(2261) 家へ帰ろう
【監督】パブロ・ソラルス
【出演】ミゲル・アンヘル・ソラ、マルティン・ピロヤンスキー、アンヘラ・モリーナ、オルガ・ボウォンジ
【制作】2017年、スペイン、アルゼンチン
ナチス・ドイツのユダヤ人迫害を経験した老人が、友人と再会するための旅に出るロード・ムービー。
アルゼンチンに住む老人、ブルスティン・アブラハム(ミゲル・アンヘル・ソラ)は、老人ホームに住み替えることになり、家を売却。彼は切断を迫られるほど病んでいる右脚を引きずりながら、旧友に会うため、ヨーロッパを目指す。彼はポーランド出身で、第二次世界大戦中、ユダヤ人大虐殺を逃れ、友人に助けられていた。消息も分からない彼に会うため、アブラハムは飛行機に乗り、スペインに降り立ち、列車の旅でポーランドに向かう。列車の中でドイツ兵に罵倒される悪夢を見て倒れるが、ワルシャワの病院に運ばれる。彼は担当の看護師のゴーシャ(オルガ・ボウォンジ)に連れられ、旧友のいた建物にたどり着く。ノックをしても応答はなかったが、窓越しにミシンを扱う老人と目が合う。彼こそが、アブラハムを助けた友人だった。友人はアブラハムを抱き寄せ、「家へ帰ろう」と告げて建物に彼を招き入れる。ゴーシャはアブラハムの車椅子を建物の脇に置くと、静かに立ち去るのだった。
日本で放映されるのは珍しいスペイン映画。静かなロード・ムービーだが、最後の抱擁のシーンは目頭が思わず熱くなる。途中で出会う人々とのやりとりが、特別なことはないのに印象的で、静かな感動が広がる。本作はSTAR CHANNEL1の無料放送。正直、聞いたことのない作品だったが、STAR CHANNEL1の無料放送はけっこう外れが少ないのでお勧めだ。
【5段階評価】4
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