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2020年11月10日 (火)

(2232) ザ・バンク 堕ちた巨像

【監督】トム・ティクバ
【出演】クライブ・オーウェン、ウルリク・トムセン、ナオミ・ワッツ、アーミン・ミューラー=スタール
【制作】2009年、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス

軍需産業に手を染める銀行の不法行為を暴こうとするインターポール職員の奮闘を描いたサスペンス。

インターポールの捜査官ルイ・サリンジャー(クライブ・オーウェン)は、ミサイル取り引きに関わる巨大銀行IBBCの不正を暴こうとしていた。仲間のトーマス・シューマー(イアン・バーフィールド)はIBBCの密告者アンドレ・クレマン(ジョルジュ・ビゴー)に接触するが、怪しい男に背後から毒を首に仕込まれ、死亡。クレマンも交通事故死してしまう。サリンジャーは同僚のエレノア・ホイットマン(ナオミ・ワッツ)とともに、IBBC不正の証人候補のカルビーニ(ルカ・バルバレスキー)に話を聞こうとするが、彼も演説中に狙撃され死亡。警察の中にも隠蔽工作に加担する者がおり、犯人はねつ造されるが、サリンジャーとエレノアは現場に残された足跡から、真犯人が義足であることを割り出し、空港の監視映像から男(ブライアン・F・オバーン)がニューヨークに渡ったことを突き止める。二人はニューヨークに飛び、オーネラス刑事(フェリックス・ソリス)、ウォード刑事(ジャック・マクギー)らと合流。義足を扱っていた医師の資料を手がかりに居場所を探し当て、街を歩いている男を発見。男はグッゲンハイム美術館に向かい、IBBCの重役ウィリアム・ウェクスラー(アーミン・ミューラー=スタール)と密談する。オーネラスが立ち去るウェクスラーを追い、サリンジャーとウォードは男に接近するが、武装集団が彼らを銃撃。ウォードは首に銃弾を受けて死亡。サリンジャーは男と協力して美術館を抜け出すが、男は銃弾を腹に受けており、そのまま息を引き取る。
病院に運ばれたサリンジャーは、エレノアとともに病院を脱出し、ウェクスラーを確保していたオーネラスと合流。IBBCの頭取ジョナス・スカルセン(ウルリク・トムセン)に従っていたウェクスラーを翻意させ、捜査に協力させる。取り引きのため、ウェクスラーを伴ってイスタンブールに渡ったスカルセンだったが、スカルセンの商談中、ウェクスラーは何者かに殺されてしまう。それに気づいたスカルセンは慌ててその場を逃げ出すが、サリンジャーがそれを追う。追い詰められ、サリンジャーに銃を突きつけられたスカルセンは、サリンジャーがインターポール捜査官だと知り、自分を逮捕できないだろうと開き直る。しかし、サリンジャーの背後から銃声が鳴り、スカルセンは倒れる。殺されたカルビーニの息子が放った暗殺者がスカルセンにとどめを刺し、立ち尽くすサリンジャーに礼を言って立ち去る。IBBCの頭取にはイームズ(ジェイ・ビラーズ)が就き、業績は回復。銀行が社会を支配する本質は何も変わらないのだった。

銀行の闇の支配力をテーマにしたバイオレンスアクション。巨大な悪に立ち向かう正義の人という構図だが、不都合な人物が次々と謎の死を遂げ、有名美術館に武装集団がわらわらやってきて滅多撃ち。さすがに現実世界を超越しすぎで、社会派作品というよりは娯楽作品の部類。ラストシーンも、頭取スカルセンがトルコの街でひとりぼっちになって撃ち殺されるという、この手の映画でよくある、手の届かなかったラスボスが終盤で無防備になるパターン。とはいえ、世界各地を舞台に分かりやすい展開は純粋に面白く、見応えのある作品だった。宇梶剛士のような渋い顔のクライブ・オーウェンもよかった。

【5段階評価】4

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