山小屋を見つけた二人は中に入るが、梢は国岩の頭を殴って気絶させ、単独行動をとる。
雪道で動けなくなっている女性(木の実ナナ)に助けを求められた梢は、彼女を負ぶって町の宿に入り、成り行きで同じ部屋に泊まることになる。女性の名はあき。踊り子だった。人夫の仕事に加わった梢だったが、賃金を搾取する雇い主(山本麟一)とその片腕(日尾孝司)に脱獄者であることがばれており、梢は二人を殺害して金を強奪し、宿に戻る。警察の気配を感じた梢はあきと別れ、一人で札幌に向かう。
梢が過去に銀行強盗を企てた際、共犯者の剛田(田中邦衛)が守衛を殺害。剛田は仲間と共謀して嘘のアリバイをでっち上げ、殺人の罪を梢に押しつけたため、梢は死刑囚となっていた。梢は裁判で嘘の証言をした剛田の愛人、室町時子(檜(ひのき)よしえ)を見つけ出し、剛田の居場所に案内させる。小樽に着いた時子はパトカーの前でわざと倒れて梢を巻くと、一人で剛田のもとを訪ねる。剛田が若い女と戯れているのを知り、時子は逆上。剛田は、梢が剛田を狙っているという話を聞くと、時子を殴りつけ、逃走する。剛田は時子を介抱し、剛田の行き先を尋ねる。時子は、剛田のボスは函館にいる松井田(須賀不二男)という男であること、事件の真相を聞きに来た梢の妹(奈三恭子)とその一人息子も彼らに殺されたことを伝える。
函館に向かった梢の前に、彼を追っていた国岩が現れ、協力を申し出る。国岩は松井田の情報と、さらには猟銃を手に入れていた。梢は、松井田や剛田らの乗る列車に乗り込み、猟銃で彼らを次々と殺害。国岩は松井田の一味に撃ち殺されるが、梢は妹とその息子をひき殺した男(中田博久)の脳天を撃ち、復讐を果たす。足を負傷した梢は町の中で力尽き、救急車で運ばれる。その近くには、偶然にもあきがいたが、あきは梢の存在を知るよしもないのだった。

脳天が吹き飛んだり、片腕が吹き飛んだり、といったグロ映像をふんだんに使った昭和の娯楽作品。高倉健というと、人情味あふれる人間ドラマに出演するイメージだが、過去には割とこんなエログロ作品にも出ていたんだなぁというのがわかる。物語としては、梢に狙われた時子が警官に何も事情を伝えなかったり、松井田が銀行の金を奪おうとしているところをわざわざ狙ったり、納得いかない展開が目立った。汽車が横転するのも映像を派手にしただけの感があった。素性がばれただけで、人夫の頭(かしら)を殴り殺す高倉健というのもなかなか新鮮ではあったが。

【5段階評価】2

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2024年9月18日 (水)

(2799) Born to Cry (Fanfare)

【監督】レオ・グランペレ
【出演】ザカリー・シャセリオー、マティルド・ラ・ミュッセ、トーマス・バンデンバーグ
【制作】2021年、フランス

感情の抑制が求められる世界で罰を与えられた男の恋を描いた作品。18分の短編映画。

青年ジュール(ザカリー・シャセリオー)は若い女性モナ(マティルド・ラ・ミュッセ)に恋心を抱く。感情をあらわにしたジュールは管理官(トーマス・バンデンバーグ)から罰を与えられることになる。ガチャガチャのようなくじで「ピエロ」か「ブラスバンド」を選ぶことになり、ジュールはブラスバンドを選ぶ。射的屋で働くジュールが仕事仲間やいとこにからかわれ、怒りの感情を示すたびに、ブラスバンドが現れて「サンバ・デ・ジャネイロ」を奏でる。怒りを抑えて帰宅するジュールは、アイスクリーム屋で働いているモナを見かける。モナにクラブに誘われ、ジュールが喜びを隠せずにいると、またもブラスバンドが現れて曲を演奏しはじめ、ジュールは彼女の元から逃げ出すしかなかった。
我慢しきれなくなったジュールはブラスバンドに怒鳴り返す。モナと親密な関係になり、モナがジュールにキスしようとすると、またもブラスバンドが現れる。すると、モナの後ろにピエロが現れてパントマイムを始める。ジュールとモナはブラスバンドとピエロを従えて、二人仲良く、堂々と道を歩いて行くのだった。

非現実的な設定を持ち込んだ作品。登場するブラスバンドの演奏があんまり上手じゃないのが、主人公の感情を逆なでしていて面白い。太ももをあらわにした肉感的な女性を演じたマティルド・ラ・ミュッセも魅力的だった。最後に「モナも罰を与えられていたのね」というのがオチなのだが、要は罰など気にしなければいいだけというエンディングにはすっきり感がなく、何のための設定だったのという疑問が拭えなかった。

【5段階評価】2

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2024年9月17日 (火)

