(1540) のんちゃんのり弁
【監督】緒方明
【出演】小西真奈美、岡田義徳、村上淳、倍賞美津子、岸部一徳、佐々木りお
【制作】2009年、日本
入江喜和原作漫画の映画化作品。弁当屋を目指す31歳子持ち女性の生き様を描く。
永井小巻(小西真奈美)は、夫の範明(岡田義徳)がだらしなく寝ている朝、弁当を作り、一人娘の乃里子(佐々木りお)を連れて家を出る。向かう先はいつもの幼稚園ではなく、母親の原フミヨ(倍賞美津子)のいる実家だった。道楽亭主に愛想が尽き、離婚を決意したのだ。
小巻は生活費を稼ごうと仕事を探すが簡単には見つからない。中学の同級生で淡い恋心を抱いていた川口健夫(村上淳)と再会した小巻は、実家の写真館で働いている彼の仕事に同行し、「ととや」という店に入る。そこは戸谷長次(岸部一徳)が一人で切り盛りする小料理屋だった。小巻はそこで振る舞われた鯖の味噌煮に感激し、突然、弟子入りを志願。しかし戸谷はそれをやんわりと拒否する。小巻は鯖の味噌煮を研究し、つくった味噌煮を幼稚園の先生や健夫の店に配るうち、弁当屋をすることを思いつく。
小巻との離婚を認めようとしない範明は、幼稚園から乃里子を連れ出し、「ととや」に向かう。そうとは知らない幼稚園では誘拐騒ぎとなり、小巻は健夫と必死に乃里子を探す。戸谷から店に範明と乃里子がいると知らされた小巻は、店に駆け込み、範明と殴り合いのけんかをする。
警察のお世話になった小巻は、範明、健夫とともにフミヨの家に帰る。そこには戸谷もおり、小巻は改めて戸谷の店を借りて弁当屋を開きたいと申し込む。それは、店をたたんだ写真館の跡地で一緒に弁当屋を開こうと小巻に告げた健夫への、別れの宣告でもあった。戸谷は小巻の手をさわり、「子供の手だ。この手を大人の手にすること。それが条件」と告げ、弁当屋のオープンを認める。
乃里子は幼稚園を卒園。小巻は弁当屋の初日の準備を始める。フミヨはととやを訪れ、一生懸命準備をしている小巻の姿を認めると、何も言わず、彼女のために弁当を置いていく。料理の苦手なフミヨの不器用な弁当に、小巻は苦笑い。準備した弁当の仕上げとなるのりを手で刻みながら、小巻は静かに嗚咽する。
朝を迎え、乃里子は元気に登校。後ろ姿を見送る小巻に、さっそく最初のお客が声をかけるのだった。
不器用ながら真剣に生きようとする小巻を小西真奈美が好演。脇役もしっかりしていて、しっかりとストーリーに没頭できた。ととやの料理や小巻ののり弁が美味しそうで、レシピの情報も作品のいいアクセントになっていた。
【5段階評価】4
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