(1483) LIFE!/ライフ
【監督】ベン・スティラー
【出演】ベン・スティラー、クリステン・ウィグ、アダム・スコット、ショーン・ペン
【制作】2013年、アメリカ
LIFEのネガ管理担当者が、失われたネガを探して世界を飛び回る。1947年の映画、「虹を掴む男」のリメイク作品。
さえない男、ウォルター(ベン・スティラー)は、同僚のシェリル(クリステン・ウィグ)が出会いサイトに登録していることを知り、コンタクトしようとするが、うまく行かない。サイトに問い合わせると、担当者のトッド(パットン・オズワルト)に、自己アピールの書き込み不足だと言われる。しかし、消極的な性格のウォルターには大した体験談がなかった。
彼は16年間、雑誌LIFEの表紙を飾るネガの管理をしていたが、LIFEのオンライン化により、紙媒体の発行が最終回となる。妄想癖のあるウォルターは、再編担当のテッド(アダム・スコット)に目をつけられる。それは、リストラの有力候補となることを意味する。
写真家のショーン・オコンネル(ショーン・ペン)が、最終回の表紙の写真に25番のネガを指定してきたが、ショーンがウォルターに送ってきたのは、25番が欠落した写真のネガと革財布だけだった。
ウォルターは、ネガに映っていた親指、水面、湾曲した何かの一部、の3枚の写真を手がかりに、ショーンの居場所を探る。水面の写真に船の名前が写っていることが分かり、シェリルの協力も得て、船の場所がグリーンランドだと判明。彼は意を決してグリーンランドに飛ぶ。着いてまもなく、カラオケを歌っている大男に絡まれる。その男の親指が、写真の指だった。大男はヘリのパイロットで、ショーンの乗っていた船にウォルターを乗せていく。船でショーンの書いたメモを見つけたウォルターは、そのメモにあった火山を目指す。火山はアイスランドにあった。トッドに電話で自分の情報を伝えながらウォルターは旅を続ける。火山にたどり着いたウォルターは、飛行機に乗って火山の噴火を撮影しているショーンを見つけるが、大噴火から必死で逃げざるを得ず、ショーンを見失い、そのままいったん帰国する。
ネガを入手できないままのウォルターは、テッドに首を言い渡される。知り合いになったシェリルの息子、リッチに、アイスランドで手に入れたスケボーをプレゼントするため、シェリルの家に向かうが、そこにはシェリルを「ハニー」と呼ぶ男がおり、ウォルターはスケボーを玄関に置いて立ち去る。
帰宅したウォルターは、湾曲した一部の映っている写真が、家の中にある父の形見のピアノを撮ったものであることに気づく。母親のエドナ(シャーリー・マクレーン)に尋ねると、ショーンが家に来たのだと言う。ショーンがアフガニスタンにユキヒョウを撮りに行っていると分かり、ウォルターも現地に向かう。
ガイドを連れて、雪山を登り、ついにウォルターはショーンと対面する。25番の写真のありかを尋ねると、財布に入れたとショーンは答える。ウォルターは、その財布を母親の家のゴミ箱に捨ててしまっていた。ショックを受けるウォルターだったが、ショーンと一緒に現地の人たちとサッカーに興じ、貴重なひとときを過ごす。
帰国したウォルターは、父のピアノを骨董品屋に売却。家族で抱き合うウォルターに、エドナはウォルターが捨てたはずの財布を渡す。彼女がゴミ箱から拾っていたのだ。ウォルターは、財布の中にネガ入りの袋があるのを確認すると、中身を見ずにテッドにそれを突きつける。ウォルターは解雇され、手当を受け取って会社を出る。彼の前をシェリルが歩いていた。ウォルターはシェリルに声をかける。シェリルの家にいた男は、彼女の夫でも何でもなかった。ウォルターは改めて、妹のオデッサ(キャスリン・ハーン)が変な教会で芝居をするから見に行かないか、とシェリルを誘い、シェリルは快諾。二人で歩き出すと、ほどなく雑誌売り場に通りかかる。LIFE最終号の表紙に映っていたのは、街角で写真を吟味しているウォルターだった。ウォルターは、シェリルの手を握り、元気に歩き出すのだった。
オープニングクレジットから、映画らしいおしゃれな演出。序盤はアメコミ映画のような派手な特撮アクションで引き込みつつ、中盤からは、アイスランドやヒマラヤの異国情緒あふれる映像で魅せる。出会いサイトのトッドが、ウォルターの帰国に一役買うのも、心憎い演出。映画らしい映画作品だった。
【5段階評価】4
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