(2798) プロゴルファー織部金次郎5 愛しのロストボール

【監督】武田鉄矢
【出演】武田鉄矢、財前直見、レックス・アンヘレス、阿部寛、ルー大柴、光石研
【制作】1998年、日本

「プロゴルファー織部金次郎」シリーズ第5作。「プロゴルファー織部金次郎4 シャンク シャンク シャンク」(1997)の続編。

プロゴルファーの織部金次郎(武田鉄矢)は、マレーシアからゴルフ研修でやってきたスララトゥース・サラティン・アハマット(レックス・アンヘレス)と、試合で同じ組になる。日本語の不得意なアハマットに金次郎は英語で親しく話しかける。試合の後、ラーメン屋でオーダーに困っていたアハマットを見つけた金次郎は、なじみの店、スナックバーディーに彼を連れていく。ニックネームを聞かれたアハマットはビッグ・ベンと名乗り、みんなは彼をビッグ・ベンと呼ぶようになる。ビッグ・ベンは実はマレーシアの大企業の御曹司だった。彼は金次郎を応援する正村桜子(財前直見)に一目ぼれし、彼女に求婚するが、英語のわからない桜子には通じなかった。ビッグ・ベンの父親の商事会社の日本支社長(ルー大柴)がスナックバーディーに現れ、改めて事情を説明。それでも桜子は言下に断る。
海外で戦うことを夢見ていた金次郎は、アジアツアーへの参加を決意。桜子にそのことを告白する。桜子は応援することに決め、金次郎の長女で旅行会社に就職した冬木子(ときこ)(宝田絢子)に航空券の手配を相談。桜子は、冬木子の上司の木津崇(モト冬樹)に、金次郎と二人でためた貯金を託す。しかし、木津は預かった金を競馬につぎ込んで擦ってしまう。アジアツアー継続が絶望的になった金次郎がレッスンプロとして働いていると、金次郎がアジアツアーの招待選手に選ばれたという通知が入る。桜子が、金次郎のアジアツアー参加を条件にビッグ・ベンの求婚を受け入れたのだった。
金次郎はアジアツアーでの戦いを進め、マレーシアでの試合に臨む。マレーシアには、ビッグ・ベンの第四の妻となった桜子がおり、桜子の兄の周(阿部寛)や近所のオカマ、新三郎(コロッケ)、金次郎のキャディ志々戸(ししど)(山木正義)らが桜子に会いに行く。日本支社長が彼らを案内し、離宮に住む桜子を遠くから見せる。桜子は妊娠していた。志々戸は、桜子に会わせてくれと頼む金次郎を連れて桜子の住む離宮に忍び込むが、あっさりと日本支社長らに見つかってしまう。日本支社長は、ビッグ・ベンとのマッチプレイを行い、負けたらマレーシアから出ていけ、勝ったら好きなものを与えると告げる。
ビッグ・ベンと金次郎のマッチプレイが行われ、ビッグ・ベンはフェアプレイの精神で臨むが、ビッグ・ベンの取り巻きは金次郎のボールを変な場所に置くなどの妨害工作を働く。それを遠くから見ていた桜子は日本支社長らの妨害行為を阻止し、金次郎の前に姿を現す。金次郎は、桜子の妊婦姿を見て涙する。試合は金次郎の負けとなり、金次郎は立ち去る。それを見ていた桜子はお腹に忍ばせていた枕を取り出して金次郎を追いかける。妊娠は嘘だった。金次郎は、ロストボールを見つけたように彼女をいつくしむのだった。

友人選手やシニア選手、女子プロ、専属契約など、いろいろなテーマを題材にしてきた本シリーズが第5弾で扱ったのは海外選手。武田鉄矢のよどみない英語も心地よい作品だった。ただ、桜子が妊娠したふりをする理由がよくわからないのは残念だった。
これで、「プロゴルファー織部金次郎」シリーズ全作を鑑賞したことになる。シリーズものを観ていると、だんだん飽きてきて、コンプリート目的のために義務感で観たりすることがあるが、本シリーズはそんなことはなく、次の作品を早く観たいな、と純粋に思えた。ドタバタ喜劇過ぎず、お涙頂戴がくどすぎず、武田鉄矢でイメージしがちな説教くささもなく、ゴルフの魅力を感じられる総じて楽しく面白い内容だった。

【5段階評価】3

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2024年9月16日 (月)

(2797) プロゴルファー織部金次郎4 シャンク シャンク シャンク

【監督】武田鉄矢
【出演】武田鉄矢、財前直見、高橋かおり、光石研、林隆三、阿部寛、コロッケ、南美江、友利勝良
【制作】1997年、日本

「プロゴルファー織部金次郎」シリーズ第4作。「プロゴルファー織部金次郎3 飛べバーディー」(1995)の続編。次作は「プロゴルファー織部金次郎5 愛しのロストボール」(1998)。

バンカーショットを得意とする織部金次郎(武田鉄矢)に、ゴルフ用品メーカーのオリオン社の課長、喜屋武由布(きゃんゆう)(高橋かおり)が目を付ける。由布の部下の秋内繁城(あきうちしげき)(光石研)が金次郎の前に現れ、自社製品のサンドウェッジ「ステラ」の専属契約を迫る。自分のサンドウェッジにこだわりのある金次郎は断るが、金次郎を応援する正村桜子(財前直見)はお金の必要性を説き、契約を承諾させる。慣れないCM出演を果たした金次郎は、ステラを使って善戦し、ステラは大ヒットするが、ある試合で、ステラでシャンク(球がシャフトに当たり横に飛ぶミスショット)を出し、それが友人の阿部礼児(林隆三)の顔面を直撃してしまう。続くショットもシャンクし、ステラの人気は急降下。金次郎はシード権を懸けたカヌチャ沖縄トーナメントファイナル戦で、ステラを使ってシード権を獲得するよう由布に命じられる。
試合当日、いつの間にかキャディの座に収まった秋内は、フェアウェイでもステラを手渡したり、バンカーへの打ち込みを願うなど、金次郎を妨害するような行為を繰り返すが、次第に金次郎の勝利を純粋に応援しはじめ、バンカーに入れるな入れるなと念じるようになり、最終ホールでは由布が指令を飛ばしてくる無線の受信機を投げ捨てる。バーディが出ればシード権獲得が確実な位置につけた金次郎は、最終ホールを強気の作戦で攻めるものの、2打目がバンカーに捕まる。由布の見ている前では秋内もステラを手渡さざるを得ず、金次郎はステラを手にバンカーショットをすると、またしてもボールはシャンクし、由布の方向へ飛ぶ。横にいた桜子が日傘でボールを遮り、事故は免れるが、ボールはまたしてもバンカーへ転がる。怒りでステラを折ろうとした金次郎に、由布は「折らないで! 」と叫ぶ。金次郎は何かに気づき、気を取り直して次の一打に挑む。桜子はシャンクすると球が飛んでくる位置にあえて立ち、日傘を地面に置いてシャンクしたら私が止めるというしぐさを見せる。それを見て笑顔を取り戻した金次郎は、桜子に背を向けると、カップに対して90度横を向いてシャンク狙いの一打を放つ。ボールはシャンクし、ポールを直撃してそのままカップイン。バーディを取った金次郎は12年ぶりのシード権を手に入れる。
由布がステラにこだわるのには理由があった。金次郎には、喜屋武貴水(たかみず)という沖縄出身のプロゴルファーの知人がいた。彼は身ごもった妻を残して命を落としていた。その生まれた子が由布だった。ステラは、貴水が使っていたサンドウェッジと同じ形状だった。由布はそのためステラの形状にこだわり、ヘッドが走るようにエッジを落としてほしいという金次郎の要求もはねのけていたのだ。試合を終えた金次郎は、これは貴水プロとあなたのものだ、と言ってステラを由布に返し、その場を後にする。金次郎は桜子と祝杯を挙げ、のんびりと沖縄を後にするのだった。

