« (2204) ラストスタンド | トップページ | (2206) パッセンジャー »

2020年10月14日 (水)

(2205) 劇場版SOARA LET IT BE -君が君らしくあるように-

【監督】伊藤秀隆
【出演】堀田竜成、石渡真修、吉田知央、沢城千春、上田慎一郎
【制作】2019年、日本

3年生を送る会でバンド演奏を披露する男子高校生の様子を描いた青春映画。アニメと現実のはざまにあるという架空の2.5次元芸能事務所「ツキノ芸能プロダクション」のALIVEシリーズが原作。

高校二年生の大原空(堀田竜成)は、中学の時に授業で作った楽曲がネットで高評価されたものの、その後の作品をネットで酷評され、音楽作りを封印してきた。彼は卒業する3年生を送る会の幹事を任され、バンドをやることを決意。幼なじみの神楽坂宗司(吉田知央)、クラスメートの在原守人(石渡真修)、高校1年生の七瀬望(沢城千春)と宗像廉(上田慎一郎)とバンドを結成。ライブは大成功を収める。5人はバンド活動を続けることを決意。バンド名をSOARAと決め、オーディションに臨むのだった。

アニメの世界観をそのまま実写の世界に持ってきた作風。セリフもアニメの声優のようなノリが随所にあり、BL的な世界観。こういった作品では男子高校生をちゃかすような元気な女子高生キャラが登場したりするが、本作にそうしたヒロインは一切登場しない。終始、仲良し男子高校生たちの姿が綴られている。明らかに女子をターゲットにした作品だが、男子同士がやたらいちゃついたり、女言葉をしゃべったり妙にかわいこぶったりするような非現実的なキャラはおらず、男性が観ていてもあまり不快感はない。
また、この手の作品では、メンバーの一人が怪我をしたり親の強烈な反対に遭ったり強烈にモチベーションを下げたり仲間同士で喧嘩したりしてバンド解散の危機が訪れつつそれを乗り越える、みたいな展開がよくあるが、本作がよかったのは、そうした間延びした暗いシーンがなく、終始前向き。演奏を開始する直前だけ、一瞬、主役の空がネット炎上した過去を思い出して固まるシーンがあるものの、主役の5人は常に仲良し、常に信頼し合っていて、観ていて心地いい。ライブのシーンは素直に感動的だった。
本作はBS日テレとTOKYO MX1で放映されたのだが、面白いのは深夜テレビドラマのように5回の30分番組に分けて放送されたこと。映画を観る自分としては「これは映画なのか、映画と連動したテレビドラマなのか」とずいぶん調べてから視聴した。販売ソフトのように副音声でオーディオコメンタリーが付いていたり、撮影風景も織り込んだりして、映画を観たファンももう一度楽しめる内容になっていて、こうしたファンサービスは大歓迎だ。唯一、その5回が一週間おきだったため、全て観るのにほぼ1ヶ月かかるのは、ちょっと間延びした。やっぱり映画なので、一気に観たかった。まあそこはテレビの宿命だろう。もっとも、自分は録画溜めしてビンジウォッチしたので関係ないんですけど。

【5段階評価】4

|

« (2204) ラストスタンド | トップページ | (2206) パッセンジャー »

映画・テレビ」カテゴリの記事

評価4の映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« (2204) ラストスタンド | トップページ | (2206) パッセンジャー »