(2272) そらのレストラン
【監督】深川栄洋
【出演】大泉洋、本上まなみ、高橋努、マキタスポーツ、岡田将生、風吹ジュン、小日向文世、庄野凛
【制作】2019年、日本
北海道の酪農家が仲間とレストランを開く過程を描いたヒューマンドラマ。
亡くなった父を継いで北海道の酪農家となった設楽亘理(大泉洋)は、師匠の大谷(小日向文世)の指導でチーズ作りに勤しんでいる。妻のこと絵(本上まなみ)は、ある冬の夜、亘理の牧場を扱った記事を握りしめて突然、亘理の前に現れ、そのまま結婚した女性で、二人の間には潮莉(庄野凛)という幼い娘がいた。
亘理は、妻と別れた野菜農家の冨永芳樹(高橋努)や、添加物に反応する自分のアトピーを克服するため自ら無農薬作物を作っている石村甲介(マキタスポーツ)、脱サラして羊の酪農を営む若い神戸陽太郎(岡田将生)、イカ釣り漁師の野添隆史(石崎ひゅーい)らと仲よく暮らし、彼らの作物に感激した有名シェフ朝田一行(眞島秀和)も仲間に加わり、彼らの作った素材を生かした料理をふるまうレストランを開くことを計画。ところが大谷が持病の悪化で亡くなってしまい、看護師の妻(安藤玉恵)を持つ甲介が大谷の病状を隠していたことから芳樹との関係が悪化。大谷のチーズ作りを体得できなかった亘理はチーズ作りをやめると言い出す。芳樹は亘理の逃げ腰の態度に激怒するが、全てを決める前に大谷のチーズ工房を見てみろと亘理に告げる。そこには、注文生産のみをしていた大谷が唯一残していた古いチーズがあった。そのチーズには、10年前、父を継いだ亘理が初めて大谷に牛乳を納入した日付が書かれていた。それは大谷が亘理に託したチーズだったのだ。亘理はそのチーズを口にし、そのおいしさに涙する。亘理はあらためて、大谷のチーズではなく自分のチーズを追い求めることを心に誓う。こうして彼らのレストランはオープン。大谷の妻、佐弥子(風吹ジュン)をはじめ、招待客達はその味に感動する。亘理とこと絵は満足そうに微笑むのだった。
ほのぼのとした作品。中盤は人の死やら友人同士の喧嘩やらで少々どろどろするが、陽太郎が道化役になったり、こと絵が慰め役になったりして、全体的には涙を誘う静かな感動作に仕上がっている。UFOを呼ぶくだりが必要だったのかは、今ひとつ判然とはしなかったのと、レストランで料理をふるまうときに、農家一人一人が口上を述べるシーンはちょっとベタすぎて、もう少ししゃれた演出があってもよかったかなと感じた。マキタスポーツが意外とはまり役だった。
【5段階評価】4
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