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2021年2月 1日 (月)

(2315) 白い恐怖

【監督】アルフレッド・ヒッチコック
【出演】イングリッド・バーグマン、グレゴリー・ペック、マイケル・チェーホフ、レオ・G・キャロル
【制作】1945年、アメリカ

記憶を失った男と、彼の秘密に迫ろうとする女性精神科医を描いたサスペンス映画。

精神科医のコンスタンス・ピーターソン(イングリッド・バーグマン)の勤める病院に、新しい院長が着任。エドワーズ(グレゴリー・ペック)と名乗る男は周囲の想像より若く、コンスタンスはエドワーズと恋に落ちる。しかし彼はなぜか白地に線の入ったテーブルクロスや服に怯え、やがてエドワーズになりすました偽物だと判明する。男は自分がエドワーズを殺害して本人になりすましているのだと考え、コンスタンスに迷惑をかけまいと病院から失踪するが、コンスタンスは彼の記憶を呼び戻すため、恩師の精神科医ブルロフ博士(マイケル・チェーホフ)の家に彼を連れて行く。ブルロフとコンスタンスは男の記憶にある情景を聞き出し、彼が怯えているのはスキー場のシュプールであること、彼がスキー場でエドワーズと一緒だったことを突き止める。コンスタンスは男をスキー場に連れて行く。二人でスキーを滑りながら崖から落下しそうになった男は、自分が子どもの頃、階段の手すりを滑った拍子に手すりに座っていた弟を突き飛ばして事故死させていたこと、自分の名がジョン・バランタインであることを思い出す。ジョンは、弟の事故死とエドワーズ失踪の記憶が入り交じり、自分がエドワーズを殺したと思い込んだのだ。コンスタンスはそう診断して安堵するが、二人の元に警察が現れ、エドワーズの死体が発見されたこと、エドワーズは背中から銃で撃たれていたことを告げ、ジョンは逮捕されてしまう。
院長のマーチソン(レオ・G・キャロル)は病院に戻ってきたコンスタンスを慰めるが、コンスタンスは、はじめエドワーズに会ったことがないと言っていたマーチソンが、面識があったと口を滑らせたことに気づく。エドワーズは院長室に行ってジョンの夢診断によれば、マーチソンがエドワーズを撃ち殺したという真相にたどり着くことを説明する。マーチソンは開き直って銃をコンスタンスに向けるが、コンスタンスは、自分を撃てば死刑は逃れられないだろうと言い捨て、堂々と院長室から立ち去る。観念したマーチソンはコンスタンスに向けた銃を自分に向け、引き金を引く。ジョンの疑いは晴れ、コンスタンスとジョンはブルロフに見送られ、めでたく新婚旅行に旅立つのだった。

なぜ男はストライプの白地に怯えるのか。観客の興味を引きつけながら展開するサスペンスはさすが。恐怖に怯えるジョンの顔とか、バスルームの白色に圧倒されて我を忘れ、カミソリを片手にベッドで眠るコンスタンスに歩み寄るジョンの顔への光の当たり具合とか、ドキドキ感を盛り立てる演出が素晴らしい。
白黒映画だが、コンスタンスに向けた銃がぐるっと回転してこちら向きに銃を放つ瞬間、画面が真っ赤に染まる。ほんの一瞬なのでデコードの影響かと思ったが、そうではなさそうだ。若いグレゴリー・ペックの顔は、最近見たからというだけかもしれないが、ディーン・フジオカに面影が似ていると感じた。

【5段階評価】4

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