(2627) 風に立つライオン
【監督】三池崇史
【出演】大沢たかお、石原さとみ、萩原聖人、真木よう子、鈴木亮平、石橋蓮司、エリック・オジャンボー
【制作】2015年、日本
アフリカの医療に命を捧げた日本人男性医師を描いた作品。さだまさしの小説が原作。
ケニアの熱帯医学研究所に、島田航一郎(大沢たかお)と青木克彦(萩原聖人)が研修に来る。赴任期間中、二人はロキチョキオにある医療施設の支援に向かう。そこは内戦で負傷した兵士が送り込まれる場所で、負傷者には少年兵も含まれていた。航一郎はそこで、患者の壊死した手や脚を切断したり、治療した男が再び戦闘員になったりという現実に直面。一ヶ月の派遣期間が終わった後、航一郎は再びロキチョキオに戻る。しばらくして、日本人の看護師、草野和歌子(石原さとみ)も着任。二人は少年たちの治療に邁進する。少年兵のンドゥング(エリック・オジャンボー)も脚を負傷して担ぎ込まれ、はじめは航一郎に反抗的な態度をとるが、次第に心を通わせていく。
航一郎には、医学生時代をともに過ごした恋人、秋島貴子(真木よう子)がいた。航一郎はケニアに渡る際、貴子に一緒に来ないかとプロポーズ。貴子は、脳梗塞を患った父親(山崎一)が営む離島の診療所を放っておくことができず、ケニア行きを断ったのだった。
航一郎はケニアで働き続ける決断をするが、ある日、山賊に襲われ、命を落とす。彼が遺した手紙が、ケニアの研究所長の村上(石橋蓮司)を通じて貴子のもとに届く。そこにはただ「お願いだからしあわせになってください」とだけ書かれていた。貴子は嗚咽を漏らす。
時が経ち、東北大震災の被災地に、青年になったンドゥング(パトリック・オケッチ)が立つ。彼は航一郎の遺志を継いで医師になったのだった。
さだまさしが実在の医師、柴田紘一郎をモデルとした作品。いわゆるお涙ちょうだい映画であり、ご都合主義的な展開はあるものの、感動的な作品だった。航一郎のケニアでの赴任の様子を描いた後、一転して日本にいる貴子や青木の航一郎談話になるのが、ドキュメンタリー風の味付けで面白かった。
【5段階評価】4
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