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2021年6月 7日 (月)

(2333) ウエストワールド

【監督】マイケル・クライトン
【出演】リチャード・ベンジャミン、ジェームズ・ブローリン、ユル・ブリンナー
【制作】1973年、アメリカ

巨大テーマパークで起きたロボットの暴走を描いたパニック映画。「ジュラシック・パーク」の原点とも言える作品。

部隊は巨大テーマパーク「デロス」。「古代ローマ」、「中世」、「西部開拓時代」の3つの世界には、人間と見分けが付かないほど精巧なロボットが配備されていて、訪問客の夢を叶える。
弁護士のマーティン(リチャード・ベンジャミン)は、経験者のジョン・ブレイン(ジェームズ・ブローリン)に連れられ、デロスにやってくる。始めは嘘くさい、と入り込めないマーティンだったが、酒場に現れマーティンを挑発する黒ずくめのガンマン(ユル・ブリンナー)との撃ち合いに勝利し、美女とベッドをともにして、すっかりデロスを気に入る。
一方、デロス運営に携わる技術者陣は、ロボットに、まるで感染症のように故障が相次いでいることに気づく。技術者たちは原因を突き止めることができない。コンピュータが設計した部分もあり、設計者も完全にはロボットの回路を理解できていないのだ。ロボットは決して人間を傷つけないようになっているはずだったが、ガラガラヘビのロボットがブレインの腕を噛み、酒場の大乱闘ではロボットが人間に殴りかかったり、ついには中世の時代の騎士が、客との一騎打ちの場面で、コントロール室の指示を無視して客を殺してしまう。
酒場の乱闘から一夜明け、マーティンとブレインが西部の町を歩いていると、マーティンに倒されたガンマンが現れる。ブレインはガンマンとの撃ち合いに挑むが、ガンマンに撃ち殺されてしまう。マーティンは慌てて逃げるが、ガンマンは彼を執拗に追いかける。西部の町を抜け、古代ローマのエリアに逃げ込んだマーティンは、コントロール室への出入り口を見つけ、中に入る。追ってきたガンマンの顔に強酸を浴びせ、最後はたいまつの火を放ってガンマンを倒す。床にへたり込むマーティンの脳裏に、デロスの宣伝文句がこだまするのだった。

1973年という時代に、自立型ロボットやAIが出現する未来を、ここまで想像していることに驚く。一部をコンピュータが設計しているためにロボットの思考回路を技術者が把握できていないというあたりは、深層学習で起きていることそのままだし、ロボットが自然言語を話し、不気味の谷を越えて人間との見分けがつかない点は、当時の未来予想としては楽観的だが、現実味を帯びてきた。ロボットに感染症のような症状が広がるというのも、ネットによる制御、自律的改善学習、人間の理解の及ばない判断処理など、成立する条件は揃っているように思える。ユル・ブリンナーの顔が外れて回路がむき出しになるという映像の魅力や、単純なハラハラドキドキ感だけでなく、「フューチャーテリング」作品としても素晴らしかった。

【5段階評価】4

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