それまで終始勝気な態度を示していた由布が、シャンクに腰を抜かしたまま、ステラを折ろうとした金次郎に「折らないで! 」と叫ぶシーンが感動的。ここで伏線回収が見事に決まる。回想シーンなどを長々と入れず、金次郎の表情だけで見せる演出がよかった。ちなみに、最終日に金次郎と同じ組で回る外国人ゴルファーの名前が「キャビン・コスイナー」という、ケビン・コスナーをもじったダジャレになっていた。なんでケビン・コスナー。

【5段階評価】4

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2024年9月15日 (日)

(2796) プロゴルファー織部金次郎3 飛べバーディー

【監督】武田鉄矢
【出演】武田鉄矢、財前直見、岡田理江、今井雅之、阿部寛、コロッケ、ケーシー高峰
【制作】1995年、日本

「プロゴルファー織部金次郎」シリーズ第3弾。「プロゴルファー織部金次郎 パーでいいんだ」(1994)の続編。次作は「プロゴルファー織部金次郎4 シャンク シャンク シャンク」(1997)。

ウェイティング(キャンセル枠待ち)のためゴルフ場に向かう織部金次郎(武田鉄矢)は、バスの中で2年目の若い女子プロゴルファー、日向(ひむかい)みずき(岡田理江)に出会う。みずきは金次郎になつき、金次郎がネット補修の危険な作業で高所から落下した怪我のためレッスンプロができなくなると、代役を志願。フレアスカートでレッスンするみずきに客たちはデレデレ。人気者になる。スナックバーディーの店主、正村周(阿部寛)はみずきを好きになる。
金次郎を応援する正村桜子(財前直見)は、トーナメント出場料を払えない金次郎に、ためていた結婚資金を託す。金次郎はその足で北海道に飛び、北海レディースに出場しているみずきを応援。善戦したみずきがホールアウト後に金次郎に抱き着く姿がテレビに映り、桜子は嫉妬する。
金次郎はマッチプレートーナメントに出場できることになり、準決勝で36ホールの激闘の末、丸山茂樹(本人)を倒す大金星を挙げて決勝に挑む。決勝の相手はプロ6年目で4勝の新進気鋭、コンコルド鈴木こと鈴木順長(としなが)(大久保了)。鈴木は中年の金次郎を馬鹿にしながらプレイするが、金次郎は奮闘。応援に駆け付けてキャディを務める桜子が、グリーン上でラインを読む鈴木の前でミニのキュロットスカートでしゃがんで股を開き、鈴木の心を乱すという裏技も飛び出し、ついに二人のスコアが並ぶ。最終ホールのパー5。第2打を左に曲げた金次郎は、第3打も木に当て、第4打目は低木の手前からの距離を残したショット。一方の鈴木は4打目でカップ近くに寄せておりパーが確実な状態。金次郎は応援する桜子の先にグリーンを狙うコースを読み取り、ウッドに持ち替えて奇跡のバーディを決め、プロ人生18年目にして初優勝をものにする。
応援に駆け付けたみずきは、地元の牧場を営む青年、大場耕人(今井雅之)と結婚する決意をしたことを報告。耕人は、金次郎と桜子に仲人をしてほしいと告げる。帰りの電車の中、眠っている桜子の横で、金次郎は桜子へのプロポーズの練習をするのだった。

ついに金次郎が勝利する本作。勝利しなくても十分に感動できたが、あえてベタなエンディングだった。若手女子プロゴルファー役の岡田理江は、絶世の美女というわけではないが、健康的な若々しさで作品に花を添えていた。決勝戦の最終ホール。フォローの風を待つ金次郎に、鈴木が文句を言うと、ギャラリーが口々に「待ってやれよ」と叫び、周囲を味方に付けるシーンはうまい演出だった。

【5段階評価】4

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2024年9月14日 (土)

(2795) プロゴルファー織部金次郎2 パーでいいんだ

【監督】武田鉄矢
【出演】武田鉄矢、財前直見、川谷拓三、柴俊夫、萩尾みどり、小倉久寛、宝田絢子、村山真夏
【制作】1994年、日本

「プロゴルファー織部金次郎」シリーズ第2弾。「プロゴルファー織部金次郎」(1993)の続編。次作は「プロゴルファー織部金次郎3 飛べバーディー」(1995)。

レッスンプロからトーナメント戦に出るようになったプロゴルファー織部金次郎(武田鉄矢)は、年のせいで腰を痛めてしまい、治療に専念することになる。金次郎のもとに、シニアに入ってからも一勝もできないプロゴルファー、勝又勝成(川谷拓三)が現れ、彼を師と仰ぐ。金次郎は勝又の指導をしつつ、自分の行く末を考えるため、弟の銀三郎(小倉久寛)の経営する種子島の旅館に行く。金次郎に恋心を抱き始めた正村桜子(財前直見)は、金次郎の仲間の期待を預かり、勝又の妻、花枝(萩尾みどり)とともに種子島に渡る。桜子はトーナメントプロを諦め、レッスンプロに徹すると話す金次郎に理解を示すが、松葉杖をついていた金次郎は、いつのまにか腰が治っており、トーナメントに出場することを改めて決意。桜子と仲間の待つ浅草に戻る。引退を決意したプロゴルファー仲間の名場巣(なばす)(柴俊夫)からトーナメント出場枠を譲ってもらった金次郎は、試合で優勝争いに絡み、11位という成績を収める。金次郎は、勝又のキャディを務め、勝又は金次郎の強気の作戦に乗り、優勝に絡む大健闘を見せる。勝又は妻の花枝と抱き合い、20年間苦労をかけたことに感謝する。金次郎はあらためて、力の限りトーナメントプロとして戦い続けることを誓い、桜子にナイスショットには拍手をしてほしいと伝えるのだった。

