(2548) ガーンジー島の読書会の秘密
【監督】マイク・ニューウェル
【出演】リリー・ジェームズ、ミキール・ハースマン、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ、グレン・パウエル
【制作】2018年、イギリス、フランス
ガーンジー島の読書会を訪ねた作家が、読書会の謎を追う過程を描いた作品。
第二次世界大戦直後のイギリス。作家のジュリエット・アシュトン(リリー・ジェームズ)は、ドーシー・アダムズ(ミキール・ハースマン)という男から手紙を受け取る。手紙によると、彼は戦前ドイツ軍に占領されていたガーンジー島に住んでおり、チャールズ・ラムの「エリア随筆」を読んで彼の作品が気に入ったのだが、ガーンジー島には本屋がない。ついては、彼の作品「シェイクスピア物語」を手に入れるため、ロンドンの書店の住所を教えてほしいと書かれていた。彼の読んだ「エリア随筆」はもともとジュリエットの所有物で、彼女の名前と住所が書かれていたため、ドーシーはそれを頼りにジュリエットに手紙を送ったのだ。その本は、かつて彼女が泣く泣く古本として売ったものだった。手紙には「読書とポテトピールパイの会」のことが書かれており、それが気になったジュリエットは、サイン会の合間を縫ってガーンジー島に行くことを決意。乗船の直前、恋人のアメリカ軍人マーク・レイノルズ(グレン・パウエル)が彼女に大きな指輪を差し出して求婚。ジュリエットはそれを受け入れ、単身でガーンジー島に渡る。
島で読書会メンバーの郵便局長エベン・ラムジー(トム・コートネイ)に出会ったジュリエットは感激。次いで読書会の会場を訪ねるが、出迎えたアメリア・モーグリー(ペネロープ・ウィルトン)はジュリエットの訪問をあまり歓迎していないようだった。アイソラ・プリビー(キャサリン・パーキンソン)や遅れてやってきたドーシー・アダムズらも加わり、読書会が開かれる。会が盛り上がったところで、ジュリエットが読書会のことをタイムズに書きたいと話すと、雰囲気が一変。アメリアは読書会のことを書くことは許さないと断言し、ジュリエットは引き下がる。
ジュリエットは、読書会に創設者のエリザベス(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)がいないことを不思議に思い、メンバーに理由を尋ねるがお茶を濁されたため、自らガーンジー島に残って調査をするとともに、マークにも調査を依頼する。やがて、ドーシーをパパと呼んでいた少女キット(フローレンス・キーン)はエリザベスとドイツ兵クリスチャン・ヘルマン(ニコロ・パセッティ)との間に産まれた子であり、エリザベスがドイツ軍に捕まってしまったため、エリザベスが帰ってくるまでの間、ドーシーがキットの世話を託されていることを知る。エリザベスは、夜間の外出禁止令を犯して見知らぬ衰弱した少年に治療を受けさせようとしてドイツ軍に逮捕されていたのだった。クリスチャンは乗っていた船が攻撃されてエリザベスの妊娠も知らないまま死亡しており、エリザベスが助けた少年もドイツ軍に銃殺されたのだと言う。アメリア達は、エリザベスが帰ってこない場合、キットの身寄りがドイツ人だけになるため、キットがドイツに奪われてしまうのではないかと心配していたのだった。
ジュリエットが、キットの世話などを通じて親しくなったドーシーと話していたところに、突然、島に渡ってきたマークが現れる。ジュリエットはマークとの思わぬ再会に喜ぶが、マークは、ジュリエットが自分の渡した指輪をせずにドーシーと仲睦まじくしていることを不愉快に思い、指輪をしていないジュリエットを責める。マークの渡航には、もう一つの理由があった。それは、エリザベスの安否報告だった。エリザベスは、逮捕後ドイツに送られ、そこで、看守から暴行されていた少女を救おうとして看守に反撃したため、銃殺されていた。エリザベスを実の娘のように思っていたアメリアは嗚咽し、読書会の全員が悲しむ。エリザベスはマークとともにロンドンに帰るが、エリザベスの心はもはやマークから離れてしまっていた。彼女はマークに婚約指輪を返却。マークはショックを受けながらもそれを受け入れる。
ジュリエットは、読書会の話を文章にしたためる。しかし出版はせずに、手紙を添えて原稿を読書会に送る。それを見たドーシーは居ても立ってもいられずロンドンに渡る。ジュリエットもまた、ドーシーに会うためガーンジー島に渡ろうとしていた。港でドーシーを見つけたジュリエットはドーシーを追いかけ、その場で結婚を申し込む。ドーシーはそれを受け入れ、キットとともに三人で仲良く暮らすのだった。
サスペンス映画なのかなと思って観ていたが、どちらかというと恋愛映画。深い母性愛を持ったエリザベスの悲しい運命を追体験しながら、ジュリエットがドーシーを運命の人と決める過程を描いていた。
【5段階評価】4
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