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2020年3月 6日 (金)

(2023) マスカレード・ホテル

【監督】鈴木雅之
【出演】木村拓哉、長澤まさみ、小日向文世、渡部篤郎、松たか子
【制作】2019年、日本

東野圭吾の小説が原作の推理ドラマ。群像劇風の展開の中に、連続殺人事件が組み込まれた、巧みな作品。

連続殺人の捜査のため、稲垣(渡部篤郎)を責任者とする警察の一団がホテル・コルシア東京で潜入捜査を行うことになる。刑事の新田浩介(木村拓哉)はフロント係となり、ホテル側の指導係として山岸尚美(長澤まさみ)が付く。二人は始めはいがみ合うが、次第に互いの能力を理解するようになっていく。ホテルには様々な客が様々な事情でやってくる。ある者は新田に縁のある元教育実習生(生瀬勝久)だったりもした。新田は山岸との会話の中から、連続殺人事件のヒントを掴み、そのたびに、元相棒の刑事、能勢(小日向文世)に捜査を依頼。新田と能勢は、犯人がネットの闇サイトを介して複数の殺人を連続殺人に見せかけ、自分が殺したい2人をカモフラージュしようとしていると予想を立てる。その人物は、かつて山岸が部屋が空いていないと言って追い返した、ストーカーの女性、長倉麻貴(松たか子)だった。名古屋で役者をしていた長倉は、自分を妊娠させておきながら逃げた芝居仲間の松岡という男を追ってホテル・コルシア東京にやってきたが、山岸に追い返され、冷たい雨の降る中、外にいたせいで流産してしまったことで、松岡だけでなく、山岸にも恨みを持っていたのだった。老婆のふりをして入ってきた松岡は、客室で山岸を拘束し、毒物を注射しようとするが、ぎりぎりで気づいた新田が部屋を突き止め、殺害を未然に防ぐ。新田と山岸は、後日、二人で祝杯を挙げるのだった。

出だしでは、ホテルを舞台にした連続殺人事件の謎にわくわくするのだが、ホテルあるある(バスローブを盗むと見せかけて難癖をつけようとする客の話)や、ほっこりする話(視覚障害者の夫のために、視覚障害のふりをしてホテルにやってきた老婆)、どきっとする話(ストーカーの男を近づけるなと言っておきながら自分がその男に会おうとしていた女)などの話が続くうちに、「これは殺人事件の謎を軸に、ホテルの細かいエピソードを紡ぐ群像劇風の作品なのか」と思わせる。しかしきちんと、メインの話の中に老婆の話がからみ、謎を回収。多少迂遠な気はするし、電話番号のすり替えは殺人事件の捜査にしてはお粗末なトリックだったが、面白い作品だった。東野圭吾の作品の中では、コミカル色のある一作。「秘密」(1999)や「手紙」(2006)、「祈りの幕が下りる時」(2018)のように、ぐっと来る作品の方が好みではあるが、本作も娯楽作品として十分に楽しめた。

【5段階評価】4

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