(1588) キングコング
【監督】ピーター・ジャクソン
【出演】ナオミ・ワッツ、エイドリアン・ブロディ、ジャック・ブラック、アンディ・サーキス
【制作】2005年、ニュージーランド、アメリカ
巨大類人猿、キングコングを描いた作品。往年の特撮映画の名作をピーター・ジャクソン監督がリメイクしている。
映画監督のカール・デナム(ジャック・ブラック)は、ジャック・ドリスコル(エイドリアン・ブロディ)を脚本家に招いて映画撮影を決意。主演女優に困ったカールは、偶然見かけたコメディ女優、アン・ダロウ(ナオミ・ワッツ)を口説き、イングルホーン船長(トーマス・クレッチマン)の船に乗り込む。アンは、憧れていたドリスコルと恋仲となる。
船が目指したのはドクロ島。そこは、巨大な生物が独自の進化を遂げた島。撮影の一行は原住民に襲われ、アンが生け贄にされてしまう。アンをさらったのは、巨大なゴリラ、コング(アンディ・サーキス)だった。アンは始めはコングに恐怖するが、コングは巨大な恐竜に襲われたアンを命がけで守る。アンはコングに愛情を持つようになる。
一方のドリスコルは、カール達を連れてアンの救出に向かう。監督のカールは、途中で撮影したフィルムがだめになったことから、コングを生け捕りにしてニューヨークに連れて帰ることを思いつく。ドリスコルはようやくアンを発見。ドリスコルとアンを追いかけてきたコングに、カールがクロロホルムを嗅がせ、生け捕りに成功する。
カールはニューヨークの劇場でコングをお披露目するが、興奮したコングが劇場を脱出。アンとコングは再会を果たす。しかし、大暴れするコングに軍が出動。超高層ビルのてっぺんに追い詰められたコングは、戦闘機に攻撃されてビルから落下し、命を落とす。「飛行機がコングを倒した」と見物人が言うが、カールは「美女が野獣を殺した」とつぶやくのだった。
動物パニックものやスリラーものでは、目玉の生き物がなかなか出てこなかったり小出しになったり、というのが定番だが、本作のキングコングの登場はあまりにも遅い。しかもそこまでちらりとも出てこない。「これ何の映画? 」と思うほど出てこない。要するに、序盤が長い。
同じように長い作品の「タイタニック」も、船の沈没というドラマまでの展開が長いが、こちらは若い男女の激しく燃える愛を、緻密に再現された往年のタイタニック号の中で表現していて、映像に力がある。本作も1930年代のアメリカを描いていて、船での移動シーンが長い点で共通しているが、おんぼろ船の中なので映像に対する感動は薄い。つまらないわけではないが、もう少し波瀾万丈があったほうがよかった。
島に上陸してからは、巨大な生物が次々と登場するが、独自に進化した恐竜が、「ジュマンジ」ほどではないにしても、あまりリアリティがないのが残念だった。巨大な虫たちはそれなりにグロテスクだったが、キングコングを観に来た観客の求める映像なのかは、疑問の残るところ。
日本でコケたのも分かるな、という感じだったが、それでも、全体的には特撮もよくできていて、面白い部類の作品だった。
【5段階評価】4
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