(1743) 007 リビング・デイライツ
【監督】ジョン・グレン
【出演】ティモシー・ダルトン、マリアム・ダボ、ジェローン・クラッベ、ジョン・リス=デイビス
【制作】1987年、イギリス、アメリカ
007シリーズ第15作。ティモシー・ダルトン主演第1作。「007 美しき獲物たち」の続編。
ジブラルタルでの演習中に仲間を殺害されたジェームズ・ボンド(ティモシー・ダルトン)。暗殺者を仕留めたボンドは、ソ連のコスコフ(ジェローン・クラッベ)の救出作戦に加わる。コスコフがコンサートホールを抜け出そうとしたとき、女性チェロ奏者(マリアム・ダボ)が建物から彼を狙撃しようとする。それを発見したボンドは、とっさに彼女の命まではとらず、腕を負傷させる。コスコフは亡命を果たし、彼はソ連のプーシキン(ジョン・リス=デイビス)がイギリスのスパイ暗殺を企てていると明かすが、そこに牛乳配達員になりすましたスパイ、ネクロス(アンドレアス・ウィズニュースキー)が現れ、コスコフを奪われてしまう。
プーシキン暗殺を命じられたボンドだったが、それを断り、女性チェリストを追う。彼女の名はカーラ。ボンドはカーラに接触し、話を聞く。彼女はコスコフの恋人で、彼を狙ったライフルの弾は空砲だった。コスコフは彼女を使って亡命を真実だと思い込ませようとしているのだと気づいたボンドは、カーラを仲間にしてコスコフを追うことにする。
ボンドは仲間のソーンダース(トーマス・ウィズリー)にコスコフのことを調べさせる。彼は武器商人のブラッド・ウィティカー(ジョー・ドン・ベイカー)と関係を持っていることが判明。ボンドはプーシキンに会い、プーシキンの狂言暗殺を企てる。作戦を終えてカーラのもとに戻ったボンドだったが、コスコフのことを信じていたカーラは、ボンドに睡眠薬を飲ませてコスコフに引き渡してしまう。ようやくボンドのことを信じたカーラは、ボンドが運ばれた牢屋で彼に協力。カーラが渡した秘密兵器のキーホルダーを使ってボンドは牢屋を脱出。そこで救ったソ連抵抗組織の副司令官カムラン(アート・マリック)の協力で、コスコフのアヘン密売現場に潜入したボンドは、彼がアヘンを詰め込んだ輸送機に乗り込み、時限爆弾をセットする。ボンドを救おうと彼を追ってきたカーラも輸送機に乗り込み、二人は大量のアヘンとともに脱出に成功。ところが輸送機にはネクロスも乗り込んでいた。時限爆弾を解除しようとしたボンドは、ネクロスと命がけで戦い、ネクロスは飛行機から振り落とされる。二人は墜落寸前の輸送機からジープで脱出し、ウィティカーのもとに向かう。ウィティカーはコレクションの武器を使ってボンドを攻撃するが、ボンドは秘密兵器で逆襲し、彼を倒す。そこにプーシキンとコスコフが現れ、コスコフはウィティカーが敵であるかのようにふるまうが、プーシキンはコスコフを犯罪者としてモスクワに送還する。カーラは名チェリストとして演奏会を開く。ボンドはカーラの楽屋でカーラと熱い口づけをかわすのだった。
ロジャー・ムーアが主人公を演じてB級スパイコメディのようになっていた007シリーズが、ティモシー・ダルトン主演で魅力的なアクションに生まれ変わった。アクションのキレは、さすがにダニエル・クレイグ版などとは比べものにならないが、それでもシリアスな展開、強力な秘密兵器などは見応えがあり、十分に面白い作品だった。ボンド・ガールも、ただの飾り物ではなく、ストーリーにもしっかりからみ、アクション面でも活躍し、しかもとっかえひっかえボンド・ガールが登場するわけではなく、最初から最後まで同じ人物なので、そこもよかった。ちょっと滝沢カレンに似たおバカっぽい顔で、輸送機の操縦がまるで役立たずでボンドを命の危機にさらしたりもするのだが、ボンドを助けようと必死に追いかける姿は十分に魅力的。もしかすると一番印象に残ったボンド・ガールかもしれない。
【5段階評価】4
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