(2162) 今日も嫌がらせ弁当
【監督】塚本連平
【出演】篠原涼子、芳根京子、松井玲奈、佐藤隆太、佐藤寛太
【制作】2019年、日本
反抗期の娘にキャラ弁を作り続ける母親の奮闘を描いた作品。人気ブログ記事がもとになっている。
八丈島で暮らす持丸かおり(篠原涼子)は、夫(岡田義徳)を交通事故で失い、次女の双葉(芳根京子)と二人暮らし。長女の若葉(松井玲奈)は一人暮らしを始めていた。双葉は反抗期で母親と全く口をきかない。かおりは高校に入った双葉にうざいキャラ弁を作り、娘に対抗する。かおりはキャラ弁をブログに記録し、それを見たシングルファーザーの岡野信介(佐藤隆太)も幼稚園の息子にキャラ弁を作るようになる。
双葉は針路を悩み、恋心を抱いていた幼なじみの山下達雄(佐藤寛太)が東京に出ると聞き、自分も東京に就職することに決める。しかし達雄への恋は破れてしまう。双葉の卒業直前に、かおりは脳梗塞で倒れてしまい、入院。それでも卒業式の日、巨大な弁当を作る。それは三年間嫌がらせ弁当を食べ続けた双葉への感謝状になっていた。クラスメートの目もはばからず、双葉は涙を流す。
双葉は船で東京に向かう。かおりと若葉は手を思い切り振って双葉を見送り、双葉も大声をあげてそれに答えるのだった。
キャラ弁が楽しいだけのコメディかと思いきや、子育てに悩む親心をうまく描き、なかなか感動的。感謝状のシーンは、もう弁当の蓋を開ける前から泣く準備OKみたいな状態だった。双葉から母親への手紙もよかった。かおりがキャラ弁を作り続ける姿は立派だが、子どもはひっぱたくわ、子どもにあんたの居場所はここにはないと傷つくようなことは言うわ、弁当を通じてウザい説教をするわ、決して褒められる行動ばかりではない。でも親にとって子育てははじめての経験。親だって間違ったことをいっぱいする。映画の主役でもそれは同じ。それでも子どもは成長していく。そんなことを感じさせてくれた。子育てに悩んでいる人にお勧めの作品。
【5段階評価】4
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