(1413) トゥルー・グリット
【監督】ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
【出演】ジェフ・ブリッジス、ヘイリー・スタインフェルド、マット・デイモン
【制作】2010年、アメリカ
父親の敵討ちを目指す少女と、少女に雇われた保安官の活躍を描いた作品。ジョン・ウェイン主演の「勇気ある追跡」のリメイク。
父親をならず者のチェイニー(ジョシュ・ブローリン)に殺された14歳の少女、マティ・ロス(ヘイリー・スタインフェルド)は、父親の遺体を引き取るため、街に来ていた。口達者なマティは馬商人のストーンヒル(デイキン・マシューズ)相手に激論を戦わせ、320ドルをせしめると、それを元手に、チェイニーを捕まえるための人捜しをする。彼女が目をつけたのは保安官のルースター・コグバーン(ジェフ・ブリッジス)だった。彼は大酒飲みの老人でこれまで23人も殺していたが、マティは彼に50ドルでチェイニー捕獲を依頼する。一度は断るコグバーンだったが、マティの剣幕に押され、金額を100ドルにつり上げて引き受ける。しかし翌朝、コグバーンは、マティを連れて行くという約束を無視し、マティを置いて旅立っていた。
マティは買った馬でコグバーンを追いかける。コグバーンはテキサス・レンジャーのラ・ビーフ(マット・デイモン)を相棒に雇ってすでに川を渡り終わっていた。マティは馬を駆って強引に川を渡り切り、コグバーンはマティの同行を認める。
チェイニーを追って行動する3人だったが、コグバーンとラ・ビーフは口げんかが絶えず、ラ・ビーフは別行動を取ることになる。チェイニーが合流したというネッド(バリー・ペッパー)の一味が来るという小屋の外で、コグバーンとマティは待ち伏せをするが、そこに現れたのはラ・ビーフだった。その直後にネッド一味が現れ、ラ・ビーフは捕まってしまう。コグバーンはネッド一味に発砲し、何人かを仕留めるが、ラ・ビーフは肩を撃たれてしまう。
ネッドの隠れ家にたどり着いた3人だったが、ネッド一味はもぬけの殻。手がかりのなくなったコグバーンは、マティの依頼を破棄すると宣言。マティはラ・ビーフに、ともにチェイニーを追ってほしいと懇願するが、ラ・ビーフもまた、立ち去ってしまう。
翌朝、いつものようにマティが川に水をくみに行くと、そこにいたのがチェイニーだった。マティは持っていた銃を突きつけてチェイニーに自分の前を行け、と命令するがチェイニーは無視して彼女に近寄っていく。マティは引き金を引き、チェイニーの脇腹を撃つ。そこにコグバーンが現れるが、チェイニーはマティをさらって仲間とともに逃走。ネッドはマティを踏みつけて銃を突きつけたまま、姿の見えないコグバーンに向かって大声で、立ち去らなければ娘を撃ち殺す、と叫ぶ。コグバーンはやむなく、彼らの元を去って行く。
コグバーンが遠くの丘を越えていくのを望遠鏡で確認したネッドは、チェイニーとマティを置いて街に助けを呼びに行くと言って立ち去る。チェイニーは置き去りにされたと受け取り、マティを殺そうとするが、そこにラ・ビーフが現れ、チェイニーを銃で殴りつけて倒す。コグバーンはラ・ビーフに、マティを助ける作戦を伝授していたのだった。
高台の下を見ると、ネッドと仲間の3人を相手に、コグバーンが一騎打ちを仕掛けようとしていた。4人を相手に二丁拳銃で次々と相手を倒すコグバーンだったが、最後に落馬し、脚を馬の体に挟まれてしまう。そこにネッドが馬で歩み寄り、銃を突きつける。ラ・ビーフは350メートル離れたところから、自慢の銃でネッドを狙い、見事に命中。コグバーンを助けることに成功する。ところが、意識の戻ったチェイニーが岩をラ・ビーフの頭に打ち付ける。慌てて銃を手にしたマティは、チェイニーめがけて銃をぶっ放し、チェイニーは崖下に転落する。マティは銃の反動でガラガラヘビの棲む穴の中に落下してしまう。
マティは必死でラ・ビーフの名を呼ぶが返事はない。数匹のガラガラヘビが彼女の体に近寄り、ついに左手を噛まれてしまう。そこに現れたのがコグバーンだった。彼は容赦なく蛇を撃ち殺すと、噛まれた手をナイフで切って血を吸い出し、ラ・ビーフの助けを借りて穴からマティを救出。そのままマティを乗せて街に向かう。コグバーンは夜通し馬を走らせるが、ついに馬は力尽きて倒れてしまう。コグバーンは、マティの静止も聞かずに馬を撃ち殺すと、マティに覆い被さる。必死で抵抗するマティだったが、コグバーンはマティを抱きかかえると、自ら街に向かって走り出すのだった。ようやく民家の明かりが見えたところでコグバーンは力尽きるが、マティは一命を取り留める。
25年後、マティはコグバーンに再会するため、ワイルド・ウェスト・ショーの会場を訪れる。コグバーンはマティの看病をしたあと、マティの前から姿を消したままだった。ようやくコグバーンからの手紙を受け取り、会いに来たが、ショーの団長によると、3日前に亡くなったと言う。マティは彼の墓を訪ね、自分の人生に思いをはせるのだった。
がさつなだけだと思わせる男が、最後は少女を助けようと迷わず行動する姿に心を打たれる。銃撃シーンもリアル。マティを演じるヘイリー・スタインフェルドの啖呵も見事だった。
「プライベート・ライアン」のバリー・ペッパーとマット・デイモンが共演しているのが個人的には嬉しかった。
【5段階評価】4
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