(2341) アリー/スター誕生
【監督】ブラッドリー・クーパー
【出演】レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー、サム・エリオット、ラフィ・ガブロン
【制作】2018年、アメリカ
大物歌手に見いだされた女性歌手の運命を描いた作品。「スタア誕生」のリメイク。
ロック歌手のジャック・メイン(ブラッドリー・クーパー)は、酒とドラッグに溺れる癖があり、偶然寄ったバーで歌うアリー(レディー・ガガ)の才能に惹かれ、強引に彼女を自分のステージに立たせる。アリーは大観衆に受け入れられ、二人はともにステージで歌を続ける。プロデューサーのレズ・ガブロン(ラフィ・ガブロン)はアリーをソロ歌手として抜擢。結婚を果たしたジャックとアリーだったが、ジャックは、アリーの方向性を認められず、酒に溺れていく。アリーはグラミー賞の新人賞を受賞するが、ジャックは泥酔したままステージに上がり、受賞スピーチをするアリーの横で失禁するという大失態を犯す。
ジャックはアルコール中毒者用の矯正プログラムに参加し、アリーとの生活を取り戻そうとする。ジャックを愛するアリーは、レズに次の欧州ツアーでジャックとのステージ共演を提案するが、レズは断固として拒否。アリーは拒否するなら欧州ツアーをキャンセルしてくれと言い返す。レズはジャックのもとを訪れると、ジャックの失態の尻拭いに苦労させられたとジャックを責め、今度酒浸りになったらアリーと別れろ、と警告する。そうとは知らないアリーは、欧州ツアーはなくなり、アルバム作りに専念することになった、とジャックに嘘をつき、今日のライブで一緒に歌ってほしいとジャックに告げる。ジャックはそれに賛成するが、アリーが家を出た後、自らの命を絶つ。
アリーはジャックに嘘をついたことで自分を責めるが、ジャックの兄ボビー(サム・エリオット)はアリーは悪くないと慰める。アリーは追悼コンサートで、ジャックが自分のために作ってくれた愛の歌を歌い、涙を流すのだった。
中盤までの幸せな二人の関係が徐々に崩れていき、悲劇的な結末を予感せざるを得ない中、観る者としては「リメイクとは言えハッピーエンドになってほしい」と願うわけだが、その思いもむなしく、ジャックは命を落としてしまう。そんな悲劇ではあったが、歌の力を感じられる素晴らしい作品だった。序盤、アリーがジャックにステージで歌うよう促され、躊躇しながらもステージに立ち自分の気持ちを歌声に乗せるシーンは感動的だったし、アリーがテレビショーでセクシーな衣装を来て踊る様子を見て、ジャックが失望して酒に手を出すシーンでは、派手なステージなのになぜか歌の魂が響いてこない。この辺りの見せ方は、自身が歌手でもあるブラッドリー・クーパー監督の手腕だろう。
【5段階評価】4
| 固定リンク
コメント