(2725) わるいやつら
【監督】野村芳太郎
【出演】片岡孝夫、宮下順子、藤田まこと、松坂慶子、梶芽衣子、藤真利子、緒形拳、渡瀬恒彦
【制作】1980年、日本
松本清張の小説の映画化作品。犯罪を重ねる医師の運命を描いた作品。
医師の戸谷信一(片岡孝夫)は、浮気相手の横武たつ子(藤真利子)に粉薬を渡す。たつ子は夫、常次郎(米倉斉加年(まさかね))を殺したがっており、信一は疑われる恐れのない薬をたつ子に渡していた。常次郎は亡くなるが、たつ子は殺人を疑われて信一に泣きつく。婦長の寺島トヨ(宮下順子)は、たつ子に注射を続けて殺害。信一はたつ子の死亡診断書に心筋梗塞と書き、殺害は闇に葬られる。信一は、料亭のおかみ、藤島チセ(梶芽衣子)とも関係を持っていた。チセは、料亭の経営に口出しする料理人の夫を疎ましく思っていた。妻の慶子(神崎愛)との離婚の慰謝料として3,000万円が必要だった信一は、チセから3,000万円をもらうため、チセにも薬を渡し、チセの夫を死に至らしめる。
信一は、新進気鋭のファッションデザイナー、槙村隆子(松坂慶子)に入れ込んでいた。信一は隆子にいい顔を見せるため、懇意にしている計理士の下見沢(藤田まこと)に実印を預け、持っている土地を担保に1億3,000万円を工面してもらう。信一は慰謝料を除いた1億円の残高が口座にあることを確かめると、隆子に通帳と印鑑を渡し、歓心を買おうとする。
信一は、婦長のトヨとも関係を持っていた。信一の悪事を見抜いているトヨは、隆子との浮気を許さず、信一を束縛。トヨを疎んじた信一は、トヨの首を絞め、動かなくなったトヨを車で山奥に運び、捨て去る。
3,000万円が必要な信一は、チセに会おうとするが会えない。隆子も信一と距離を置く。信一は隆子に会ってくれない理由を聞くが、女から信一の悪事を夜な夜な電話で聞かされるのだと答える。信一は、トヨが生きているのではないかと恐怖する。しかも口座の1億円は下見沢にだまし取られていた。刑事の井上(緒形拳)は全てを調べ上げていた。信一は、自分を騙した下見沢を捕まえるためなら、と犯行を自供。信一は無期懲役に処される。下見沢は隆子のマネージャーに収まっていた。網走刑務所に向かう途中、信一は、下見沢が隆子を刺し殺したという事件を知るのだった。
序盤、信一の屋敷にいるトヨが、信一の妻のように見え、なぜたつ子が信一に泣きついても涼しい顔をしているのか不思議だったが、婦長だった。妻は別にいたので、序盤で別居していることをちゃんと描いた方が分かりやすかっただろう。女性が多く登場するが、話は分かりやすく作られていた。善人に見えた隆子もしたたかな悪女であり、最後に大きな報いを受ける。ちょい役で蟹江敬三や小林稔侍が出演していた。
【5段階評価】3
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