(2726) 風とライオン
【監督】ジョン・ミリアス
【出演】ショーン・コネリー、キャンディス・バーゲン、ブライアン・キース、サイモン・ハリソン、ポリー・ゴッテスマン
【制作】1975年、アメリカ
モロッコの盗賊の頭(かしら)と、彼に誘拐されたアメリカ人家族のやりとりを描いた歴史ドラマ。
1904年のモロッコ。リフ族の族長ライズリ(ショーン・コネリー)は、アメリカ人のイーデン・ペデカリス婦人(キャンディス・バーゲン)と息子のウィリアム(サイモン・ハリソン)、娘のジェニファー(ポリー・ゴッテスマン)を誘拐。欧米人と癒着する兄の太守(ブラデク・シェイバル)と敵対しており、アメリカへの交渉材料としてペデカリス一家を誘拐していた。イーデンはライズリに屈さず毅然とした態度をとり、ライズリは一家を客人として接遇。ウィリアムは威厳のあるライズリに好意を持つ。
アメリカのルーズベルト大統領(ブライアン・キース)は、ペデカリス一家をライズリから取り返すことで世論の人気を確かなものにしようとする。米軍は太守を捕虜とし、ペデカリス一家を返せばライズリの自由を保障すると交渉。ライズリは罠であることを恐れず、アメリカ軍やドイツ軍が駐留する拠点に赴き、ペデカリス一家を解放するが、ドイツ軍はライズリを捕虜としてしまう。数で劣るアメリカは手出しを控える。翌朝、イーデンは米軍をたきつけ、激しい戦闘の末、ライズリを解放する。ペデカリス一家の解放を知ったルーズベルト大統領は、ライズリからの手紙を読む。そこには、自分はライオンのようになわばりにとどまり、ルーズベルト大統領は風のようにとどまる地を知らない、と書かれているのだった。
蛮族の英雄と、誘拐された女性がきずなを深めるという、ストックホルム症候群の一種とも言える内容。人の首をはねるシーンをリアルに描いている辺りは邦画の「戦国自衛隊」(1979)や「魔界転生」(1981)などと通じていた。血しぶきがカメラに付着するシーンもあり、「プライベート・ライアン」(1998)や「トゥモロー・ワールド」(2006)でも登場する演出が、こんな時代からあったのかと驚いた(演出じゃないかもしれないけれども)。作品自体は、つまらないとは言えないまでも、あまり面白くもなかった。ライズリは実在の人物であり、歴史の勉強には少しなるかも。
【5段階評価】2
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