途中までは、やや凡庸な印象があったが、クライマックスでの勝又の奮闘と、勝又夫妻の抱き合う姿は感動的。邦画もなかなかいいもんだ、と思える作品だった。

【5段階評価】4

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2024年9月13日 (金)

(2794) プロゴルファー織部金次郎

【監督】杉村六郎
【出演】武田鉄矢、財前直見、大滝秀治、阿部寛、平田満、小野みゆき、布川敏和、中嶋常幸、戸張捷
【制作】1993年、日本

レッスンプロになったプロゴルファーが、仲間の期待を受けてトーナメント戦に挑むさまを描いた作品。続編は「プロゴルファー織部金次郎2 パーでいいんだ」(1994)。

17年間一勝もできないプロゴルファー、織部金次郎(武田鉄矢)は、脇田彦三郎(下川辰平)の経営するゴルフ練習場のレッスンプロになる。織部はヤクザの親分、勝田(大滝秀治)や、オカマの新三郎(平田満)、スナックバーディを営む周(阿部寛)と妹の桜子(財前直見)ら周囲の期待を受けて、トーナメント戦に挑むことにする。最初の戦いでは予選落ちしたものの、次の三菱ギャランカップでは予選から這い上がり、本戦でも奮戦。18番ホールではトップと二打差で第二打をバンカーの土手に打ち込むが、そこから後ろ向きに球を打つムーンサルトを決めてイーグルをもぎ取る。織部にはずっと、足のケガが悪化して病床から織部を応援する、勝田の姿が見えていたのだった。

誰からも愛される織部金次郎を武田鉄矢が好演。ほのぼのとした人情噺に心が和む感動作だった。「刑事物語5 やまびこの詩」(1987)で刑事物語シリーズを終えた武田鉄矢の会心のヒット作シリーズとなった。今回、BS松竹東急が全作品を放送。無料で全作をまとめて観られるのはありがたい。プロゴルファーの中島常幸が出演しており、セリフもあって武田鉄矢とからんでいた。他にもプロゴルファー坂田信弘や解説者の戸張捷も実況中継番組の出演者として実名で登場しており、高橋勝成もプロゴルファーとして実名で登場している。

【5段階評価】4

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2024年9月12日 (木)

(2793) 白鯨との闘い

【監督】ロン・ハワード
【出演】クリス・ヘムズワース、ベン・ウィショー、ベンジャミン・ウォーカー、ブレンダン・グリーソン、トム・ホランド
【制作】2015年、アメリカ

小説「白鯨」のもとになったエセックス号の悲劇を描いた作品。

小説家のハーマン・メルビル(ベン・ウィショー)は、年老いた男トーマス・ニッカーソン(ブレンダン・グリーソン)を訪ねる。トーマスは沈没した捕鯨船エセックス号の生き残りだった。トーマスは妻(ミシェル・フェアリー)にも語らずにきた逸話をハーマンに語る。
エセックス号に、妊娠した妻(シャーロット・ライリー)を持つ一等航海士オーウェン・チェイス(クリス・ヘムズワース)が乗り込む。船長には家柄はよいが経験の浅いジョージ・ポラード(ベンジャミン・ウォーカー)が就く。トーマス(トム・ホランド)は14歳の少年として船に乗り込んでいた。鯨油を大量に持ち帰ることが使命のエセックス号は、大した収穫がない中、ようやく大量の鯨を発見。その中にいたひときわ大きい白鯨がエセックス号に襲い掛かり、エセックス号は沈没してしまう。ボートで逃げた乗組員たちは無人島に漂着するが、救助を待つには絶望的だった。オーウェンたちは再度、ボートに乗って海に漕ぎ出すが、水も食料も尽きていく。彼らはくじを引き、外れを引いたものは命を絶って他者の食料として身を捧げるという究極の状況に追い込まれる。やがて彼らは陸地を発見し、救助される。話を聞いたハーマンは、1850年、「白鯨」を書き上げるのだった。

白鯨」(1956)に比べると、映像のリアリティは段違い。どちらも巨大な白鯨に無謀な戦いを挑むという点は共通しているが、「白鯨」(1956)が白鯨との闘いに焦点が当たっているのに対し、本作は、その後の壮絶な漂流での生き残りを描いている。映像にはなっていないが、仲間を食べるというおぞましい状況が登場するのが衝撃的だった。

【5段階評価】3

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2024年9月11日 (水)

(2792) 反則王

【監督】キム・ジウン
【出演】ソン・ガンホ、ソン・ヨンチャン、チャン・ハンソン、チャン・ジニョン、シン・グ、チョン・ウンイン
【制作】2000年、韓国

プロレスラーになった銀行員の生きざまを描いた作品。

遅刻常習犯で業績の悪い銀行員、イム・デホ(ソン・ガンホ)は、副支店長(ソン・ヨンチャン)からヘッドロックをされ、叱責されていた。ヘッドロックをかわすため、デホはプロレスジムの門をたたく。ジムのチャン館長(チャン・ハンソン)は、プロレス界のスター、ユ・ビホ(キム・スロ)の相手役となるヒールを求められていたことから、デホを入門させる。デホは、反則技の指導を受けながらも、館長の娘ミニョン(チャン・ジニョン)からバックドロップなどのプロレス技も教わり、成長していく。
ユ・ビホとの試合が始まり、デホはシナリオ通りではない展開でユ・ビホと対戦する。ユ・ビホはデホに激しい怒りをあらわにし、デホの覆面を破る。顔があらわになったデホも怒りを爆発させ、二人はルール無用の場外乱闘で大暴れ。リングに戻った二人は相討ちとなり、試合は終了するのだった。

