(2419) オルカ
【監督】マイケル・アンダーソン
【出演】リチャード・ハリス、シャーロット・ランプリング、ウィル・サンプソン、ピーター・ホーテン
【制作】1977年、アメリカ、イタリア
シャチと人間の死闘を描いた動物パニック作品。
漁師のノーラン(リチャード・ハリス)は、水族館に売るためのシャチを生け捕りにしようと、海に出る。シャチの群れを発見したノーランは、オスめがけて銛を放つが、銛はオスシャチの背びれをかすめ、メスのシャチに当たってしまう。ノーランはそのままシャチを船に釣り上げる。すると血まみれになったメスの体から胎児が飛び出す。それはまるで人のようだった。ノーランは気味悪がり、ホースの水で子どもを海に落とす。オスシャチは船底に体当たりを続け、恐れをなしたノーランは、乗員のノバック(キーナン・ウィン)に命じて、釣り上げたメスシャチを海に落とさせるが、オスシャチは船からせり出したポールにしがみついているノバックに襲いかかり、ノバックは海に引きずり込まれて命を落とす。
ノーランらは港に戻るが、オスシャチはノーランの船をつけ、海岸にメスシャチの遺体を運び込む。動物学者のレイチェル(シャーロット・ランプリング)は、シャチの習性や知能の高さをノーランに説き、ノーランはシャチを捕らえることを断念する。しかし、オスシャチは港の船を破壊したり、小屋に体当たりして火事を起こすなどして、漁村に損害を与える。
ノーランの仲間で、オスシャチに船を襲われた際に足を骨折したアニー(ボー・デレク)が、海辺の小屋でワインを飲もうとすると、小屋にオスシャチが体当たり。小屋は傾き、うまく動けないアニーは、駆けつけたノーランやポールの救助もむなしく、片足を食いちぎられてしまう。ノーランは仲間とともに漁村から逃げだそうとするが、漁村の人々は、ノーラン達がオスシャチを放置したまま村を去ることを許さなかった。ノーランは船を海に出すことを決意する。
ノーランの船には、レイチェル、ポール(ピーター・ホーテン)、ケン(ロバート・キャラダイン)、ウミラク(ウィル・サンプソン)が乗り込む。船が沖に出ると、ほどなくオスシャチが現れる。オスシャチは船を北に誘い、ノーランはそれに従う。不用意に船の側面に立っていたケンがオスシャチに襲われ、命を落とす。次第に流氷が現れ始め、ポールは救助艇で逃げようとするが、オスシャチが救助艇に体当たりし、ポールも殺される。オスシャチはさらに氷山を船にぶつけ、船に大量の氷塊が落下。ウミラクが下敷きになって死亡する。ノーランとレイチェルは沈みゆく船から脱出して氷山の上に這い上がるが、ノーランはオスシャチに襲われ、海に投げ出されてしまう。オスシャチは尾びれでノーランを跳ね飛ばし、氷山に激突したノーランは、そのままずるずると海に沈んでいく。救助のヘリコプターが到着する中、レイチェルはなすすべなく、ノーランの沈んでいった海面を見つめるのだった。
「ジョーズ」の大ヒットに続く動物パニック作品。陸地で暮らす人間がいかに海で動物と戦うことになるか、という点において、「ジョーズ」は主人公達がハンターという設定だが、本作では漁村の人々が主人公らを海に追い込むというのが秀逸。シャチの知能の高さや、なんで氷山の浮かぶ北洋でシャチと戦うの、というのがご都合主義ではあるが、ノーランが仲間を殺され、村人に冷たい目で見られ、精神的に追い込まれていく様子がうまく描かれていた。
【5段階評価】4
漁村の人々がノーランを追い込んでいくという設定は、巧みだった。
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