(1139) フォース・カインド
【監督】オラトゥンデ・オスサンミ
【出演】ミラ・ジョボビッチ、イライアス・コティーズ、ウィル・パットン
【制作】2009年、アメリカ
超常現象を扱ったフェイク・ドキュメンタリー形式のホラー作品。
冒頭、ミラ・ジョボビッチ本人が、役者として登場。自分はこれから、実在の人物、タイラー博士を演じる、と告げる。すでにここからフィクションなのだが、その後は、ミラ・ジョボビッチが演じる博士と、実際の博士の映像とが交互に、ときには画面分割で同時に現れ、作品の扱っている現象が、現実の物だと、巧みに観客を勘違いさせていく。
博士は、夫が殺されたと考えており、患者を診るうち、宇宙人が人間を拉致するという、第四種接近遭遇(フォース・カインド)が起こっていると考えるようになる。
一方、保安官のオーガスト(ウィル・パットン)は、タイラー博士の催眠により、住民がおかしくなっていると疑い、博士を逮捕しようとする。共同研究者のキャンポス博士(イライアス・コティーズ)は、彼自身も超常現象を見たと証言。何とか逮捕を踏みとどまらせる。
オーガストは、博士の家族を監視させるが、その晩、上空に何かが現れ、博士の娘、アシュリーが連れ去られてしまう。博士は、ドキュメンタリー番組で、娘の無事を信じ、娘を取り戻すために宇宙人との交信を試みざるを得ないことを告げるのだった。
実在の人物としてのタイラー博士を演じている女性の、目が落ちくぼんで憔悴した顔が何とも恐ろしく、よくこんな役者を見つけたな、と感心する。これだけで怖い。
観る前は、宇宙人ものとは思っておらず、ちょっと意外だったのだが、実はこれ、エクソシストのような悪魔憑きの話を、急遽、宇宙人ものにした、という噂もあるらしく、そう聞くとまた、本作が実は現実のものだったのでは、と、さらに思ってしまうのだった。
【5段階評価】4
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