(2534) カリートの道
【監督】ブライアン・デ・パルマ
【出演】アル・パチーノ、ショーン・ペン、ペネロープ・アン・ミラー、ジェームズ・レブホーン
【制作】1993年、アメリカ
ニューヨークの裏社会を生きる男の運命を描いた作品。
麻薬密売人のカリート・ブリガンテ(アル・パチーノ)は、懇意にしている弁護士のデイブ・クラインフェルド(ショーン・ペン)の手腕により、30年の刑期を5年で終える。出所したカリートは悪事から足を洗うことを決意。恋人だったゲイル(ペネロープ・アン・ミラー)とよりを戻すと、資金を貯めてバハマでレンタカー店を営むことを夢見る。カリートは、自分の店に来ていた若いギャングのベニー・ブランコ(ジョン・レグイザモ)に絡まれるが、階段を突き飛ばして追い返す。カリートの子分のパチャンガ(ルイス・ガスマン)はベニーを殺して捨てようと提案するが、カリートはベニーを解放する。
一方、デイブは、服役中のイタリアンマフィアのボス、トニー・タグリアルッチ(フランク・ミヌッチ)に脅され、脱獄の手助けを強要されていた。デイブは、カリートに協力を頼み、デイブに恩のあるカリートは頼みを聞くことにする。それを知ったゲイルは激怒する。デイブはトニーの息子フランキー(エイドリアン・パスダー)とカリートを自分のモーターボートに乗せると、刑務所船を脱走してブイに待機しているトニーのもとに向かう。コカイン中毒になっていたデイブは、自分を脅したトニーを工具で殴り殺し、フランキーも殺害して海に放り込む。カリートはデイブと縁を切り、ゲイルに謝罪。デイブはトニー一味の報復により、ナイフで腹を刺されて入院する。カリートはニューヨークを脱出することにし、ゲイルに11:30発の列車の切符を手渡し、グランド・セントラル駅で待ち合わせることにする。カリートは、パチャンガにデイブを駅まで送るよう指示し、自らはデイブの病室に向かう。デイブは枕元に銃を置いて警戒していた。カリートは銃の弾をこっそり抜いてデイブに返し、病室を去る。そこに、トニーの息子ビニー(ジョセフ・シラーボ)が警官に扮して現れる。デイブはビニーに銃を向けるが弾は出ない。デイブはビニーに頭を撃ち抜かれて死亡する。
カリートは店に戻って、ため込んだ資金を手にすると店を脱出。店に来ていたビニーと仲間3人が彼を追いかける。カリートは駅で4人と撃ち合い、ゲイルの待つ列車に駆け込む。間に合ったと思った瞬間、カリートは近くにいた男に銃で撃たれる。男はベニーだった。パチャンガがカリートを裏切り、ベニーを導いたのだった。駅のホームに倒れたカリートは持っていた金をゲイルに手渡し、街を出るよう告げる。カリートはタンカの上でこれまでを回想し、目を閉じるのだった。
逃れようとしても悪の世界に引きずり込まれてしまう男の悲しい運命を克明に描いた作品。成功に手が届いたと思ったら撃たれて死ぬという、ギャング映画の定番。オープニングで主人公が撃たれるシーンから始まるので、「この映画はこう終わりますよ」とある種、開き直っているのが潔いっちゃあ潔い。イタリアンマフィアの復讐への執念は、ステレオタイプではあったが。
【5段階評価】4
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