【監督】サイモン・ウェスト
【出演】ジェイソン・ステイサム、ベン・フォスター、ドナルド・サザーランド、トニー・ゴールドウィン
【制作】2011年、アメリカ
恩人を殺した凄腕の殺し屋が、恩人の息子を相棒に迎える。果たして殺し屋と息子の運命は。チャールズ・ブロンソン主演の1972年作品「メカニック」のリメイク。次作は「メカニック:ワールドミッション」(2016)。
腕利きの殺し屋、アーサー・ビショップ(ジェイソン・ステイサム)は、裏社会の大物ディーン・サンダーソン(トニー・ゴールドウィン)から、アーサーの恩人である車いすの老人、ハリー・マッケンナ(ドナルド・サザーランド)の殺害依頼を受ける。ハリーはディーンの仕事仲間だったが、ハリーが裏切りを働き、仲間5人を死に追いやったのだ。アーサーはハリーに電話し、今いる建物から逃げるよう伝えるが、それこそがアーサーの策略だった。ハリーは観念し、アーサーはハリーを射殺。ハリーがカージャックに襲われたように偽装工作する。
ハリーの息子スティーブ(ベン・フォスター)は父の死に接して自暴自棄になり、スラム街でカージャック犯をおびき寄せて撃ち殺そうとするが、アーサーはそれを阻止。スティーブは思い直してアーサーに弟子入りする。アーサーはスティーブにヒットマンの技術を伝え、彼を相棒にする。二人で何度か死地を乗り越えたころ、スティーブは、アーサーのガレージで、父が大切にしていた銃を発見。父を殺したのがアーサーだったと気づく。
アーサーは、ハリーの裏切りで死んだはずの仲間セバスチャン(デビッド・リーチ)が生きているのを空港で発見する。アーサーはセバスチャンに近寄り、話を聞く。彼はディーンに依頼され、仲間4人を殺して自分が死んだふりをしていた。ディーンがアーサーを騙してハリーを殺させたのだった。アーサーは、話を終えたとたんに襲い掛かってきたセバスチャンを死闘の末に倒すと、ディーンの居場所を突き止め、スティーブと協力してディーンを葬る。
アーサーはスティーブを乗せた車をガソリンスタンドに停める。スティーブは車を降り、給油口にガソリンを注ぐふりをして車の下にガソリンをまき、車に発砲。車は大炎上する。スティーブはアーサーのあじとに行き、アーサーが気に入っていた車に乗り込み、車を走らせる。ふと助手席を見るとメモがあり、そこには「お前はまもなく死ぬ(Steve, If you're reading this, then you're dead! Bishop)」と書かれていた。全てを覚悟してスティーブが笑い声をあげると、車は大爆発を起こす。アーサーはガソリンスタンドでスティーブが自分を殺そうとすることを予期しており、車が炎上する直前に車から脱出していた。アーサーは別の車に乗り換え、その場から走り去るのだった。
アーサーの暗殺技術に迫力があり、見応えがある。スティーブとアーサーが大きなわだかまりを乗り越えて信頼関係を結ぶような人間ドラマを期待したが、そうはならなかった。要するにスティーブは、アーサーが凄腕であることの引き立て役として、全編を通じて育てられた餌のようなものだった。そう考えると予定調和のむなしい作品だが、人間ドラマよりアクションを楽しむ娯楽作品。続編の「メカニック:ワールドミッション」も同様だ。
【5段階評価】3
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