序盤は不条理コメディのような展開で、全く面白くない。試合のシーンになってようやくある程度の感情移入はできたが、BGMもなんだか調子っぱずれで、習作のような映画だった。

【5段階評価】2

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2024年9月10日 (火)

(2791) ボルケーノ2023

【監督】ジャレッド・コーン
【出演】マッケンジー・ウエストモア、ウィリアム・ボールドウィン、グラント・バウラー、アダム・H・マーチャンド
【制作】2022年、アメリカ

大規模な火山噴火活動を防ごうと奮闘する人々を描いた災害パニック作品。

環境保護活動家のモリー・マーティン教授(マッケンジー・ウエストモア)は、夫のエリック(グラント・バウラー)と別居し、長女のクリッシー(トーリー・グリフィス)、長男のクレイ(ジェシー・B・エバンス)と暮らしていた。モリーの知人の設計するジオ・システムに資金提供の話が決まり、モリーは子供二人を連れて指令センターの建設されるハワイに向かう。現地には、かつて環境破壊を繰り返していた事業家グリフィン(タイラー・クリストファー)がいた。彼が資金提供者だったのだ。エリック相手に何度も訴訟を起こしていたモリーは裏切られた気分になるが、グリフィンは自らの行為を認めたうえで、今後は環境保護のために活動すると宣言する。
ハワイは、エリックが地熱発電のために行った過剰な掘削により、大規模な火山噴火が起きようとしていた。モリーは火山活動を未然に防ぐため、エチレングリコールをマグマの脈に注入して凍らせることで火山の連鎖を防ぐ、というエリックの案に乗る。モリーは合流した夫とともにそれを成功させる。モリーの家族は絆を取り戻し、環境保護のために活動していくことを決意するのだった。

タイトルだけでB級感がただよい、これは劇場映画なのかテレビ映画なのか怪しかったのでネットで調べたのだが、判然とせず、迷った挙句、たまにはこういうのも経験してみるか、と思い観ることにした。今回はムービープラスの無料放送で鑑賞しており、途中にCMが入らなかったのだが、ところどころ、いかにもCMに行きます的な暗転があったので、おそらくテレビ映画だろう。B級映画の分野では有名なアサイラム社の作品。
この手の作品だと、序盤に一般人が次々と死に、それを防ごうと奮闘する人々が何人も犠牲になりながらも、最後は主人公が被害を食い止めるというのが定番だが、本作は、主要人物は誰一人死なず、無辜の市民が被害に遭う残酷なシーンもほぼない(オープニングで2人の被害者は登場するが)。そこは意外で、好感が持てた。俳優もほぼ知らない人たちばかりだったが、「フラットライナーズ」(1990)や「バックドラフト」(1991)のウィリアム・ボールドウィンが、主人公の溶岩被害防止の手柄を横取りするカールソン上院議員役で出演している。

【5段階評価】2

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2024年9月 9日 (月)

(2790) 狂った野獣

【監督】中島貞夫
【出演】渡瀬恒彦、片桐竜次、川谷拓三、星野じゅん、室田日出男、橘麻紀、荒木雅子
【制作】1976年、日本

銀行強盗犯に乗っ取られたバスで起きる騒動を描いた作品。

銀行強盗に失敗した桐野利夫(片桐竜次)と谷村三郎(川谷拓三)は、逃走中、走っていた京洛バスに乗り込み、バスジャックする。バスには10数人の乗客がいた。なかなかバスを見つけられない警察だったが、ようやく追跡を開始する。乗客の一人、速水伸(渡瀬恒彦)は、犯人の隙をついて逃げようとするが、持っていたギターケースがドアに挟まり、それを車内に残したままバスを出てしまう。彼は必死でバスを追いかける。実は彼は宝石強盗犯で、盗んだ宝石をギターケースに隠し持っていたのだった。速水は共犯者の岩崎美代子(星野じゅん)のバイクでバスに戻ると、心臓発作で倒れた運転手の代わりにバスを走らせる。パトカーの追跡により、バスはついに横転してしまうが、速水は人質代表を名乗り、バスの中から犯人に代わって警察にヘリを要求。人質になったふりをして犯人とともにヘリで逃げようとするが、犯人は警察に撃たれ、逃走は失敗。速水は勇敢な乗客として警察に囲まれるが、トイレに行くふりをして現場から逃走。救出された乗客たちは、速水が誤って車内でばらまいてしまった宝石をくすねていたため、記者会見の席で速水の存在をごまかすのだった。

バスジャックされたバスの中に宝石強盗犯が居合わせた、という話がだらだらと続く。警察の追跡は緩慢で、パトカーが無駄に蛇行運転したり、バスを特定の地点まで追い詰めたはいいが、そのあとはパトカーが次々自らクラッシュしていくという、映像を派手にしたいだけの中身のない映像が続く。血まみれの顔の警官や、車の横転や爆発など、珍しくもなんともない陳腐な映像を散々流して終わるというだけの、サスペンス映画と呼ぶに値しない作品だった。

【5段階評価】2

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2024年9月 8日 (日)

(2789) まだまだあぶない刑事

【監督】鳥井邦男
【出演】舘ひろし、柴田恭兵、仲村トオル、浅野温子、木の実ナナ、佐藤隆太、窪塚俊介、小林稔侍、原沙知絵
【制作】2005年、日本

テレビドラマ、「あぶない刑事」の劇場版第6作。「あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE」(1998)の続編。次作は「さらばあぶない刑事」(2016)。

