(1476) ヒトラー ~最期の12日間~
【監督】オリバー・ヒルシュビーゲル
【出演】ブルーノ・ガンツ、アレクサンドラ・マリア・ララ、ユリアーネ・ケーラー
【制作】2004年、ドイツ、イタリア、オーストリア
ドイツ軍の総帥、ヒトラーが自殺し、ドイツが降伏するに至る過程を描いた作品。ブルーノ・ガンツのヒトラー役が話題となった。
22歳の女性、トラウドゥル・ユンゲ(アレクサンドラ・マリア・ララ)は、ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)の秘書を志願し、その座を射止める。しかし、ソビエト軍はベルリン市街に侵攻しており、ドイツの敗北はもはや時間の問題だった。ヒトラーの側近の中には、作戦本部からの脱出を進言する者もいたが、ヒトラーは聞き入れず、徹底抗戦を指示し続ける。シュタイナーが来れば事態は好転すると作戦会議で発言するヒトラーだったが、幹部はシュタイナーの部隊にその兵力はないと説明。ヒトラーは会議の場で激高する。その様子は部屋の外にいるトラウドゥルたちに筒抜けだった。忠臣のヒムラー(ウルリッヒ・ネーテン)がソ連軍に接触して停戦の交渉をしていることが明らかになり、ヒトラーの立場はますます悪くなっていく。
もはや死を覚悟せざるを得なくなったヒトラーは、愛人のエバ・ブラウン(ユリアーネ・ケーラー)と婚姻。ついに二人は心中する。ヒトラーの遺書をタイプしたのは、トラウドゥルだった。ヒトラーとエバの遺体は即座にガソリンで焼かれる。ヒトラーに忠誠を誓ったゲッベルス(ウルリッヒ・マテス)は、5人の娘と1人の息子を毒殺した妻、マクダ(コリンナ・ハルフォーフ)と心中。
トラウドゥルは、多の兵士ととともに作戦本部を抜け出す。士官の中には、本部内で自殺する者もいた。ほどなくトラウドゥルを率いた兵士たちもソ連軍に投降することとなる。トラウドゥルは逃げ延びることに成功するのだった。
「ベルリン・天使の詩」や「僕のピアノコンチェルト」などで知られるブルーノ・ガンツのヒトラー役が絶品。作戦会議で興奮する姿はパロディ動画に使われ、変な形で有名になっている。
第二次世界大戦を取り上げた映画は数多く、「大脱走」や「プライベート・ライアン」、「史上最大の作戦」など枚挙にいとまがないが、本作は壊滅寸前のドイツが舞台なので、大迫力の戦闘シーンみたいなのはない。
ドイツ軍将校の登場人物が多く、普通だと訳が分からなくなるが、そんなに気にしなくても話に入っていくことができる。史実を知った上で一人の将校に着目してどっぷり鑑賞するもよし、人間ドラマとして見入るもよし。いろいろな鑑賞の仕方ができる作品だ。
【5段階評価】4
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