(2147) レディ・プレイヤー1
【監督】スティーブン・スピルバーグ
【出演】タイ・シェリダン、オリビア・クック、ベン・メンデルソーン、リナ・ウェイス、森崎ウィン、フィリップ・チャオ
【制作】2018年、アメリカ
VRゲームの世界で戦う若者の活躍を描いたSFアクション。いろんな映画やコミック、ゲームが取り込まれた賑やかな作品になっている。
2045年の世界でスラム街に住む少年、ウェイド・ワッツ(タイ・シェリダン)は、ジェームズ・ハリデー(マーク・ライランス)とオグデン・モロー(サイモン・ペグ)によって創造された仮想世界オアシスで現実逃避のプレイを続けていた。ハリデーは亡くなる際、オアシスの中に隠した宝「イースター・エッグ」を見つけたら全財産と経営権を譲ると言い残す。多くのプレイヤーが熱狂し、ウェイドもゲーム内アバター、パージバルで必要な3つの鍵を求める。巨大企業IOIの社長ノーラン・ソレント(ベン・メンデルソーン)も大勢の社員を投入し、宝の取得を目指す。ウェイドはハリデーの記録をヒントに一つ目の鍵を入手。ノーランはウェイドを買収しようとするがウェイドは拒否。仲間のエイチやアルテミスらとともに映画「シャイニング」の世界に入り込み、2つめの鍵を入手する。しかし、アルテミスをプレイするサマンサ(オリビア・クック)と、ウェイドのいる拠点にIOIの部隊が乗り込んでくる。サマンサはウェイドを逃して自らはIOIに捕らえられてしまう。ウェイドはエイチを操るヘレン・ハリス(リナ・ウェイス)やダイトウを操るトシロウ(森崎ウィン)、ショウを操るゾウ(フィリップ・チャオ)らと合流。第3の鍵を得るためオアシス内にバリアを構築するIOIに対して、他のプレイヤーとともに総攻撃をかける。サマンサもIOI内部から加担し、バリアを消去。ついにウェイドは最後の宝にたどり着く。ノーランは現実世界でウェイドを追うが、スラムの住人に囲まれ、最後は警察に捕らえられる。ウェイドはサマンサたちとオアシスの共同経営者となり、現実世界も大事にするため、火曜と木曜をオアシスの休みとするのだった。
本作の見所は、ストーリー云々というより、とにかく次々と出てくるキャラクターの豊富さ。どれだけ元ネタを知っているかがどれだけ楽しめるかにつながる。シャイニングやサタデー・ナイト・フィーバーなど、若者はまず観てないだろ、というような作品も取り込まれ、特にシャイニングはタイプライターや血の洪水、双子の少女やバスタブの女、迷路の庭など、原作と同じシーンが目白押し。機動戦士ガンダムやメカゴジラのような日本のキャラクターが登場するのも素直に楽しい。個人的には「アイアン・ジャイアント」が大活躍したのが嬉しく、最期を「ターミネーター2」のサムアップで決めたのには、思わず声を上げて笑ってしまった。挙げると切りがないが、ほかにもニヤッとさせるものが次々と出てくる。もちろん元ネタを多く知っていると楽しいが、たとえそうでなくても「自分の知っているものが出てきた」と1回でも感じられれば、本作はその人にとって特別な、得した気分になれる作品となりうるわけで、うまいところを突いている。ストーリーにひねりがある作品とは別の意味で、もう一度観直したくなる作品だ。いや、実際観直したけれども。キティちゃんやらゼルダの伝説やらロボコップやら、本当にいろいろ出ている。
【5段階評価】4
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