神奈川県警横浜港署の刑事、鷹山敏樹(舘ひろし)と大下勇次(柴田恭兵)は、韓国の核兵器裏市場の捜査から横浜に戻ってくる。横浜港署では、水嶋(佐藤隆太)と鹿沼(窪塚俊介)という若い刑事が活躍していた。鷹山と大下がかつて逮捕した尾藤(田中哲司)が脱獄し、二人を狙う。尾藤は自分にかかわった人物を対戦車ライフルで殺害。しかし、黒幕は、殺された海藤(かいどう)(森聖二)の秘書、美咲涼子(原沙知絵)と、二人の若手刑事だった。美咲は恋人だった戦場カメラマンがテロリストに間違われて殺された過去を持っており、テロリスト殲滅活動を取り仕切っていたアメリカのマードック国防長官を殺害するため、平和活動を通じて知り合った水嶋、鹿沼と手を組んでいた。美咲はマードックがサッカー観戦中の横浜ワールドスタジアムを核爆弾で爆破しようとしており、水嶋と鹿沼は、鷹山、大下コンビと尾藤のどちらが勝つかというオンラインカジノで金儲けを企んでいた。鷹山と大下は、捜査課長となった町田透(仲村トオル)や少年課長となった真山薫(浅野温子)らと協力し、美咲、水嶋、鹿沼の野望を打ち砕くのだった。

毎度おなじみ、コメディ路線のフィクション映画。登場人物が多めだが、人間性も描かれないまま記号のように死んでいくので、さっぱり感情移入できない安定の作風だった。

【5段階評価】2

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2024年9月 7日 (土)

(2788) 墓石と決闘

【監督】ジョン・スタージェス
【出演】ジェームズ・ガーナー、ジェイソン・ロバーズ、ロバート・ライアン、フランク・コンバース
【制作】1967年、アメリカ

身内を襲われた保安官の復讐劇を描いた西部劇。「OK牧場の決斗」(1957)の続きを描いている。

保安官のワイアット・アープ(ジェームズ・ガーナー)は、相棒のドク・ホリデイ(ジェイソン・ロバーズ)、兄のバージル(フランク・コンバース)、弟のモーガン(サム・メルビル)とともに、悪事を働くアイク・クラントン(ロバート・ライアン)一味とOK牧場で戦い、勝利する。生き残ったクラントン一味はバージルを襲撃、さらにはビリヤードをしていたモーガンを撃ち殺す。証拠がなくクラントンらは無罪となり、ワイアットはクラントン逮捕に執念を燃やす。
ドクは肺を患っていたがワイアットへの協力を続ける。ワイアットとドクはクラントン一味のスペンス(マイケル・トーラン)、ブローシャス(ジョン・ボイト)、ウォルショー(スティーブ・イーナット)を葬る。クラントンがメキシコに逃げたと聞いたワイアットは、病の悪化したドクを病院に残してメキシコに向かうが、ドクはワイアットについていく。ワイアットはクラントンを見つけ、一対一の対決でクラントンを討ち取る。ワイアットは、入院生活を続けるドクに、トゥームストーンに戻ると嘘をつき、馬車でどこかへ旅立つのだった。

要するに悪者を全滅させる保安官の話なのだが、話が長く、退屈だった。主人公側が撃ち合いで全然負ける気がしないので、緊張感もほとんどないのだった。こういう主人公アビリティ全開パターンが多い気がして、西部劇はあまり観ないんだよな。
正義の役が多い印象のあるジョン・ボイトが悪者役を演じているのが珍しかった。

【5段階評価】2

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2024年9月 6日 (金)

(2787) 少林寺木人拳

【監督】ロー・ウェイ、チェン・チーホワ
【出演】ジャッキー・チェン、ルン・ユァン、クム・カン、ドリス・ロン
【制作】1976年、香港

父親を殺された青年が拳法を極めて復讐を果たすまでを描いたカンフー映画。

口のきけない「だんまり」ことイーロン(ジャッキー・チェン)は、少林寺の修業僧。彼は幼い頃、拳法使いに父親スーリンを殺された過去を持っていた。ある日、イーロンは、少林寺の洞窟の牢にファーツー(クム・カン)という囚人が捕らえられているのを発見。イーロンはファーツーのもとに食べ物や酒を持ち込む。イーロンを気に入ったファーツーは、師匠としてイーロンに拳法を教える。それは急所を狙う殺人拳だった。少林寺の客人の尼僧(チャン・ビンユー)は、イーロンに人の急所を狙わないよう説き、油を敷いた床で修行をさせる。イーロンは正しい心を持ちながらも、ファーツーの修行により力をつけ、少林寺の試練、木人路を制覇する。イーロンはファーチ管長(チャン・イーフェイ)に見送られ、寺を出る。
ファーツーは牢の中で獅子の拳を編み出し、牢を脱出すると、かつての仲間と合流し、自分を捕らえた者たちへの復讐を始める。街に出たイーロンは、青龍会と白虎会のヤクザに襲われた食堂の娘(ドリス・ロン)を助ける。ある日、食堂にいた男(ミャオ・ティエン)と店員が言い争いになり、イーロンは男と闘うが、イーロンは苦戦する。男は、スーリンが殺されたときの拳法の使い手だった。男はイーロンが少林寺拳法の使い手だと見抜くと、まだまだ未熟だと言って立ち去る。
さらなる修行が必要だと考えたイーロンは、ファーチ管長に渡された書簡を持ってリンクン大師(リー・シャオツン)を訪ねる。大師は、ファーツーとは自身が管長だったときに少林寺を破門になった悪人だと語る。リンクン大師はイーロンに少林寺拳法の奥義書を託し、イーロンは修行の末、奥義を極める。イーロンは少林寺の人々とともに、少林寺に攻め込もうとするファーツーを待ち構える。そこにイーロンが食堂で出会った男が現れる。男は、スーリンの10年来の親友ウェンであった。彼はスーリンを殺した人物を探すため、あえてその人物の拳法を使って、拳法使いに戦いを挑んでいたのだった。果たしてファーツーこそが、スーリンを殺した人物だった。イーロンはファーツーとの戦いに挑み、次第に優勢に立つ。イーロンはファーツーにとどめを刺さず、少林寺で真面目に暮らしてほしいとお願いするが、ファーツーは従うふりをしてイーロンに歩み寄ると襲い掛かり、鋭い指をイーロンの首に突き立てようとする。イーロンはそれをよけ、その指はファーツー自身の首を捕らえ、ファーツーは絶命する。ファーチ管長(チャン・イーフェイ)は因果応報だとつぶやくが、ファーツーは自ら命を絶ったようにも見えるのだった。

