(1851) アルティメット
【監督】ピエール・モレル
【出演】ダビッド・ベル、シリル・ラファエリ、ラルビ・ナセリ、ダニー・ベリッシモ
【制作】2004年、フランス
架空の制度が敷かれたフランスを舞台にしたパラレルワールドもののアクション作品。パルクールの使い手が活躍する。
壁で閉鎖されたフランスの郊外部、バンリュー13地区に暮らすレイト(ダビッド・ベル)は、麻薬組織の麻薬を奪い、廃棄する。そこに麻薬組織のK2(トニー・ダマリオ)が手下を連れて現れるが、レイトはパルクールで見事に脱走する。
ボスのタハ(ラルビ・ナセリ)の怒りを買い、殺されそうになったK2は、レイトの妹ローラ(ダニー・ベリッシモ)を拉致する作戦を思いつくが、それを読んでいたレイトは同時にタハのアジトに突入。タハを人質にしてローラを連れて脱出し、警察にかけこむ。ところが警察はレイトとローラの拳銃を確保するとレイトを牢に閉じ込め、タハを解放してしまう。
警察官のダミアン(シリル・ラファエリ)は、上層部から、タハの組織に奪われた、パリ全市を壊滅するほどの威力を持つ中性子爆弾の時限装置の解除の指令を受け、囚人のふりをして収監中のレイトとともに脱走。レイトはダミアンの戦い方がクリーンであることから警察官であることを見抜いてしまうが、作戦に協力。レイトはタハに電話をかけてわざと捕まり、爆弾を解除できるのはダミアンだけだとタハに告げる。タハは爆弾の買い取りをダミアンに要求し、ダミアンは2,000万ユーロの支払いを約束するが、ダミアンが携帯で警察に連絡を入れると警察は支払いを拒否。ダミアンは入金できたと嘘をつく。入金の確認に30分の時間がかかるため、ダミアンとレイトは別室で待つことになるが、爆発まで残り40分を切った頃に二人は脱走。その間に警察は、タハの口座から金を抜き取ってしまう。金の威力を失ったタハは、手下に撃ち殺されてしまい、実質的なリーダーはK2となる。K2はダミアンとレイトを信じ、爆弾の解除に二人を向かわせる。途中の巨漢を退け、二人は爆弾のところに向かう。ダミアンは解除コードを入力しようとするが、その番号がタハのいる地区を示すものだったため、レイトはそれが解除コードではなく起爆コードであると見抜き、任務を遂行しようとするダミアンを止めようとする。二人は取っ組み合いを始めるが、最後はローラがダミアンを押さえ込み、入力を阻止。果たして、レイトの判断は正しく、コード入力がなされないまま、爆弾のタイマーはゼロになる。
二人は上層部に爆弾を持ち込み、その場で爆弾を起動させようとする。上官は治安の悪化した地区を消し去るためにしたことだ、と告げ、地区を爆破するつもりであったことを白状するが、その様子は全市にテレビ放送されてしまう。レイトとローラは地区を救った善良な市民と認められる。二人はダミアンと別れ、元いた地区に帰っていくのだった。
アクションシーンはCG、スタントなしで、迫力があった。よく、主人公だけが超絶に強くて雑魚が情けないほど弱い場合があるが、本作では雑魚もそれなりにパルクールの使い手になっており、見応えがあった。もっとも、格闘シーンや銃撃戦では主人公達が圧勝するわけだが。
主役のシリル・ラファエリは、スタントマンでもあり、「ダイ・ハード4.0」(2007)でもパルクールを駆使して主人公を苦しめる悪役を演じている。
【5段階評価】4
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