(1593) 心が叫びたがってるんだ。
【監督】長井龍雪
【出演】内山昂輝(声)、水瀬いのり(声)、雨宮天(声)、細谷佳正(声)
【制作】2015年、日本
高校2年の男女4人の交流を描いた青春ドラマ。
幼い頃、お城の形のラブホテルから出てくる父親を見つけたことを無邪気に母に報告した経験を持つ成瀬順(水瀬いのり)。それがきっかけで両親は離婚。父親は順のおしゃべりに恨み言を言って去る。幼い順の目の前にたまご型の人形の幻影が現れ、順は話をすると腹痛が生じるようになってしまう。
順の通う高校では、担任の城嶋一基(藤原啓治)が、地域ふれあい交流会の実行委員に、順のほか、坂上拓実(内山昂輝)、仁藤菜月(雨宮天)、田崎大樹(細谷佳正)を指名する。4人は不満を持つが、言葉を話せない順が歌なら声を出すことができ、やる気を出したことから、順を応援するように実行委員を務めるようになる。
担任の城嶋が、半ば強引に、演目をミュージカルにすることを提案し、順がそれに呼応。クラスを説得し、ミュージカルの準備が始まる。順が脚本と主演を担い、拓実が王子、大樹が玉子の役をすることになり、準備が始まる。本番の最終日、拓実が元彼女の菜月に気があるような会話をしているのを耳にしてしまった順は、本番当日、姿を消してしまう。
大樹は急遽、配役を変えて急場をしのぐことにし、拓実は順を探す。廃墟となったラブホテルの中にいる順を見つけた拓実は、怒りをぶつけるように拓実や菜月を罵倒する順の言葉を受け入れる。順は拓実に愛を告白。拓実はありがとうといいながらも、ほかに好きな人がいる、と順を振る。それでも順はその言葉を受け入れ、拓実は順を連れてミュージカルの会場である学校の体育館に戻る。順は途中から主役を見事に演じ、体育館は拍手に包まれる。交流会は終わり、大樹は順に好きだと告白するのだった。
言葉を発することが苦手な順が、拓実の奏でるピアノの音楽に乗って言葉を発し始める。クライマックスの歌のシーンはなかなか感動的。胸が熱くなった。アニメでミュージカルを描き、観る者を感動させるためには、映像の力だけではなく、音楽の力も重要。本作はごまかすことなく劇中歌を奏でており、掛け値なしの音楽の力を感じることができた。
【5段階評価】4
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