ジャッキー・チェンの初期の主演作品。顔立ちは一重瞼の小さい目で、麻雀プロの小林剛みたいだった。香港ではヒットしなかったが、日本では主題歌の日本語曲「ミラクル・ガイ」も人気となり大ヒット。日本でのジャッキー・チェン人気の端緒となった。修行シーンや、木人との戦いの映像は独特で印象的。肩甲骨が背中からぐわっと盛り上がる映像も有名だ。

【5段階評価】4

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2024年9月 5日 (木)

(2786) ポリス・ストーリー reborn

【監督】レオ・チャン
【出演】ジャッキー・チェン、カラン・マルベイ、オーヤン・ナナ、ショウ・ルオ、エリカ・シアホウ、テス・ハウブリック
【制作】2017年、中国、香港

娘を助けようとする警察官の死闘を描いたアクション映画。

警察官のリン(ジャッキー・チェン)は、病床で死の危機にある娘を置いて、遺伝子学のジェームズ博士(キム・ギンゲル)の保護任務に就く。博士は遺伝子操作により強靭な肉体を得た謎の集団に襲撃され、リンの部隊はほぼ壊滅状態になるが、リンは何とか集団のボス、アンドレ(カラン・マルベイ)を燃料の爆発に巻き込んで倒す。
リンの娘シーシー(オーヤン・ナナ)は、ジェームズ博士の輸血により生きながらえるが、記憶を失っていた。リンはシーシーの大学の職員となり、シーシーを見守る。リンは輸血の作用により、超人的な治癒能力を宿していた。アンドレは爆発で顔の半分を損傷しながらも生きており、リンの能力を手に入れるため、手下の女殺し屋(テス・ハウブリック)を使ってシーシーをさらう。リンとリンの元同僚のスー(エリカ・シアホウ)、アンドレを追う男リ・スン(ショウ・ルオ)は、アンドレの拠点である飛行艇に潜入。アンドレはシーシーの血を輸血し、強靭な力を手に入れ、リンたちに襲い掛かるが、シーシーも戦いに参加。アンドレの血を浴びたリンも強靭な再生力を手に入れ、スー、シーシーとともに爆発する飛行機からの脱出に成功するのだった。

ジャッキー・チェンのアクション映画なのだが、序盤は覆面で戦っており、「えっ、スタントマン?」なんて思わせたり、アクションシーンもカット割りが多く、ジャッキー・チェンの十八番であるコミカルでトリッキーなアクションは見られなかった。SF映画のような内容で、「ポリス・ストーリー」と邦題にあるが、「ポリス・ストーリー 香港国際警察」(1985)とは無関係。しかしエンドロールでは同作のテーマ曲「英雄故事」のリメイク曲が使われていた。シーシー役のオーヤン・ナナは、日本で有名な歌手欧陽菲菲の姪。

【5段階評価】3

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2024年9月 4日 (水)

(2785) クレージー・モンキー/笑拳

【監督】ジャッキー・チェン
【出演】ジャッキー・チェン、ジェームス・ティエン、イエン・シー・クアン、リー・クン、ディーン・セキ
【制作】1979年、香港

殺された師匠の復讐を果たす青年の活躍を描いたカンフー映画。ジャッキー・チェンの初監督作品。

行意(シンイー)のクンフーの使い手、チェン(ジェームス・ティエン)は、孫のシンロン(ジャッキー・チェン)に行意の修行をしていた。シンロンはお金欲しさにシーフー(リークン)の経営するインチキなクンフー道場に行意門道場の看板を掲げさせて師範代を引き受け、道場やぶりを倒しては報酬を受け取っていた。道場の名前がきっかけとなり、クンフーの達人、鉄の爪(イエン・シー・クアン)は病に冒されたチェンを見つけ出し、殺してしまう。チェンの弟弟子、八本足(チェン・ウェイロー)は、厳しい修行でシンロンを育て、喜び、悲しみ、怒り、笑いの感情をもとにした極意をシンロンに伝授する。シンロンは鉄の爪の手下に襲われている八本足を助け、鉄の爪と相対し、見事に鉄の爪を討つのだった。

師匠の仇討という典型的なカンフー映画だが、長椅子などを使ったユニークな動きを取り入れたコミカルなアクション映画になっているのが特徴的。女性がほとんど登場しない作品でもある。今となってはやや古めかしいが、石頭や巨漢の怪力男、強靭な握力を持つ鉄の爪など、特徴的な対戦相手が登場したり、主人公が女装して戦ったりなど、印象に残るシーンが多い。観客への惜しみないサービス精神を示すジャッキー・チェン作品の片鱗が早くも見える作品。

【5段階評価】4

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2024年9月 3日 (火)

(2784) シービスケット

【監督】ゲイリー・ロス
【出演】トビー・マグワイア、ジェフ・ブリッジズ、クリス・クーパー、ウィリアム・H・メイシー
【制作】2003年、アメリカ

伝説の競走馬シービスケットと、その騎手の活躍と挫折を描いた作品。

貧しい家庭のジョニー・レッド・ポラード(トビー・マグワイア)は、馬の世話をする才能を見込まれ、馬主のチャールズ・ハワーズ(ジェフ・ブリッジズ)に身売りされる。チャールズは、気性の荒い馬シービスケットを安値で手に入れ、けんかっ早いレッドを騎手にする。調教師として、骨折した馬も丁寧に世話するトム・スミス(クリス・クーパー)を雇う。
はじめは負けてばかりのシービスケットだったが、次第に無敵の競走馬となっていく。ライバル馬のウォーアドミラルとの戦いに一度は鼻差で敗れるが、チャールズはウォーアドミラルへの再戦を決意。シービスケットは連戦連勝を重ねるが、騎手のレッドが事故で足を複雑骨折してしまう。レッドは親友のアイスマン(ゲイリー・スティーブンス)を騎手に指名し、アイスマンは見事な走りでウォーアドミラルに勝利する。その後、シービスケットは靭帯を損傷してしまうが、レッドは自らの足は骨折したまま、シービスケットの世話を続け、復帰戦でレッドが騎乗し、見事に勝利を飾るのだった。

