(1658) K-19
【監督】キャスリン・ビグロー
【出演】ハリソン・フォード、リーアム・ニーソン、ピーター・サースガード
【制作】2002年、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダ
ソ連の原子力潜水艦の乗組員の運命を描いた作品。実話に基づいている。
米ソ対立の1960年代、ソ連は国の威信を賭けて原子力潜水艦、K-19を建造。しかし、訓練は粗悪な部品が原因で失敗、建造中に死人が続出、完成式のシャンペンのボトルは割れず、鑑は「ウィドウ・メーカー」と噂される。訓練に失敗したポレーニン(リーアム・ニーソン)に変わり、ボストリコフ(ハリソン・フォード)が艦長となり、作戦任務の航海に出る。
ボストリコフ艦長は、航海中、何度も厳しい訓練を行い、強引な航行で凍った海面を突き破り、海面に浮上。見事にテストミサイルの発射に成功する。しかし、原子炉に異変が発生し、温度が上昇し始める。穴の空いた部分を溶接するため、10分交代で乗組員が原子炉内に入り込むが、すさまじい放射能を浴びてしまう。現場経験のない学校上がりの原子炉担当士官、バディム(ピーター・サースガード)は、尻込みして中に入ることができなかったが、大勢の努力により、穴は塞がれ、原子炉内の温度は低下し始める。ポレーニン副艦長は、近くにいる米軍への救助の要請をボストリコフに進言するが、ボストリコフはそれを却下し、再び潜航しようとする。そのとき、溶接した部分に再度穴が空き、再び原子炉の温度が上昇し始める。バディムは単身、原子炉内に入り、18分間も中にこもって破損箇所を溶接。原子炉の温度は下がり始める。ボストリコフは原子炉に入ってバディムを救い出し、彼を英雄とたたえる。
ボストリコフはいったんは米軍に救助要請を出すが、ソ連の潜水艦が到着し、彼らはそちらに移る。ボストリコフは裁判にかけられるが無罪となる。原子炉に入った7名は死亡し、K-19の悲劇はソ連崩壊まで語られることはなかった。年老いた乗組員たちは再会し、亡くなった英雄の墓で献杯するのだった。
原子炉に入り込んだ乗組員が次々と放射能にむしばまれていく様子がすさまじい迫力。軍の古めかしい常軌を逸した行動は、英雄視するというより、「なんで逃げないの」と不思議に思わざるを得ない。
そしてアメリカ映画では、ロシア人はみんな英語を話すのだった。
【5段階評価】4
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