(2287) ワンダーウーマン
【監督】パティ・ジェンキンス
【出演】ガル・ガドット、クリス・パイン、デビッド・シューリス、ロビン・ライト、エレナ・アナヤ
【制作】2017年、アメリカ
アメコミ・ヒーロー、ワンダーウーマンの活躍を描いたSFアクション作品。
女ばかりのアマゾン族が住むセミッシラ島の王女ダイアナ(ガル・ガドット)は、母親ヒッポリタ女王(コニー・ニールセン)の妹アンティオペ(ロビン・ライト)から武術の指導を受け、美貌と強さを兼ね添えた女性に成長。ある日、ドイツに潜入しているアメリカのスパイ、スティーブ・トレバー(クリス・パイン)がセミッシラ島に現れ、彼を追ってきたドイツ軍との戦いでアンティオペが命を落とす。スティーブはドイツ軍が開発している毒ガス兵器の情報をイギリスに持ち帰る密命を帯びていた。ダイアナは、ドイツの策略は、幼い頃から聞かされていた戦争を引き起こす邪神アレスのしわざと考え、反対する母親を説得して、戦争を終わらせるためスティーブとともにイギリスに渡る。
スティーブは、ドクター・ポイズンことイザベル・マル博士(エレナ・アナヤ)から盗んだ毒ガス兵器のノートをもとに、ドイツを早めに叩くよう英軍上層部を説得するが、理解が得られない。しかしパトリック・モーガン卿(デビッド・シューリス)が協力を申し出て、スティーブとダイアナは、仲間とともにドイツ軍との戦いに挑む。
毒ガス兵器開発を進めている好戦的な性格のルーデンドルフ総監(ダニー・ヒューストン)が、アレスの乗り移った姿だと確信したダイアナは、激闘の末、彼を倒すが、毒ガス兵器の開発はやまず、兵器は飛行機に積載されてしまう。そこに現れたのはモーガン卿だった。彼こそがアレスだった。モーガン卿との死闘のさなか、スティーブは毒ガス兵器を積んだ飛行機に乗り込み、空中で爆破。それを見たダイアナは潜在能力が覚醒。モーガン卿を倒す。それにより、ドイツ兵は憑き物が落ちたように戦いの終結を喜ぶ。
時が移り現代。第一次世界大戦当時のダイアナの活躍を収めた写真を眺めるのは、劣らぬ美貌をたたえたダイアナだった。
ベッタベタなヒーロー名だし、主人公は女性だし、マーベルコミックヒーローの作品の中では最もつまらないだろうという先入観で見始めたのだが、どっこい一番よかったかも、というほどの作品だった。序盤の絵画風の映像で神話の時代の物語を女王が語るシーンはオリジナリティが高く、見応えがあった。こういうところをしっかり作り込むのには惚れ惚れする。ドイツ兵とワンダーウーマンやアマゾン族との戦いも、スローモーションも織り交ぜながらアマゾン族の高い身体能力と戦闘技術を巧みに表現。CGを駆使してやたら凝った表現をした結果、映像がごちゃごちゃしすぎて何が起きているかほとんど分からない作品もある中、見せたいものを分かりやすく見せることに徹しながら、迫力もオリジナリティもあるという映像表現は、簡単なようでなかなかできない。また、アマゾン族の戦士たちも、よく集めたなと思うぐらい、力強さと美しさを兼ね備えた大勢の女性が演じている。ワンダーウーマンのコスチュームも、胸元やふとももは露わだがいやらしさはなく、かわいさやセクシーさではなく女性の「かっこよさ」を描いた作品だった。
【5段階評価】4
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