実話に基づく内容で、名優を揃えた作品ではあるのだが、残念ながらかなり退屈。実話の割に展開がベタで、先も結構読めてしまう。こんなに長い作品にする必要があるとは思えなかった。ラジオDJ役のウィリアム・H・メイシーは、「ジュラシック・パークIII」(2001)で、行方知れずになった息子探しを主人公に依頼する父親役を演じている。

【5段階評価】2

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2024年9月 2日 (月)

(2783) 空中庭園

【監督】豊田利晃
【出演】小泉今日子、鈴木杏、板尾創路、広田雅裕、大楠道代、ソニン、永作博美、勝地涼、瑛太、國村隼
【制作2005年、日本

角田光代の小説の映画化作品。互いに嘘をつかないはずの家族の崩壊と再生を描いている。

蕎麦屋でパートをしている京橋絵里子(小泉今日子)は、夫の貴史(板尾創路)、長女の真奈(鈴木杏)、長男の航(こう)(広田雅裕)と四人家族。広いベランダが庭になっているマンションで暮らしている。家族は互いに隠し事をしないのがルールで、絵里子は娘に聞かれれば、娘を仕込んだのは野猿というラブホテルだったとあけすけに答えるような具合だった。しかし実は、マナは親に内緒で不登校状態であり、貴史はセフレ(永作博美)と浮気しており、不動産会社の若い女性職員、ミーナ(ソニン)とも浮気をしていた。航は父親の浮気を知っているのか、ミーナを自分の家庭教師にする。
絵里子の母親、木ノ崎さと子(大楠道代)は肺がんを患っていたが、麻酔が嫌で手術を拒否して、タバコを吸い続けていた。絵里子は子供の頃、母親に愛されなかった記憶があり、その反発もあって、幸せな家族を計画的に作り上げていた。しかし、その幸せがほころびを見せていく。
航は生理用品を万引きして見つかり、絵里子ではなく、絵里子の母親、木ノ崎さと子(大楠道代)に引き取りに来てもらう。航はさと子を連れてラブホテル野猿に行く。昨晩、ミーナを交えた食事の席で、ラブホテル野猿の話題になり、窓のない部屋に興味を持った航は、ミーナにラブホテルに連れて行ってもらい、生理用品の調達を頼まれていたのだった。さと子は、中学生をラブホテルに連れ込み、金も渡さずに使い走りをさせたミーナを罵倒して部屋から追い出す。
ミーナが京橋家に行くと、ミーナとさと子の誕生日が同じということで合同の誕生会が開かれる。絵里子は楽しそうに誕生会を始めるが、ミーナから見ると、そこにいるのは浮気相手の貴史、ラブホテルに連れて行った航、大喧嘩したさと子がいて、誰もが何食わぬ顔をして幸せを演じている。ミーナは、表面的に幸せを演じている家族はまるで幼稚園の学芸会のようだと話す。絵里子の言葉はどんどん刺々しく攻撃的になり、航と真奈は母親に反発して席を立ってしまう。酔って吐いたミーナは、トイレから貴史をタカピョンと呼び始める。絵里子は席に残ったさと子に、母親の資格はない、と罵詈雑言を浴びせる。
10月18日。航の帰りが珍しく遅く、絵里子は貴史に電話して航の居場所を尋ね、浮気相手の家庭教師に電話で聞けと毒づく。その日は真奈も隆も帰りが遅かった。不機嫌になっている絵里子のもとに、入院中のさと子から電話が入る。さと子は昔の思い出話をした後、今日は絵里子の誕生日だから日付が変わる前に電話したと言って、誕生日おめでとう、と電話口で話す。10月18日は絵里子の誕生日だった。真奈は絵里子に学校の用があると嘘をついて誕生日プレゼントを買っており、航もプレゼントを手にしていた。貴史と真奈と航は同じバスになり、一緒に家に帰る。絵里子はベランダで雨に打たれながら、自分が母親に愛されなかったと考えていたのは自分の思い込みだったと気づく。家のチャイムに気づいた絵里子がドアを開けると、そこにはプレゼントを手にした貴史と真奈と航の姿があるのだった。

どうしようもない絶望的な家族の状態から、すっと幸せが訪れるという作品。とんでもないバッドエンディングになるのかと思っていたら、最後に光が差すような救いがあった。結局、夫の浮気もどこまでが本当でどこまでが妄想なのかはよくわからなくなってくるのだが、バスの中での貴史のセリフによれば、女遊びは事実のようだった。男の浮気は不幸の内に入らないということか。
なお、監督の豊田利晃は、本作公開前に覚せい剤所持の疑いで逮捕されたといういわくつき。

【5段階評価】3

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2024年9月 1日 (日)

(2782) ドラゴンボール 最強への道

【監督】山内重保
【出演】野沢雅子(声)、鶴ひろみ(声)、龍田直樹(声)、古谷徹(声)、愛川欽也(声)、飯塚昭三(声)
【制作】1996年、日本

鳥山明の漫画「ドラゴンボール」の劇場版第17弾。「ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる」(1995)の続作。続作は「ドラゴンボールZ 神と神」(2013)。

孫悟空(野沢雅子)が、ドラゴンボールを探すブルマ(鶴ひろみ)と出会い、レッドリボン軍と戦い、7つのドラゴンボールを揃えて神龍(内海賢二)に願いを叶えてもらうまでを描いている。本作で孫悟空が神龍に願うのは、レッドリボン軍の人造人間8号、名付けてハッチャンを元通りにすることだった。

ドラゴンボールファンには懐かしい内容。強さのインフレ化が進み過ぎたドラゴンボールシリーズが、原点回帰したようで、観客に優しいわかりやすい作品だった。本作はAmazon プライムで鑑賞。

【5段階評価】3

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