(2531) 幸せへのまわり道
【監督】マリエル・ヘラー
【出演】マシュー・リス、トム・ハンクス、クリス・クーパー、スーザン・ケレチ・ワトソン
【制作】2019年、アメリカ
実在するテレビ司会者と、雑誌記者との交流を描いた作品。
雑誌「エスクァイア」の記者、ロイド・ボーゲル(マシュー・リス)は、子ども向けテレビ番組の司会者フレッド・ロジャース(トム・ハンクス)の紹介記事を書くことになり、フレッドの番組製作現場に向かう。フレッドは、ロイドを歓迎し、彼のインタビューに答えつつも、顔に怪我をしているロイドに質問を投げかける。ロイドは、姉ロレイン(タミー・ブランチャード)の結婚式に現れた父親のジェリー(クリス・クーパー)を長い間恨んでおり、顔の傷はジェリーに殴りかかったときにできたものだった。ジェリーは、ロイドの母親が病気に伏せっているときに、家族を捨てて家を出ていた。そのまま母親はなくなっており、ロイドはジェリーに強い怒りを持ち続けていた。
ジェリーはロイドに謝罪をしようと、ロイドの家を訪ねるが、ロイドははねつける。しかしロイドの妻アンドレア(スーザン・ケレチ・ワトソン)が、ロイドの不在中にジェリーとジェリーの現在の妻ドロシー(ウェンディ・マッケナ)を家に上げてしまう。不愉快さを隠せないロイドが、母親が死ぬ間際まで叫んでいたとジェリーを強く責めると、ジェリーは頭を抱えて苦しみ、倒れてしまう。ジェリーは病に冒されており、死期が迫っていた。
ロイドはフレッドと話すうちに、怒りは自分で鎮めることができること、ジェリーの存在がいまのロイドを作り上げていることを認めるようになる。ロイドはジェリーの家を訪ね、自宅療養中のジェリーとともに過ごすことにする。フレッドもジェリーの家を訪問し、ボーゲル一家とひとときを過ごす。ジェリーはやがて天に召され、ロイドは幼い息子とともに過ごす時間を増やすことを決意する。フレッドは番組収録を終えると、スタジオのピアノを一人奏でるのだった。
子ども番組用の街のミニチュアセットを効果的に使った場面転換など、映画らしい趣向を凝らした作品。フレッドの謙虚な言葉には説得力があった。最近、誰かを許せないという怒りを抱えている人におすすめの作品。
【5段階評価】4
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