(2504) レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い
【監督】エドワード・ズウィック
【出演】ブラッド・ピット、ジュリア・オーモンド、エイダン・クイン、アンソニー・ホプキンス、ヘンリー・トーマス
【制作】1994年、アメリカ
三人の兄弟と一人の女性の運命を描いた作品。
20世紀初頭。大佐のウィリアム・ラドロー(アンソニー・ホプキンス)は軍による先住民の迫害に耐えられず、軍を離脱。自然に囲まれた環境で暮らすことにする。妻のイザベル(クリスティーナ・ピクルス)は厳冬に耐えられず別居することになり、長男アルフレッド(エイダン・クイン)、次男トリスタン(ブラッド・ピット)、三男サミュエル(ヘンリー・トーマス)は父親のもとで成長する。大学に通っていた三男アルフレッドが、婚約者スザンナ(ジュリア・オーモンド)を連れて故郷に戻ってくる。アルフレッドはスザンナの美しさに心を奪われる。ラドロー家で暮らすうちに、スザンナは野性的な次男トリスタンを意識するようになる。
第一次世界大戦の予兆の中、サミュエルは従軍を志願。父親やスザンナの制止を聞かず、出征を決める。スザンナは不安をトリスタンに明かし、トリスタンは弟を守ると固く誓う。トリスタンに泣きながら抱きつくスザンナに、トリスタンは心を乱されそうになる。二人の様子にアルフレッドが気づき、スザンナはそそくさと立ち去る。
三兄弟は戦地に向かい、アルフレッドは足を負傷。トリスタンはサミュエルを必死に庇い続けるが、トリスタンがアルフレッドのもとにいる隙にサミュエルは単身で戦地の偵察に向かい、敵に撃ち殺されてしまう。トリスタンはサミュエルを救えなかったことを強く悔いる。一足先に故郷に戻ったアルフレッドは、一人になったスザンナに愛を告白。しかしスザンナはとまどうばかりだった。やがてトリスタンも帰還。サミュエルを守れなかったことを悲しむトリスタンをスザンナは慰め、二人は一夜をともにする。アルフレッドはトリスタンを妬み、二人の関係は悪化する。アルフレッドは家を出て実業家の道を進み、オバニオン兄弟と組んで事業を成功させる。トリスタンはスザンナとともに過ごすようになるが、サミュエルへの贖罪の心からか、トリスタンはスザンナと結婚せず、冒険の旅に出てしまう。しばらくしてトリスタンは戻るが、父親のウィリアムは話もできないほど老いており、スザンナはアルフレッドと結婚していた。トリスタンはそれを受け入れ、子どもの頃からトリスタンに恋をしていたイザベル2(カリーナ・ロンバード)と血痕。二人の子供を儲ける。ところが、酒の密売に関わっていたトリスタンが、オバニオン兄弟の組織に銃で脅された際、流れ弾でイザベル2が死亡。トリスタンは銃を撃った警官を半殺しにし、禁固刑に処される。収監されたトリスタンのもとにスザンナが現れ、彼女はトリスタンを愛していたこと、サミュエルとイザベル2の死を望んでしまったことを告白する。トリスタンはスザンナを赦すが、スザンナは自ら命を絶ってしまう。刑期を終えたトリスタンは、イザベル2の父親デッカー(ポール・デズモンド)とともに復讐を計画。トリスタンはオバニオン兄弟の弟を殺害する。オバニオン兄弟の兄は、仲間2人を連れてラドロー家に復讐に現れるが、老いたウィリアムが銃で二人を撃つ。残る一人がウィリアムに銃を向け、トリスタンは体を張ってウィリアムを庇おうとするが、銃を向けた男は銃弾に倒れる。撃ったのはアルフレッドだった。ウィリアム、アルフレッド、トリスタンは家族の絆を取り戻す。追われる身となる役割を一人で担うことにしたトリスタンは、息子の面倒を兄に託し、立ち去る。トリスタンは自然の中で暮らし続け、最期は熊との戦いによって命を落とすのだった。
三人兄弟の中に一人の女性が入ることで、全員の運命が大きく動いていく。複雑にも思えるが、話はわかりやすい。脚本の巧みさと俳優陣の演技力のたまものだろう。
【5段階評価】4
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