(1242) デイ・オブ・ザ・デッド
【監督】スティーブ・マイナー
【出演】ミーナ・スバーリ、マイケル・ウェルチ、アナリン・マコード、ニック・キャノン、ビング・レイムス
【制作】2008年、アメリカ
コロラドの街を襲うゾンビ・パニックを描いた作品。ゾンビ映画の巨匠、ジョージ・A・ロメロ監督の「死霊のえじき」のリメイクではあるが、内容は大きく異なる。
コロラドで、鼻血を伴う風邪のような病気が蔓延する。軍は街を演習と称して封鎖。軍の伍長であるサラ(ミーナ・スバーリ)は、新兵のバド(スターク・サンズ)を連れて、病気にかかっている母親(リンダ・マーロウ)を病院に連れて行くことにする。家ではサラの弟、トレバー(マイケル・ウェルチ)が、ガールフレンドのニーナ(アナリン・マコード)といちゃいちゃしており、サラは全員を乗せて病院に向かう。
病院には、軍のローズ大尉(ビング・レイムス)やサラザール(ニック・キャノン)も来ており、病院の医師、ローガン(マット・リッピー)は、サラに外の死体の様子をしつこく訪ねる。サラは、これが本当に演習なのかといぶかるが、ついに病人達が、ウィルスによって凶暴なゾンビと化す。猛スピードでダッシュして人間に食らいつく中、トレバーとニーナは必死で病院を脱出し、ラジオのDJが立てこもっている建物に逃げ込む。
サラとバドは、ローガンとともに薬品の備蓄室に立てこもり、病院を脱出するため、ゾンビに襲われたローズ大尉の持っていた車の鍵を奪うことにする。ダクトを通ってローズ大尉の倒れている部屋にたどり着いたサラは、ロッカーに隠れていたサラザールと再会。鍵を奪って部屋から逃げようとするが、ローズは生ける屍となってサラに襲いかかる。何とか逃げる3人だったが、バドがローズに手を噛まれてしまう。サラザールはバドを殺そうとするが、サラはそれを思いとどまらせる。
4人は一気に病院を抜け出し、襲いかかるゾンビを振り払って先に進むが、ローガンは一人で逃げてしまい、サラとサラザール、バドは、3人で車に乗って脱出。サラとサラザールが銃砲店で武器を調達している間に、バドはゾンビ化するが、免疫があるせいか、彼はサラ達を襲おうとしなかった。
車を走らせながらラジオを聞いていたサラは、弟のトレバーがDJのスタジオから助けを求めている放送を耳にする。サラは街に引き返す。
トレバーとニーナが立てこもっている部屋には、激しい咳をする太ったDJと、一組の夫婦がいた。その妻もまた、DJと同様に風邪のような症状を示していた。ニーナは半狂乱になって、このなかに感染者がいる、と主張。誰もが否定していたが、やがてDJがゾンビと化し、ニーナは脳天にナイフを突きつけてDJを無力化。建物の外に、ラジオを聞きつけたトレバーの母親がやってくる。トレバーは、母親を助けようと建物を出るが、母親はものすごい形相でトレバーに襲いかかろうとする。そこにサラの車が到着し、母親をはね飛ばす。
ニーナは建物の中にいた夫婦を呼びに行くが、妻がゾンビ化しており、夫は殺されていた。夫人はニーナにも襲いかかるが、助けに来たトレバーとともに夫人を二階から外にたたき落とす。5人は集団で襲いかかるゾンビを払いのけて町を脱出する。
軍の兵士もゾンビ化しており、5人は古い軍の施設に逃げ込む。しかし、おとなしかったバドが、ゾンビの叫び声に共鳴するように大声を張り上げたため、ゾンビが施設内に大量に入り込んでしまい、4人は必死に逃げる。建物の奥には、なぜか真新しい研究施設があり、そこに一人で逃げていたローガンがいた。サラはローガンを問い詰める。
ローガンは、細菌兵器の開発をしていたが、突然変異で人をゾンビにするウィルスを生み出してしまっていたことを白状する。研究施設の中で最も優秀な研究者もゾンビ化しており、施設内には大量のゾンビが存在していた。
ローガンは逃げる途中でボス級の研究者に襲われて命を落とす。サラは、施設内にあった燃料でゾンビ達を焼き殺す作戦を立て、ゾンビをおびき寄せようとするが、逆にボス研究者に背後を取られ、襲われてしまう。絶体絶命のピンチを救ったのは、ゾンビの群れの中にいたバドだった。バドはサラを救うため、研究者に銃を発砲。バドはゾンビに囲まれ、八つ裂きにされてしまう。サラは必死にトレバーとニーナのいる場所に戻り、ゾンビを焼き尽くすことに成功。途中ではぐれたサラザールも生き残っており、4人は車で脱出するが、外ではまだ、ゾンビが叫び声を上げているのだった。
メッセージ性のある作品ではないが、スピーディな展開、グロテスクな描写、次々とゾンビに襲われる絶望的な状況など、ツボを押さえた作品で、なかなか楽しめた。
恐怖映画に付きものなのは巨乳美女だが、本作のヒロイン、サラを演じるミーナ・スバーリは、どちらかというと小柄な女性。セクシーさというよりもキュートな魅力の持ち主だが、きびきびした動作とはきはきした台詞で、見事に伍長の役を演じ、作品の魅力を引き立てていた。
彼女は「アメリカン・ビューティー」で、主人公を惑わす高校生を演じており、序盤でゾンビに襲われて自らもゾンビ化するローズ大尉を演じたビング・レイムスは、「ミッション・インポッシブル」や「コン・エアー」などの大作に出演している。ホラー映画、特にゾンビ映画のようなB級テイストに満ちた作品は、無名の俳優が出演するのが定番だが、本作に有名な俳優が出演している。ちなみに、サラザールを演じたニック・キャノンは、歌手、マライア・キャリーの夫。「モンスター・ハウス」で声優をやったりもしている。
【5段階評価】4
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