(1293) チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像
【監督】星野和成
【出演】伊藤淳史、仲村トオル、桐谷美玲、松坂桃李、西島秀俊、生瀬勝久
【制作】2014年、日本
医者と厚労省役人のコンビが、殺人事件の謎に挑む「チーム・バチスタ」シリーズ第3作。しかし、前二作とは配役が異なる。「ジェネラル・ルージュの凱旋」の続編。
厚労省役人の邸宅の地下室で、10人の男達が倒れているのが発見される。9人は死んでおり、一人は意識不明の重体だった。
アメリカ帰りの医者、東堂(生瀬勝久)は、東城医大に導入された精密画像診断用MRI、ケルベロスを駆使し、死因が重水によるものだと突き止める。重水とは、通常の水より質量が大きい水分子の同位体を多く含む水のこと。
厚労省の役人、白鳥(仲村トオル)は、病院に勤める田口(伊藤淳史)とともに調べを進めるうち、死亡した9人は、彼らがかつて、ケルトミンという新薬の認可に関わっていることを突き止める。ケルトミンは、1,000人に1人の確率で重大な副作用を及ぼすことが判明している薬だった。生き残った医師、榊(二階堂智)も、ケルトミンを患者に投与した医師だった。
医療ジャーナリストの別宮葉子(桐谷美玲)は、新薬による副作用に苦しむ人々を取り上げており、田口は美人の別宮に恋心を抱く。しかし、白鳥は、患者側に偏った記事を書く別宮を避難する。
リバイアサンのこけら落としの日、会場に、かつての白鳥に恨みを抱く医師、すみれ(栗山千明)が現れ、白鳥が研修生として参加した手術の患者の体内に、鉗子が残っていたことを暴露。白鳥は沈黙する。しかし、リバイアサンで画像を確認した東堂は、この鉗子が、白鳥が立ち会った手術の10年以上前に体内に残されたものであり、すでに内臓に癒着していて害もないことから、残す選択が正しかったと指摘する。
そんな中、病院内に異変が起こる。病院内のシステムが異常を来し、リバイアサンがコンピュータ・ウィルスに冒されて、パニック状態になる。真犯人は、別宮葉子だった。彼女の母親は、榊の治療でケルトミンによる副作用を受け、亡くなっていたのだ。別宮は、ケルトミンの認可に動いた連中が、またしても新たな薬の認可に動いていることを知り、殺害を計画。榊もまた、亡き者にしようとしていたのだった。
システムが麻痺した病院内は、速見(西島秀俊)や滝沢(松坂桃李)の活躍で事態が収束。別宮は、田口によって病院の屋上で発見され、白鳥が警察に引き渡す。榊は滝沢の手術によって一命を取り留めるのだった。
テレビドラマを観ていた方が楽しめる作品ではあるが、本作だけでも十分、謎解きの展開を楽しむことができた。口さがない白鳥の口調は痛快で、これまで仲村トオルには、どちらかというと大根役者の印象を持っていたが、印象が変わった。
【5段階評価】4
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