(2260) The焼き肉ムービー プルコギ
【監督】グ・スーヨン
【出演】松田龍平、山田優、ARATA、田村高廣、桃井かおり、田口トモロヲ
【制作】2007年、日本
焼き肉チェーン店のカリスマとホルモン焼きの店員のバトルと兄弟愛を描いたコメディ。
幼い頃、兄と離ればなれとなり、今は北九州のホルモン焼きの「プルコギ食堂」で働くタツジ(松田龍平)は、育ての親、韓老人(田村高廣)からコプチャンを料理する手ほどきを受ける日々。母親譲りのケンニプのキムチが自慢の一品。看板娘のヨリ(山田優)とともにプルコギ食堂を営み、店は地元客で賑わっていた。焼き肉チェーン「トラ王」の若きカリスマ、トラオ(ARATA)はテレビの焼き肉料理対決番組で連戦連勝。チェーン店も大人気だったが、プルコギ食堂のある北九州だけは、全く売り上げが振るわない。トラオはプルコギ食堂に出向き、出されたケンニプのキムチを食べ、何かに気づく。トラオは韓老人にテレビ出演を打診するが、韓は興味を示さない。後日、トラ王会長(桃井かおり)の腹心(田口トモロヲ)がプルコギ食堂に乗り込むが、韓老人はコプチャンを焼き上げた途端、息絶えてしまう。タツジはトラオに対決を挑むことにする。
3品勝負の対決で、はじめはトラオが優勢。2品目で両者が出したケンニプのキムチの味が同じだったことから、タツジはトラオが自分の兄であることを確信。3品目でタツジは、韓老人秘伝のコプチャン焼きを披露。審査員はその味を絶賛する。一方のトラオは途中で勝負に興味を失ったかのようになり、勝負はタツジの勝利となる。タツジはトラオを探すが、その姿はどこにもなかった。
タツジはヨリと結婚。店を営むヨリを置いて、タツジは屋台の焼き肉屋に出向く。屋台を出しているのはトラオだった。タツジはコプチャンを頼むが、トラオはうちには高級な赤肉しかないと素気ない返事。タツジが店を手伝ってやろうかと言うと、トラオは腹を抱えて笑い出し、タツジもつられて笑うのだった。
トラオとタツジが兄弟と思いきや実は違う、というどんでん返しもあるかと思ったが、素直に兄弟でした、という分かりやすい展開。ラストも、韓老人の「仲よくなりたければ一緒に飯を食え」という言葉の通り、二人で飯を食って涙するというような感動シーンが来るかと思ったら、再会した二人が馬鹿笑いをするというシーン。分かりやすいストーリーだが、松田龍平とARATAの男らしさをうまく生かした粋な味付けをしているのがよかった。この二人に涙の再会は似合わないだろう。
作中のコプチャンがうまそうで、思わず家の近くのホルモン焼きの店を探してしまったほど。トラオの出す創作焼き肉料理も、決してばかばかしくはない本格的な内容。タイトルはベタだが、きちんと作られたいい作品だった。
【5段階評価】4
| 固定リンク
コメント