(2640) フィラデルフィア
【監督】ジョナサン・デミ
【出演】トム・ハンクス、デンゼル・ワシントン、アントニオ・バンデラス、ジェイソン・ロバーズ、メアリー・スティーンバージェン
【制作】1993年、アメリカ
エイズに侵された弁護士の不当解雇を巡る法廷劇を描いた作品。
フィラデルフィアの大手法律事務所、ワイアント事務所に勤める弁護士アンドリュー・ベケット(トム・ハンクス)は、上司のチャールズ・ウィーラー(ジェイソン・ロバーズ)から重要な裁判の担当を任されるが、ほどなくして解雇される。アンドリューはエイズを患っており、同性愛者だった。アンドリューは、エイズであることによる不当解雇だと事務所を訴えるため、弁護士のジョー・ミラー(デンゼル)を頼る。同性愛者を嫌悪していたジョーだったが、依頼を引き受ける。
次第に同性愛者に対する理解と共感を深めていくジョーは、巧みな弁護で被告側の弁護士ベリンダ・コーニン(メアリー・スティーンバージェン)と渡り合い、勝訴する。しかし、判決の直前、アンドリューは病状が悪化して法廷で昏倒し、病院に運ばれる。ジョーはアンドリューを見舞うが、その晩、彼はパートナーのミゲル(アントニオ・バンデラス)に見守られて息を引き取る。アンドリューの家族や知人たちはアンドリューを偲ぶ会を開き、ジョーは妻のリサ(リサ・サマーラー)と娘のラリースを連れて参加。フィラデルフィアの兄弟愛が称えられるのだった。
世界を代表する名優トム・ハンクスが主演男優賞を初受賞した作品。エイズで衰弱していく男を演じる姿は見ごたえがある。一方で若干残念なのは、エイズが同性愛者特有の病であるという偏見そのままに作品が作られている点。当時は仕方のないことだったのかもしれないが、エイズへの偏見を問題視すると同時に、偏見を助長する要素も併せ持つ作品だ。
【5段階評価】4
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