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2019年5月29日 (水)

(1893) 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?

【監督】武内宣之
【出演】菅田将暉(声)、広瀬すず(声)、宮野真守(声)、松たか子(声)
【制作】2017年、日本

もしもの世界を作り上げる力を得た少年が少女と過ごす一夏の経験を描いたファンタジー。

中学生の典道(菅田将暉)は、仲間と登校中、海辺に立つなずな(広瀬すず)を見かける。教室でなずなを気にする典道に、友人の祐介(宮野真守)は、なずなはかわいい、告白したいと典道に告げる。その日、二人がプール掃除に向かうと、プールには水着姿のなずながいた。二人が50m競争をしようとしたとき、なずなが「私が勝ったら何でも言うことをきいて」と言って競争に加わる。なずなが一位になり、ターンのときに足をぶつけた典道は祐介に負ける。なずなは典道がまだ泳いでいるすきに、祐介に、今日の花火大会に二人で行こう、と話しかける。祐介は有頂天になる。
祐介と典道が教室に戻ると、仲間達が、打ち上げ花火は横から見たら平べったいか丸いか、の言い争いをしていた。祐介はなずなと二人で花火大会に行くのをやめて、仲間と、花火を横から見たらどう見えるか確かめに行く約束をし、帰宅後、典道の家に遊びに来る。祐介は、足を怪我していた典道を医者の父親のいる医院に向かわせ、仲間との待ち合わせ場所に向かう。なずなは祐介を迎えに来ていたが、典道から祐介は来ない、と聞かされ、医院を出て行く。典道はなずなを追いかける。なずなの母親(松たか子)は再婚しようとしており、なずなは転校することになっていた。なずなは家出をしようとしていたのだった。なずなは典道に、もし典道がプールでの競争に勝ったら、典道を花火大会に誘っていた、と告げる。そこになずなの母親がやってきて、なずなを家まで引きずり戻してしまう。典道が追いかけようか迷っているところに祐介たちがやってくる。典道は、なずなを救ってやらなかった祐介に殴りかかると、拾った不思議なガラス玉を、道の掲示板に投げつける。すると、時間が巻き戻り、プールでの競争の場面に戻る。今度は典道が競争に勝ち、なずなは典道を花火大会に誘う。典道が家に帰ると、やはり祐介がやってくる。典道はジュースを買ってくると言って部屋を出ると、迎えに来たなずなを自転車の後ろに乗せて走り去る。なずなは典道と駆け落ちをすると言い、駅のホームに向かう。ところがそこに、なずなの母親が婚約者(三木眞一郎)と現れ、なずなをまたも家に連れ帰そうとする。典道は婚約者につかみかかるが敢えなく殴り飛ばされてしまう。
典道は、再びガラス玉を投げて、二人が電車に乗り込む将来を思い描く。すると、再び場面は駅のホームになる。今度は典道は婚約者のパンチの腕をかわし、なずなの手を引っ張って電車に乗り込む。なずなは、このまま二人で東京に移り住み、アイドルでもしようかなと言って、二人しかいない電車の中で松田聖子の歌を歌い始める。その様子を、踏切待ちをしていた祐介たちに見られてしまい、さらに車でなずなを探していたなずなの母親にも見つかってしまう。二人は次の駅で降りるが、なずなの母親と祐介たちに追いかけられる。灯台の上に逃げ込む二人だったが、祐介が典道を捕まえようと飛びかかり、二人は灯台から落下。典道は再び、なずなと二人だけになることを強く望む。二人は再び電車の中におり、今度は母親にも祐介たちにも見つからず、次の駅に到着する。そこは、景色がガラスで覆われたような不思議な世界。打ち上がる花火は、丸でも平べったくもなく、不思議な形をしている。典道は、なずなとずっと二人でいられるこの世界にいたいと望む。なずなは典道に泳ごうと誘い、海に行く。海に落ちたなずなを見て、典道も海に飛び込む。二人の頭上には大きな花火が打ち上がる。典道となずなは口づけを交わす。なずなは、次に会うのはどんな世界かな、と言いながら、姿を消す。
学校では、担任教師の春子先生(花澤香菜)が点呼を取っていた。春子先生は典道の名を呼ぶが、典道の姿は教室にはないのだった。

中学生どうしの淡い恋を描いたファンタジー。CGと実写とアニメを融合したような映像で、現実と非現実の交わった世界をうまく表現していた。お話としても、結局別れてしまうとか、死んでしまうとかいった話ではなく、もしかすると二人はいつまでも一緒にいられる夢のような世界を作り出せたのかも、と思わせ、甘酸っぱい感情が胸に広がる作品になっていた。声優が、旬の広瀬すずと菅田将暉というのがよかったのかどうかはよくわからないが、知らずに観た自分としては、とても自然で入り込めたので、適役だったのだろう。

【5段階評価】4

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