(1089) 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編]永遠の物語
【監督】新房昭之
【出演】悠木碧(声)、斎藤千和(声)、喜多村英梨(声)、加藤英美里(声)
【制作】2012年、日本
「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語」の続編。
まどかの親友だったさやか(喜多村英梨)のソウルジェムはグリーフシードとなって魔女を生み出し、さやかの体は死体となる。魔法少女とは、凶悪な魔女になる運命を背負った少女のことであり、キュゥべえの役割は、魔法少女が魔女になるときの感情エネルギーを収集することにあったと知り、まどか(悠木碧)はショックを受ける。魔法少女の杏子(野中藍)は、さやかを救うため、まどかを連れて魔女の結界に入り込むが、命を落とす。
これまで、まどかが魔法少女になろうとすることをことごとく阻止してきたほむら(斎藤千和)だったが、実はかつては、彼女の方が魔法少女のまどかに守られる存在だった。時間を操る能力を持つほむらは、まどかが絶体絶命の危機で身をなげうって魔女に挑んで命を落としたことから、自分がまどかを守れる存在になることを願って魔法少女になり、まどかが命を落とさないよう、何度も過去にさかのぼり、まどかとのやりとりをやり直してきたのだった。
しかし、その結果、まどかに強力な魔法の力が集結し、最凶の魔女となる資質が備わってしまう。ほむらの繰り返してきたことこそが、まどかをそのような存在に変えていたことに気付き、ほむらは愕然とする。
強大な魔女が訪れる「ワルプルギスの夜」が近づき、ほむらは単身で魔女に挑むが、そこに魔法少女となったまどかが現れる。彼女は、全ての魔女を過去から未来に至るまで消し去るという願いと引き替えに魔法少女となっていた。まどかは概念的な存在となり、ほむらの前から姿を消す。ほむらは悲しむが、魔法少女がやがて魔女となるという負の輪廻は、まどかの願いにより消滅していた。魔女がいなくなることはなかったが、ほむらは、まどかの願いによりかなえられた世界を守るために、戦い続けるのだった。
前編で大きな謎だった、ほむらの行動の理由が明かされ、物語は佳境に入る。ふくらんだ期待を裏切らない驚きの展開に、これがこの作品の魅力か、と気付けば身を乗り出して作品にのめり込んだ。ほむらの希望が絶望に変わるという無情さも、そうならざるをえない状況が十分に描かれていた。まどかが宇宙の概念的存在に昇華する辺りは、ハッピーエンドと言うには切なかったが、次回作に期待したいところ。
ほむらが、まどかを助ける方法を何度も時間をさかのぼって試すところは、ゲームをノーミスでクリアするために、何度もリセットしているような感覚にもとらわれた。
時間旅行的作品の特徴ではあるが、2回目の鑑賞のほうが、1回目よりはるかに感動できるというのは、なかなか新鮮な体験だった。
【5段階評価】4
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