(1370) 信さん 炭坑町のセレナーデ
【監督】平山秀幸
【出演】小雪、池松壮亮、石田卓也、大竹しのぶ
【制作】2010年、日本
辻内智貴原作小説の劇場版。福岡の炭坑町で生きる人々を描いた作品。
福岡の炭坑町の小島に、辻内美智代(小雪)と、小学生の息子、守(中村大地)が東京から引っ越してくる。守が隣町の小学生にいじめられそうになっているところを、ガキ大将の中岡信一(小林廉)が助ける。通りかかった美智代は信一にお礼を言う。親や先生に信用されず、傷ついていた信一は、美智代に恋心を抱くようになる。
時は過ぎ、守(池松壮亮)は高校生に、信一(石田卓也)は炭坑で働くようになる。信一は東京で働くことになり、美智代は彼のためにスーツをプレゼントする。信一は思わず美智代を抱きしめるが、それ以上のことは言えないでいた。
東京行きが間近の信一が、炭坑に入ったところ、爆発事故が起き、信一は帰らぬ人となる。やがて炭坑は閉鎖。美智代は守とともに島を離れる。船から島の姿を見送りながら、美智代と守は信一に思いをはせるのだった。
少年時代の信一が、美智代に後ろから優しく抱かれ、涙が止まらなくなるシーンや、亭主(光石研)を亡くして会社を恨んでいた中岡はつ(大竹しのぶ)が、信一の死を知らされたときには何も言わずに正座して頭を下げるシーンは感動的だった。
あまり大きな話題になった作品ではないが、静かな感動のある、いい作品だった。
【5段階評価】4
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