(2180) 日本沈没
【監督】森谷司郎
【出演】藤岡弘、丹波哲郎、小林桂樹、いしだあゆみ、二谷英明、中丸忠雄、夏八木勲、角ゆり子、島田正吾
【制作】1973年、日本
地殻変動により壊滅的な被害を受ける日本の様子を描いたSF作品。
潜水艦操縦士の小野寺俊夫(藤岡弘)とともに日本海溝に潜り、異常な活動を確認した科学者の田所雄介(小林桂樹)は、総理大臣の山本甚造(丹波哲郎)への状況説明の際、為政者としての覚悟を促す。田所の指揮のもと、観測を続ける計画の中で、田所は日本の大部分が海に沈むことを確信。計画班は10ヶ月後に日本が壊滅的なダメージを受けることを予測する。
山本は世界各国や国連に日本人の受け入れを要請するが、受け入れは遅々として進まず、ついに四国や東北で国土の沈没が始まる。混乱の中、上司の計らいで婚約者の阿部玲子(いしだあゆみ)を得た小野寺は、行方が分からなくなった彼女を探し、日本での救助活動を続ける。やがて首相も避難し、日本の国土は大半が沈没。玲子と小野寺は、別々の海外の地で、新たな運命に身を委ねるのだった。
潜水艦や東京の大震災、津波や地割れなどが、一部は実際の映像も混ざっているようだが、当時の精一杯のがんばりの模型で映像表現されている。今の目の肥えた人なら、どうみたって模型だと丸わかりではあるのだが、それでもこれだけのものを映像化するための相当の努力が忍ばれる。物語は、災害に巻き込まれる人々以上に、世界各国に支援を求める為政者の苦労に焦点が当たっており、派手な映像とギャーギャー騒がしいだけのパニック映画とは一線を画している。リメイク版の「日本沈没」より見応えがあったと感じるのはノスタルジーのせいだけではなさそうだ。
【5段階評価】4
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