(2542) 42 ~世界を変えた男~
【監督】ブライアン・ヘルゲランド
【出演】チャドウィック・ボーズマン、ハリソン・フォード、ニコール・ベハーリー、アンドレ・ホランド
【制作】2013年、アメリカ
黒人大リーガーの苦闘と活躍を描いた伝記作品。
人種差別が根強く残る1940年代のアメリカでは、大リーグは白人のみで構成されていた。ブルックリン・ドジャーズのゼネラルマネージャー、ブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、黒人リーグのジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)をチームに加えることを決定。リッキーは、勝ち気なジャッキーに対して、差別的な言動に怒りを示さず紳士的に振る舞う勇気を持つよう言い聞かせる。
マイナーリーグのロイヤルズに入団したジャッキーは、はじめはチームメートの歓迎も十分ではなかったが、たぐいまれな盗塁のうまさで活躍。ついにドジャーズ入りし、背番号42を与えられる。黒人の観客は彼を歓迎するが、白人の中には彼を罵倒する者も珍しくなかった。中でもフィリーズ監督のベン・チャップマン(アラン・テュディック)のヤジは、ニガニガニガニガと繰り返し叫ぶなど強烈で、さすがのジャッキーもベンチ裏でバットを壁に叩き付けて悔しがる。それでもリッキーは、チャップマンには天罰が下るだろう、プレーで見返せと諭され、プレーを続けて勝利に貢献。ジャッキーの活躍もあり、ドジャーズはワールドシリーズへの進出を決める。彼の背番号42は、全ての球団の永久欠番となるのだった。
試合中の差別的なヤジ、不公平な判定、ビーンボール、強制退場、守備時の危険な接触などに加え、ホテルの宿泊拒否やガソリンスタンドでのトイレ利用の拒否など、あらゆる差別を受けながらも、愛する妻レイチェル(ニコール・ベハーリー)の支えを受けて活躍するジャッキーが素晴らしい。ハリソン・フォードの名演もさすが。映画の野球シーンでは、選手の振るまい、特に投げる姿がいかにも素人っぽいことが多いが、本作はそうした違和感がほとんどなかった。
【5段階評価】4
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