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2020年12月 3日 (木)

(2255) チャッピー

【監督】ニール・ブロムカンプ
【出演】デブ・パテール、シャールト・コプリー(声)、ヒュー・ジャックマン、シガニー・ウィーバー
【制作】2015年、アメリカ

AIを搭載したロボット警官の運命を描いた近未来SF作品。

兵器製造会社のテトラバール社は、AIを搭載した警官をヨハネスブルグに配備。犯罪の抑止にめざましい成果を上げる。開発者の一人、ディオン(デブ・パテール)は感情を持つAIを開発し、スクラップになる予定のロボットNo.22で試験をしようとするが、CEOのミシェル・ブラッドリー(シガニー・ウィーバー)に却下され、自らNo.22を盗み出す。
ギャング団のニンジャ(ワトキン・チューダー・ジョーンズ)、ヨーランディ(ヨ=ランディ・ビッサー)、アメリカ(ホセ・パブロ・カンティージョ)の3人はディオンを誘拐し、自分たちの仲間になるロボットを用意させようとする。ディオンは彼らの前で、No.22に開発したAIをインストール。No.22は赤ちゃんのような状態で動き出し、ディオンやヨーランディの言うことを聞くようになる。ヨーランディはNo.22にチャッピーと名付け、自分をママと呼ばせる。ニンジャはチャッピーをギャングに仕立て上げるため、優しい心を持つチャッピーに、刃物は人を眠らせる道具だと嘘をつき、現金輸送車からの現金強奪を手伝わせる。チャッピーが金を奪う様子はテレビで報道されてしまう。
テトラバール社で巨大警官ロボ、ムースを開発していたのビンセント・ムーア(ヒュー・ジャックマン)は、警官ロボにウィルスを送り込んで機能停止させ、ムースを使ってチャッピーとディオンを消し去り、会社の信用回復を図ることをミシェルに認めさせる。ミシェルは脳波による遠隔操作でムースを動かし、チャッピーらのいるアジトを襲う。銃撃戦の大混乱の中、ディオンはギャングに背中から撃たれて重傷を負い、ヨーランディはムースの銃弾を浴びて命を落とす。チャッピーは爆薬を使ってムースを破壊し、テトラバール社の工場に向かう。チャッピーは便せんとを叩きのめすと、工場内の装置を使ってディオンの意識を試験用警官ロボに転送。ロボットとして蘇ったディオンは、バッテリーが切れかかっているチャッピーの意識を別のロボットに送り込み、チャッピーを復活させる。ヨーランディを失ったニンジャは、思い出の品の中に、チャッピーが取り出したヨーランディの意識の入ったメモリがあるのを発見する。ニンジャのもとに戻ったチャッピーは、テトラバール社の工場にハッキングし、ヨーランディの意識の器となる機体を製作するのだった。

人間型ロボットと二足歩行型巨大ロボットとの対決は「ロボコップ」と同じだが、クレイアニメのようだった「ロボコップ」版の二足歩行ロボに比べ、本作の映像ははるかにリアル。赤ちゃんのようなチャッピーが人間に従っていく様子も観ていて面白い。人間の意識をロボットに転送し、ロボットして生き続けるという結末は、それはそれで一つのテーマではあるが、それを描くためにディオンやヨーランディが命を落としたり、チャッピーが脳波検出用のヘルメットをかぶって意識を取り出せたりするのは、ややご都合主義だった。また、AIロボの活躍もやや限定的で、結末も「これでハッピーエンドなのかな」というような消化不良の感もあった。主役のデブ・パテールは、「スラムドッグ$ミリオネア」で主人公を演じた俳優。

【5段階評価】4

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